親が借金を残して死んだら子供はどうするか

放っておくと、大変なことになる危険性も

もし親が借金を残して死んだら、子供は返済しなければならないのだろうか(写真 : Fast&Slow / PIXTA)

今回は相続のお話をしたいと思います。一般的に相続というと、兄弟や姉妹どうしでの財産の分け方、さらには相続税の負担について、興味が偏りがちです。しかし「親が借金を残して亡くなる」という重大なトラブルの種があります。

さてその借金、遺族が返済しなければならないのでしょうか。

実は、預金や不動産といった「プラスの財産」だけでなく、借金という「マイナスの財産」も相続するのが原則なのです。そして相続した借金は、相続した人が返さなければなりません。

「えーっ!」という声が聞こえてきそうですが、確かに、そんなことになったら大変です。遺族として何か対策はないのでしょうか。あります。早速ケーススタディを通して、みていきましょう。

相続は「放棄」できるが、安心は禁物

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借金というマイナスの相続財産があった場合、どうするか。山村俊夫さん(34歳、仮名)は、先日父を亡くしました。

相続人は母と俊夫さんの2人。俊夫さんは母から、父に借金があることを聞かされました。確認してみると、借金の額は約500万円。実家は賃貸住宅で、父が残したのはこの借金だけでした。

さて、この借金はどうなるのでしょうか。

借金は故人のマイナスの財産であり、預貯金や不動産といったプラスの資産と同様、相続人に相続されるのが原則です。

とはいえ、故人がつくった借金を相続人が引き継ぐのは酷であり、大変なことです。そこで相続人は、「相続放棄」という手続きをとることが認められています。

次ページ「相続放棄」には、期限があるので注意!
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  • NO NAME62453b3a2e83
    高齢の親が持つ資産を把握する事は、それ自体が中々の難題です。

    更に借金などの負の遺産の事となると、プライドが邪魔して開示したがらなかったり、整理・損切りを提案しても受け入れなかったり、という動きをする為にますます対応が難しくなります。

    老化に伴って気力・体力が落ちるにつれて、安寧に浸りたがり、現実の問題に背を向け、決断を求められることを嫌う傾向が出てきます。
    それ自体は仕方のない事とはいえ、子世代からすると悩みの種でもあります。

    親本人に一対一で話すだけでは埒が明かない事もあるでしょうから、家族全体から情報を収集したり、方針を一致させて訴えたり、という行動が必要になるでしょう。

    個人的経験からは、孫を育てている兄弟姉妹を味方につけると主導権を握りやすいと感じました。
    up24
    down1
    2017/11/15 08:54
  • NO NAME1ebc48831791
    不動産関係も気を付ける必要があるでしょうね。
    明らかに自分が住まないような場所に親が住んでいたり
    しますから・・。(特に田舎の不動産)
    up20
    down0
    2017/11/15 09:31
  • アンデルセンa98deffdab00

    まずは、簡易か地方裁判所などにある無料弁護士相談所に行く。

    私の場合は、相続権のある親族全員に財産放棄の念書を書いてもらった。

    ただ、今なら、過払い請求などの場合もあるから、よく相談した方がいいかもしれない。

    たぶん、記事にも書いてあるとは思うのだが、相続放棄には、期限がある。

    ぼんやりとしたネットだけの知識ではなく、専門家にハッキリ断言してもらった方がいい。

    金融機関で借金があれば、それだけでは無い。
    友人、知人、それこそ、親類縁者にもある可能性がある。

    借りた金は返すのがスジとは言え、女房子供でさえ、貸さない金を赤の他人で、大の大人が貸すのだから、それはそれで、貸す方にも責任はある。

    だから、人にお金を貸す時は、あげるつもりで、後々、負担にならない程度にした方がいい。

    投資や銀行とは違い、人に貸すのだから。
    up17
    down5
    2017/11/15 08:36
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