スマートスピーカーをこれから購入しようとしている人にとって最大の懸念は、製品のよしあしではなく、自分がスマートスピーカーを使いこなせるか、もっとかみ砕いて言うと、自分の生活にスマートスピーカーが本当に必要か否か、ではないだろうか。
新しいジャンルの製品ということで興味はあるし、便利そうに見えるが、いざ購入してみたら自分の生活にまるでフィットせず、ムダな出費に終わるかもしれない。私見だが、今のスマートスピーカーの宣伝は多少“盛り気味”である故、その可能性はなくはない。そうした不安を拭い去れず、購入をちゅうちょしている人も恐らく多いはずだ。
そんな人に、つぶしの効く方法としておすすめなのが、外付けのBluetoothスピーカーとしての利用だ。多くのスマートスピーカーはBluetooth接続に対応しているので、PCやスマートフォン、タブレットの外部スピーカーとして利用できる。
さすがにオーディオマニアの方々のお眼鏡にかなうレベルの音質ではないにせよ、普段はデバイス内蔵のスピーカーで音楽を聴いているような人からすると、十分なクオリティーだ。何より、そうした使い方ができることを知っておけば、購入のハードルも下がるだろう。
Bluetoothスピーカーとして使う場合の設定方法を見ていこう。「Google Home」の場合、Bluetoothは最初はオンになっていないので、何もしないままスマホやタブレットのBluetoothデバイス一覧に表示されるわけではない。まずはアプリから設定する必要がある。
といっても、Google Homeアプリを起動してデバイス(ここではGoogle Home)の「設定」→「ペア設定されたBluetoothデバイス」を開き、「ペア設定モードを有効にする」をタップして有効化するだけだ。後はスマホやタブレットのBluetoothの設定画面を立ち上げ、一覧の中に表示されている「Google Home」という名前をタップすれば、ペアリングが完了して使えるようになる。
この他、Spotifyなどの対応アプリであれば、同一のWi-Fiネットワーク上にあるGoogle Homeに音声をキャストできるので、Bluetoothを使わなくても、Wi-Fi経由で音楽をGoogle Homeに出力できる。SpotifyやGoogle Play Musicの他、iTunes、AWAなども対応している。
そんな簡単にiTunesからGoogle Homeに出力できるのなら、前回の記事で紹介した、Google Play Music経由でiTunesを聴くような手間を掛けなくてもよかったじゃないか、と思うだろうが、この方法はあくまでも音楽アプリの出力先としてスピーカーを選択しているだけで、音声コマンドによる曲やアルバムの呼び出し、再生や一時停止、前後の曲への移動といった、スマートスピーカーならではの操作は行えない。
言うなれば、音声アシスタントの上に別人格がひょう依しているようなもので、再生を止めようと「ねぇ Google、ストップ」と話しかけても「何をお探しですか?」と返されてしまう。この場合、再生にまつわる操作は全てスマホやタブレット上で行うのが正しい。ただし音量の調整だけは、Google Home側でコントロールが可能だ。天板のタッチ操作による音量の調整、タップしてのミュートも行える。
といった具合に、スマートスピーカーを普通のBluetoothスピーカーとして使う方法は、製品をうまく使いこなせなかったときや、将来的に上位モデルや後継モデルに買い替えたときの転用方法としておすすめだ。あくまでBluetoothスピーカーとして購入し、うまく音声アシスタントも使いこなせればラッキー、というくらいの気軽さであれば、未知の製品であっても試しやすいというものだ。
もっとも、既にGoogle Homeが手元にあるならいざ知らず、これから製品を選ぶ段階であれば、Google Homeではなく、近日発売が予定されているソニーの「LF-S50G」やオンキヨーの「G3」など、Googleアシスタント内蔵スピーカーを選ぶという手もある。
未発売なので筆者も実機で確認したわけではないが、音楽鑑賞用のスピーカーとしては、こちらの方が明らかに仕様がワンランク上だからだ。後はGoogle Homeに比べて価格が約1万円プラスという点をどう見るかだろう。
この他、「Amazon Echo」ファミリーとその互換機、さらに日本での発売日が発表されていないAppleの「HomePod」なども恐らく同様の使い方ができるはずで、選択肢としては気になるところだ。
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