フェイスブックで超多忙を自慢する人の心理

忙しさがステータスシンボルになっていた

「忙しさ」がステータス化している(写真:iroha / PIXTA)

現代人は多忙だ。「忙しい」が口癖の方、もしくはつねにそう感じていらっしゃる方も多いのではないだろうか。もちろん、生活に追われ、本当に余裕がないという人もいる一方で、実は多くが「忙しさ」を「盛って」いる、つまり、実態以上に忙しいように見せているところがある。

というのも、「忙しさこそが現代におけるステータスシンボルだからだ」という研究が最近、アメリカで発表され、話題を集めている。つまり、ブランド品を見せびらかす代わりに、「忙しくしている自分を見せびらかしている」というのだ。

ケインズの予言

この連載の一覧はこちら

20世紀を代表する経済学者ジョン・メイナード・ケインズは1930年に、「孫たちの時代には、1週間当たりの労働時間は15時間になる」と予言した。実際、世界的に見ると人々の労働時間は少しずつ短くなっており、将来的に、人々の仕事はAIやロボットに取って代わられるという見方もある。

ケインズの予言は意外に近い未来にありうる話かもしれないが、今のところはまだ実現には程遠い状況だ。「働き方改革」の掛け声もかまびすしい日本でも労働時間は減少傾向にあるが、世界的に見れば随分と長いままだ。その実態を知るには、「雇用者(自営業者除く)データブック国際労働比較2016」などによれば、​日本人以上に長時間働いているのがアメリカ人である。

年の平均総実労働時間(2014年)は日本が1741時間に対し、アメリカが1796時間。旅行サイト大手エクスペディアの調べによると、有給休暇の取得日数はフランスやスペインが30日なのに対し、アメリカが12日、日本が10日と圧倒的に少ない。祝祭日数はアメリカが10日なのに対し、日本は17日もあることから、合わせた実際の休暇日数は実は日本のほうが多いことになる。

特にシリコンバレーやウォールストリートのエリートたちのワーカホリックぶりは有名で、若いブルーカラー層の5分の1が職を持たず、働いていない一方で、ホワイトカラー層の労働時間は増加している。

次ページかつては暇であることがステータスだった
関連記事
トピックボードAD
人気連載
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

  • NO NAME226e373f0cf0
    中学生の徹夜とか深夜まで起きてたアピールみたいな感じかな?
    up70
    down5
    2017/11/14 09:47
  • NO NAMEc1a6951f6c7f
    自営業なら自慢話も仕事のうち(という業種が多い)

    サラリーマンなら公開出来るほどの仕事内容を持つ人は少ないし、
    その権限もないから、出張で自分のマイルを稼いでラウンジ自慢になる。
    ランチでインスタ蠅のマウンティング系女子と同じ。
    up59
    down3
    2017/11/14 10:01
  • NO NAME16c6da10f340
    そもそもフェイスブックに多忙と書ける人は多忙ではない。多忙=充実ではないし、多忙を装っているやつほど側から見ててスカスカで虚しい人間はいない。時間の使い方知らないの?と思う。
    up60
    down5
    2017/11/14 09:39
  • すべてのコメントを読む
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!
トレンドウォッチAD
途上国の石炭火力支援を<br>日本はやめるべき

アル・ゴア元米国副大統領は地球温暖化対策の重要性を訴え続けている。米国は温暖化対策の枠組み「パリ協定」からの脱退を表明。対策は後退してしまうか。日本がすべきことは何か。