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2017年11月16日

【コミュニケーション】『職場にいる不機嫌な人たち』西多昌規


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職場にいる不機嫌な人たち


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、BookLive!追随の「ニコニコカドカワ祭り2017 第4弾」の中でも読んでみたかった1冊。

著者の西多昌規先生は、コミュニケーション本から集中力本まで、当ブログでも何冊もご紹介しており、根強い人気を誇ってらっしゃいます。

アマゾンの内容紹介から。
あの人はなんでいつも、イライラ、カリカリしているのか?精神科医が教える「うざいあの人」の23の攻略法。

なお、現時点で中古価格とKindle版とがほぼ同じお値段ですから、セール期間中ならば送料分強、Kindle版がお買い得です!





Pout / PatCastaldo


【ポイント】

■1.視線も合わせない「だんまり」さん
 不機嫌そうに黙ってしまえば、相手が困るのは誰でもわかることです。
 それでもムスッとしてだんまりを続ける人には、「そっちからかまってほしい」という甘えがあります。
 自分の意見に対するこだわりが強く、意見を変える気はないので、「どうしたの?」「何かあった?」と心配した誰かが近づいてきて物事を変えてくれるのを待っています。
 あるいは、だんまりを続けているのは、「自分は折れないから、そっちが折れて謝ってほしい」という無言のアピールだったりします。(中略)
 このようにすねて黙ってしまうタイプは、欠点やミスをあれこれ詰問すると、ますます殻に閉じこもってしまいます。
 かといって、かまってもらいたいところがあるので、完全な放置プレイは考えもの。機嫌が戻るまでは距離を置いて見守りながらも、普段どおりのコミュニケーションを行いましょう。
 だんまりさんに対して絶対にやってはいけないのは、相手の沈黙に動揺して、オロオロした様子を見せることです。


■2.心の中で相手を貶める「嫌味」さん
 嫌味を言う本人は、たいていは嫌味や皮肉を言っている自覚があるものです。なぜならば、嫉妬や羨望というネガティブな感情は、恥ずべき、やましいものであると薄々わかっているからです。
 かといって、嫌味さんに「君の捉え方にも問題がある」など、嫌味に嫌味で返すのは、相手の自尊感情を逆なでするので、やめたほうが賢明でしょう。
 嫌味や皮肉を言われると、言われたほうは「なんだこいつ」とすぐにネガティブ感情のスイッチが入ってしまうかもしれませんが、そんなときは「嫉妬されているんだな」「デキる私のことが羨ましいんだな」と、自分の中で嫌味を賞賛に置き換えて、むしろ「褒められているな」くらいの気持ちで接しましょう。


■3.欠点を武器にする「居直り」さん
 精神医学には、「疾病利得」という用語があります。これは、「病気になると得られる利益」のことです。病気になるとつらいものですが、一方では、家族や医療者など周りが心配していろいろやってくれるという利益があります。(中略)
 居直りさんが求めるのは、一種の「疾病利得」です。職場では新人や部下であることを武器にして、自分の得になるようにもっていこうとします。誰かのヘルプを期待して、自分は努力をせず楽をしたいと考えるのです。(中略)
 居直りさんに対処するには、相手の自尊心をある程度満足させてあげることが大切です。「頑張っているよね」「経験がないわりに、よくやっているよ」と、とりあえずは褒めておきましょう。
 同時に、未熟な部分に関しては、社会や組織のルールなどを持ち出して、秩序にはきちんと従ってもらわねばならないことを伝えるしかありません。「同僚や上司の言うことはスルーできる」と考えがちなタイプなので、「これができないなら、組織にはいられない」ということをきちんと理解してもらいましょう。


■4.弱い立場の人に不満をぶつける「やつあたり」さん
 自分より強い立場の人から受けた不満を、自分より弱い立場の人にぶつけるやつあたりさん。「悪いのは俺じゃないからな!」とばかりに、まったく関係のない相手に怒りをぶつけるこの行為を、心理学では「置き換え」と言います。
 職場にいるやつあたりさんは、たとえば「ちゃんと書類ができない」「プレゼン下手」などの自分の欠点を、鏡に映すように他人の中に見出して、そこを攻撃します。
 上部に叱責されたことで、かつての自分の失敗やミスの記憶がよみがえり、他人の中の同じような部分が目につくようになるのでしょう。そうした部分に特別な嫌悪感を抱き、そこに不満をぶつけます。(中略)
 やつあたりは、「この人は決して反撃しない」と見なされている人に対して行われることが多いものです。いつもオドオドしていたり、「NO」と言えないYESマンになっている人は、ターゲットにされやすいので、やつあたりさんには普段からできるだけ毅然と接するように心がけましょう。


■5.不機嫌への7つの対処法
(1)とにかく動じない、流されない
(2)道筋をはっきりさせ、建設的な意見を述べる
(3)相手に関心があることを示す
(4)共感は大切だが、同意は慎重に
(5)「~すべき」「~はず」という思い込みをやめる
(6)「不機嫌」のレッテルを貼るのは禁物
(7)帰宅時の自分をイメージする

(詳細は本書を)


【感想】

◆まず冒頭の内容紹介に「23の攻略法」とありますが、これはちょっと誤解を招く表現ではないかと思う次第。

実は「23」というのは、本書に登場する「不機嫌な人」のタイプの数になります。

……下記目次の第1章に「あなたの隣にいる、不機嫌な23人」とあるのを見て、なんとなくお分かりになった方もいらっしゃるかもしれませんが。

それでその23人をグループに分けるとこんな感じに。
1.周囲への気遣いができない「無神経グループ」
2.他人を蹴落としてでも優位に立ちたい「上から目線グループ」
3.損をしそうになると過敏に反応する「独りじめグループ」
4.相手で態度を変える「豹変グループ」
5.心身にトラブルを抱えている「生理的グループ」
それぞれのグループごとに4~5人ごとのタイプが所属する仕様になっています。


◆たとえば上記ポイントの1番目の「だんまり」は、上記の「無神経グループ」の中の1つ。

本書では、この「だんまり」という「不機嫌な人」に関して、「どういう人か」「本音は何か」「どう接すればいいのか」といった切り口から、分析を行っています。

そしてこの構成はすべてのタイプに共通であり、23タイプ分掲載されているという。

一応、上記ポイントの2番目の「嫌味」は、上記グループの中では「上から目線グループ」から。

同じく上記ポイントの3番目の「居直り」は、「独りじめグループ」、ポイントの4番目の「やつあたり」は、「豹変グループ」からになります。

なお、最後の「生理的グループ」は、その名の通り「生理的」な原因に基づく(「躁鬱」「サイコパス」等々)ので、今回は割愛しましたが、万が一職場にこのグループの人がいたら、別途本書にて対応を確認していただけたら、と。


◆第1章はこのように「タイプ別処方箋」であるがゆえ、それぞれ対応方法等が異なっているのですが、逆に共通の対応方法について述べたのが、第4章の「『不機嫌なあの人』と、どうすればうまく仕事ができるの?」。

具体的には上記ポイントの5番目にある「不機嫌への7つの対処法」が、これに該当します。

この中でも特に大事なのが、初っ端にある「とにかく動じない、流されない」ではないでしょうか。

基本的に、不機嫌な人は「自分が悪い」とは思っておらず、むしろ「自分の考えを推し量れない相手が悪い」と考えています。

そこで「相手にイライラをぶつける」ことで要求を通そうとしているワケですから、下手に相手に流されてしまうと、「このまま不機嫌な態度を続ければ、自分の要求は通る」と思われて、相手の不機嫌さがますます高じることになってしまうという……。

とはいえ、完全に無視してしまうと、それはそれで「不機嫌な人」にとっては不愉快ですから、対処法の3番目にある「相手に関心があることを示す」ことも大事です。

この辺のさじ加減は少々難しそうですが、本書を読んでマスターしていただきたいところ。


◆ちなみに、本書を読んで個人的に「目からウロコ」だったのが、「不機嫌は伝染する」という事実です。

何でも「フランス生理認知神経研究所の研究では、自分が不機嫌になっているときと、他人が不機嫌になっている表情を見ているときとでは、脳の同じ部位が活性化する」ことが分かったのだそう。

つまり、「不機嫌な人と接すると、自分の脳の不機嫌スイッチもオンになる」わけです。

ということは、実は、自分が気が付いていないだけで、あなた自身の「不機嫌」が、周りの人に伝染している可能性も否定できず!?

「もしかして?」と思われた方は、第5章の「『不機嫌な人』にならない技術」を読んで、まず自分自身の「不機嫌」具合を認識し、対処していくようにしてください!


職場にはびこる「不機嫌」をなくすために!

B01E6JRV2U
職場にいる不機嫌な人たち
はじめに なんであの人はいつも不機嫌なの?
第1章 あなたの隣にいる、不機嫌な23人
第2章 そもそも、「不機嫌」って何?
第3章 あの人の不機嫌は、もしかして自分のせい?
第4章 「不機嫌なあの人」と、どうすればうまく仕事ができるの?
第5章 「不機嫌な人」にならない技術


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【編集後記】

◆昨日「前日ランキング」をお送りしていますが、他にも本日終了のセールにはこんなものが。



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ガチなプログラミング本等はハードルが高いですが、一部Excel本やデザイン本もありますので、ぜひチェックしてみてください!


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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