「ニセ医学」に騙されないために 危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る!

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(写真はイメージです)

わらにもすがりたい病人から時間と金、そして命を盗み取るエセ医学を内科医が徹底的に検討する。

「ニセ医学」に騙されないために 危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る!

NATROM
メタモル出版

私の感想
ニセ医学は患者のことより金が目当てである
「ニセ医学」に騙されないために 危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る!
本書はニセ医学を告発し続ける内科医のブログを書籍化したものである。内容は正確で、一般人だとややハードルを感じるだろう。
初耳のとんでもない商品がぞろぞろと登場する。
私は自分のブログで、民間療法については独自の考え(エセ医学の民間療法を庇い立てする)を披露しているが、その被害に対する憤りは筆者と同様である。

現代医療

日本のGDPに対する薬剤支出額はOECD諸国で世界9位、費用は安く抑えられている。日本人は薬漬けでも、もうけ主義の医療ビジネスでもない。その主張は「標準医療の否定」と結びついている。
万能薬は存在しない。たいていはエビデンスがない。一般書籍はでたらめが書けるが、論文はでたらめが書けない。研究者は論文に書くべきである。薬は狭いターゲットにしか効かない。癌、アトピーと効果を広げる万能薬は売り上げを目指すためだ。ワラをもすがりたい人をだましている。
ステロイドの副作用は大きい。しかし、免疫抑制のためには有効な薬剤である。1錠10円以下で、もうけるための薬でもない。
癌の治療関連死は誇張されており、治療方法は世界と変わらない。抗がん剤ももちろん有効だが、その治療効果に対する価値観は人それぞれである。
モルヒネを使用するのは医師の義務であり、患者の権利である。
ワクチンの有効性はことのほか低く語られることが多い。
病院での出産は安全のためである。過度な自然分娩礼賛は不要。しかし、宗教観は否定しない。「人事を尽くして天命を待つ」。

代替医療

ホメオパシーとは本来の薬剤を非常に薄めて「レメディー」と読んで使用している。新生児にビタミンK剤を与えず、脳出血で死亡した事件があり、ホメオパシーの団体はビタミンKを与えるなとは言ってないと逃げた。ホメオパシーは現代日本で最も悪質な代替医療である。
瀉血はごく一部の疾患に対して以外は有害である。にもかかわらず、体に悪い物がたまっているとして、様々な薬効をあげて施術に取りかかる医師がいる。
わずかに放射能を放出する器具を身につける「放射能ホルミシス」は過大な効果を掲げて販売されている。
アレルギー対策の代替療法は理屈に合わないところがある。
エネルギー療法のオーリングテストは日本でも信じている医師がいる。しかし、全く根拠に乏しい。
イタリアで炭酸水素療法が癌に効くと創作されたが、その医師は医師免許を剥奪された。
独自理論の千島学説では根拠に乏しい食事療法を行っている。
ソマチッド療法はエビデンスが明確ではない。
幹細胞療法はしっかりとした説明と同意が必要である。
水素水に関してはまだ研究段階で、エビデンスが薄弱である。

健康食品

フードファディズムでは食品の効果を過信している。
マイクロビオテックという玄米療法は子供の発達の遅れをもたらした。
癌を治すという情報商材が高値で売買されている。血液型によるダイエット食を考案した人は大金を稼いだが、人類の健康に対する貢献ではひどくマイナスであった。
米のとぎ汁乳酸菌は放射能対策までうたっている。しかし、その効果は眉唾だ。
酵素を販売するサプリ業者は薬事法に引っかからないように消費者を誤誘導する。
健康食品では時に強い肝障害を生じる。場合によっては命を落とす。それは天然成分であっても変わらない。
「エコパラダイス溶液」はその効果を誤認を誘っている。
バイオラバーはその効果が値段に見合うかどうかも分からない。
タバコが肺がんには無関係だという誤誘導はよく行われる。

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