2017.11.16 Thu posted at 19:35 JST
(CNN) スイス・ジュネーブ大付属観測所などの天文学者は15日、地球から11光年離れた位置に、観測史上2番目に太陽系に近い系外惑星を発見したとする研究結果を専門誌に発表した。生命が存在する可能性もあるとして、研究者の間で期待が高まっている。
今回発見された「ロス128b」は地球とほぼ同じ大きさ。表面気温も地球と同程度の可能性があり、その場合は生命が存在しうる穏やかな環境となる。主星である赤色矮星(わいせい)「ロス128」の周回軌道を9.9日ごとに一周している。
赤色矮星の周囲には他の系外惑星も発見されてきたため、さらなる系外惑星の発見を期待しての研究や観測が増えている。恒星「トラピスト1」を周回する複数の惑星や「プロキシマb」など、近年発見された他の主な地球大の系外惑星もこの種の恒星の周りに発見されてきた。
ただ、天文学者らが今回の発見に関して興奮しているのは、ロス128が「静かな」恒星であるためだ。プロキシマbが周回する恒星など他の赤色矮星は、紫外線やX線の放射を周囲の惑星に浴びせる傾向にある。
しかしロス128はこれを行っていない模様であることから、「比較的静か」とみなされている。ロス128bはこうした激しい放射に時折さらされるということがなく、生命の形成により適した場所と言える。
天文学者らは今回、欧州南天天文台(ESO)の惑星探査装置「HARPS」を使ってロス128bを発見した。HARPSは「高精度視線速度系外惑星探査装置」の略称で、南米チリに設置されている。
論文の共著者のひとりはメールで、「こうした発見に関わることができ非常に満足だ」などと言及。「このシステムの特徴により、我々は第2の地球の発見にいくらか貢献できている」と述べた。
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