核のごみ説明会 謝礼約束し動員

原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の処分についての説明会で、「NUMO=原子力発電環境整備機構」から委託を受けた会社が、東京や埼玉など5か所の会場に参加した、合わせておよそ40人の大学生に謝礼やサークル活動への支援を約束して参加を依頼していたことがわかりました。

国と最終処分を実施する「NUMO」は、高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の処分場の調査対象になる可能性がある地域を示した「科学的特性マップ」の公表を受けて、先月から全国各地で市民向けの説明会を開いています。
NUMOによりますと、広報業務を委託した2次下請けの都内にある会社が、大学生に謝礼やサークル活動への支援を約束して、説明会への参加を依頼していました。
こうした約束で説明会に参加したのは、東京、埼玉、愛知、大阪、兵庫で合わせて39人に上り、今月6日に開かれた埼玉での説明会で、学生の1人が「参加すると謝礼をもらえると聞いた」と発言したことから発覚したということです。
NUMOによりますと、埼玉の会場に来た12人の参加者には1人あたり1万円を払う約束をし、残りの27人には、所属するサークルに対し、1人あたり5000円相当の支援を約束していたということです。
NUMOは、謝礼を払って参加者を集めるように依頼はしておらず、発言内容に注文をつけるといったことはしていないと説明しています。
NUMOの宮澤宏之理事は、記者会見で「意見交換会全体の公平性について不信感を招きかねないものであり、機構としての委託先に対する管理が不十分であったと言わざるを得ない。管理不徹底により、このような事案が発生したことに対し、深くおわび申し上げる」と陳謝しました。

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