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「教師」「准教師」について「一考」を入れさせて頂きます。日本国内で創価学会が宗教界で群を抜く一大勢力となりながら、いままだ名実ともに「国」が認定する「宗派」となっていない現実があります。そこには、“カルト集団”批判へのたじろぎがあるのではないでしょうか。須田論文にもありましたが、欧州、とくにドイツ、フランスなどで“カルト”と同一視されている背景には、この「国」(=日本)が認定する「宗派」となっていない点があるのではないかということです。
私には“ゆがんだ”「随方毘尼」の一環に見えるのですが、「国」、つまり「文部科学省」も認める「宗派」とするには「外形」が整っていないということなのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。それは、良くも悪くも他宗派と歩調を合わせる「教師」などの統一フォーマット開示です。もっとも、突き詰めれば、その「教師」の任命権を持っている「会長」の独裁体制が築き上げられてしまうことは、各論客の方が御指摘の通りでしょう。
下記は、海外の創価学会会員数です。国内宗教紙を代表する某紙に掲載されていた数です。2010年~2011年頃を根拠にしているようです。“世界宗教”を標榜しながら、海外会員数のトップは霊友会にその座を譲っています。ここ十数年来、海外会員数を明らかにしたがらなかった現実がそこにあります。その右は国内の状況です。もちろん、数字は、各宗教団体報告数の公称数字でしょう。ちなみに、各宗公称の信者数は合計すると、2015年(平成27年)末現在で一億八千八百万人になります。
(海外会員数、拠点) 国内(宗教年鑑左2014年末、右2015年末=文化庁調べ)
2014末信者数 2015末信者数
2015末拠点数 教師数 (うち女性)(うち外国人)
霊友会 173万人 26カ国 32拠点 1,369,050人 1,295,497人 2,801 2,714人 (1,067) (0)
創価学会 169万1千人 192カ国 800拠点 (5,422,000人)
世界救世教 125万人 50カ国 300拠点
真如苑 9万3,060人 15カ国 39拠点 916,226
立正佼成会 3,089,374 2,705,319 613 79,352 (61,130) (1)
天理教 1,169,275 1,191,422 32,935 146,945 (8,887) (0)
生長の家 110万2,104人 309カ所 550,310 496,121 129 15,852 (5,800) (33)
日蓮宗 3,916,559 3,486,041 5,165 7,193 (913) (0)
仏所護念会 1,214,118
天台宗 1,534,669 1,363,563 3,094 4,123 (373) (30)
日蓮正宗 544,000 668,000 705 851 (0) (1)
法華宗 501,580
浄土宗 6,021,900 6,021,900 7,049 10,854 (904) (9)
真言宗(高野山) 3,833,220 3,831,300 3,524 6,253 (817) (5)
浄土真宗(大谷派) 3,204,160 7,918,939 8,692 17,328 (2,624) (0)
〃 (本願寺派) 7,926,894 7,922,823 10,317 19,520 (2,720) (0)
曹洞宗 3,540,957 3,511,798 14,716 15,978 (519) (56)
少しさかのぼると、
(文化庁調べ)
1995年(12月31日現在) 創価学会 日蓮正宗 5,704,583人
1997年( 〃 ) (5,760,000人)←(推定値) 5,765,643
1998年( 〃 ) 283,354 ←(創価学会破門)
2000年( 〃 ) (5,422,000人)←(推定値) 338,000
日本宗教年鑑には周知の通り、神道系、仏教系、キリスト教系、諸教の大別がありますが、創価学会は主要な団体とはされていません。「単立」として片隅に乗せられれています。かつては都知事管轄でしたが、いまは文化省扱いです。“宗教革命”を目指したわけですから、それはそれでいいと思いますが、それが、“一部の人”は、どうも気に入らないようです。
宗教年鑑には、教会、布教所、信者数などとともに「教師数」を列記(表)しています。ここでも、創価学会ははずされています。「教師数」はこの年鑑登録に必須なのでしょう。「世界に馳せる」のに、日本の宗教界からも、国(文部科学省)からも見落とされている、この現状への“ゆがんだ”「僻み」が行動を起こす理由となっているのではないかというわけです。
とくに「教師数」では、「女性」も占める割合が、霊友会、立正佼成会、天理教、生長の家、浄土真宗などで高くなってきています。最近は企業でも海外の人を社外取締役を取り入れる傾向が強くなってきていますが、「外国人教師」も生長の家、天台宗、曹洞宗などで比較的高率です。個人的には、「男女が同じことをするのが真の男女平等ではない」と思っていますが、“社会性重視”なら、こうしたことへの配慮をどうしていくのかという問題も横たわっています。
以下、日蓮大聖人に関連して掲載されている抜粋です。
(※句読点、改行、ルビは読みやすいように筆者修正)
【「日蓮宗は、日蓮(1222~1282)を宗祖とする。日蓮は初め、清澄(きよすみ)山に登って仏教を学び、後に、比叡山で天台教学を究めるなどし、故郷(千葉)に帰り、建長5(1253)年、清澄寺で南無妙法蓮華経と高唱したのが開宗とされる。その後、鎌倉を中心に布教活動を展開し、幕府に対して法華経に帰依すべきことを訴えたが聞き入れられず、そのことにより数々の法難を受けた。佐渡に流されるが、やがて許されると身延(みのぶ)山に入り、そこで専ら法華経の宣揚と道俗の訓育に当たった。7年間ほどして病いを得て身延山を下り、常陸へ療養に向かう途中、立ち寄った池上で亡くなった。
日蓮宗では、南無妙法蓮華経の題目(経の題名)を唱える唱題を説くが、それは、法華経こそが釈尊の悟りの全て、すなわち宇宙の実相を表しており、しかも「妙法蓮華経」の題目は、単に名称ではなく、法華経の説く内容、つまり仏陀の証悟の世界そのものである、という日蓮の考えからである。
なお、日蓮は、南無妙法蓮華経を中心に、諸仏諸尊を回りに配した図によって末法の衆生を救済するという釈尊の本懐を顕わしたが、その図顕の大曼荼羅(まんだら)も本尊として礼拝の対象としている。 現在、日蓮系の教団には、身延山を祖山とし、池上本門寺に宗務院を置く日蓮宗をはじめ、顕本法華宗( けんぽんほっけしゅう )、法華宗(本門流・陣門流・真門流)、本門法華宗等々、種々の宗派がある。ここには、法華経に対する解釈の相違が介在している。なお、日蓮の寂後、身延の御廟は日蓮の定めた六老僧が管理したが、その中の一人、日興(1246~1333)の流れを汲むのが日蓮正宗(にちれんしょうしゅう)であり、富士の大石寺に拠っている。
(日本宗教年鑑14~15㌻)
「日蓮系には、新宗教団体が非常に多い。本門佛立宗(ぶつりゅうしゅう)は、本門法華宗で出家したが、後、還俗した長松清風(1817~1890)が、安政4(1857)年、佛立講を起こしたのに始まる。 法華宗に所属して活動したが、戦後、昭和21年、独立して本門佛立宗と称した。 霊友会は、小谷喜美(1901~1971)、久保角太郎(1892~1944)によって始められたもので、法華経信仰を基盤とした祖先崇拝が基本となっている。この霊友会から、昭和10~13年頃、孝道教団、立正佼成会などが独立し、さらに戦後、昭和25~26年頃、妙智会教団、佛所護念会教団、正義会教団などが独立した。
そのほか、妙道会教団、大慧會(だいえいかい)教団なども、霊友会から独立した教団である。立正佼成会は、長沼妙佼(1889~ 1957)、庭野日敬(1906~1999)らによって始められたもので、当初は、霊友会とほぼ同様の信仰形態であったが、その後、原始仏教、大乗仏教の教理を大きく採り入れ、近年は、宗教協力等に力を入れている。
なお、創価学会は、昭和5(1930)年、牧口常三郎(1871~1944)によって設立された在家信者団体である創価教育学会が母胎であるが、牧口は自らの教育理論の確立のために日蓮正宗の信仰を採り入れ、その後は次第に信仰を中心とする団体に発展したものである。そのほか日蓮系の新宗教団体として法師宗、思親会などがある。
〔戦後の仏教〕 戦後、宗教団体法の廃止と宗教法人令の制定により多くの宗派が旧来の宗派から分離、独立した。その中には浄土宗のように再度、合同したものや、分離して異なる包括法人 として存在しているものもある。
多くの宗派では教団組織を宗教法人法に合わせて整備を行った。また、現代社会において宗派として果たすべき役割が再検討され、天台宗の「一隅を照らす運動」、高野山真言宗の「御宝号念誦運動」、浄土真宗本願寺派の「基幹運動」と「実践運動」、臨済宗妙心寺派の「おかげさま運動」など新しい施策が採用された。 また、仏教界では伝統仏教教団により昭和29(1954)年に、「仏陀の和の精神を基調 とする全一仏教運動」という理想のもと全日本仏教会(略称・全仏<ぜんぶつ>)が結成され、昭和32年に財団法人として許可を受けた。公益財団法人日本宗教連盟の協賛団体でもあり、教団の相互理解と宗派間による宗教協力、行政や社会問題への対応、世界の仏教徒との連携、親善などさまざまな活動を行っている。
(同16㌻)】
ご参考までに。
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