2017年11月14日
【映画】BESTから全集へ 『HiGH&LOW THE MOVIE3 FINAL MISSION』(ネタバレ 不満多め)
【あらすじ】
ヤクザが売ってきたケンカを買ったと思っていたら、売る前にすでに買っていたことになっていてヤクザにしばかれるSWORDの皆さん。コブラが切羽詰まり、スモーキーが具合悪くなり、わるいやつらが暴れる中、国を挙げての隠蔽大作戦・無名街爆破セレモニー(※本編表現ママ)が開催されることに。そんな九龍グループとの戦いが佳境を迎える中でも、九十九さんは九十九さんなのであった。
ヤクザが売ってきたケンカを買ったと思っていたら、売る前にすでに買っていたことになっていてヤクザにしばかれるSWORDの皆さん。コブラが切羽詰まり、スモーキーが具合悪くなり、わるいやつらが暴れる中、国を挙げての隠蔽大作戦・無名街爆破セレモニー(※本編表現ママ)が開催されることに。そんな九龍グループとの戦いが佳境を迎える中でも、九十九さんは九十九さんなのであった。
そもそも、俺は大人になれない奴らが「ウーンどうしよう、まいったな、やべぇな、でも……こうやっていくしかねぇ!」と苦しみもがきながら道を歩み、時に間違いながらも仲間やライバルらと一緒に変化・成長していく熱い様子、そしてそのやりとりから生じるキャラ萌え作品としての『HiGH&LOW』(以下ハイロー)が好きだったのであって、「語り」やお説教が聞きたいわけではないのである。もっと言うなら、彼らが生きる「背中」を見ていたのである。いやみんな顔がよすぎるし顔めっちゃ見ちゃうんだけど、そう、いわば顔も含めた「背中」(?)を見ていたのである。
琥珀さんが「国を背負うなら」とか何とか語ったり、村山が「あいつらより俺らの方がマシ」とか語る台詞。ハイローのテーマ、語りたいこととしてはそれが正解なのかもしれないが、今まで「背中」で語るか、なんか熱いけどポエジーでよくわかんねぇ言葉でふんわりかっこよく成立していたモノがいきなりモロに提出されちゃったせいで、役者ではなくその背後にいる人々に「俺たちはやっているぞ! お前も頑張れ!」とお説教されてる気分になってしまった。それが本作『HiGH&LOW THE MOVIE3 FINAL MISSION』(以下MOVIE3)なのであった。
(真理)
で、これで全編がMOVIE2くらいビシッ、バシッ、ドォン、と締まってて最終章として文句がつけられない内容だったら、お説教されても「ほんませやな……ゥチもヵ"ンバロ……」と納得するしかないわけだが、MOVIE3においてはハイローの愛嬌のあるダメさ=「味」である雑多さ乱暴さが温存されたどころかドラマ時代くらいに戻っており、部分的には面白いのだがその感じでそれ語る?みたいな気持ちになる。出演時間はまちまちなのに短い中でもイイ場面を残してきたキャラたちのキレも前作前々作ほどではない。テンション高くしていく前に言いたいことまとめたいものが先走ってしまっている。良さも悪さもとにかく邦画離れどころか映画離れすらしていたハイローが、物語のまとめにかかったことで語りたがりなダメ邦画に近づいてしまったことは、ちょっとかなしい。
とは言えじゃあ3は全くもってダメか、いいとこなしか、と聞かれるといやそうでもないんですよ、と答えざるを得ない。いやむしろMOVIE2が異様に出来がよかったのだ。3のこれがだいたい通常営業なハイローなのだ、と言わざるを得ない。
父親に気合い入れられて戻ってきたダン・テッツ・チハルが爆破騒動の最中に一切何の活躍も見せないとか、国を挙げてのプロジェクトの生放送にむりくり謎のオッサンと少女をネジ込んで成功さすとか、時間軸がメチャクチャじゃねぇか!とか、「隠蔽できるんだよォ……」とコブラ拷問は一回観たぞ再放送?とか、そういう疑念違和感ダメさを吹き飛ばせなかった部分も含めて「This is HiGH&LOW」な作品だった、とそう書かざるを得ない。
MOVIE2が大盛りすぎて皿から半分くらい出てるアクションとキャラとドラマを奇跡のバランスでやりきったBEST OF HiGH&LOWであったとするなら、MOVIE3は長所も短所も含めた総まとめとしてのHiGH&LOW全集といった感触であろうか。いい評判を聞かない画面五分割演出も、ドラマ版のラスカルズITOKAN襲撃の不思議なカメラワークの延長だと考えればうんやっぱりダメだ。あそこはダメだ。
一応書いておくがこれはエコヒイキである。あぁヒイキですよウン。俺はシャマランとハイローには甘いんです。映画としての評価とシリーズが好きであることは違うのであります……
でもなんやかや言うて、無口な印象があるけど喋り出すと結構よく喋るスモーキーの最期の述懐(蒼い空間があまりに美しい)とか、ちゃんとした大人としての西郷を見て雅貴が尊龍を・琥珀さんが龍也を思い出す場面とか、源治出現(出現としか書きようがない)、雨宮兄弟の「物理が効かなきゃさらに強い物理で殴る」理屈とか、安定して美貌が極まっている広斗&キメるとこでカッコよくキメてくれる雅貴お兄ちゃんや、ドラマ時代の味わいが戻りもはや名台詞しか吐かなくなった九十九さんなど美味しい部分も多々あるし、うまいこと丸めて収めたなぁと舌を巻く部分もたくさんある。
(感慨深い)
ここまで1750文字ほどつらつらと不満を中心に書き綴ってきたわけだが、なんやかや言って今月中にもっかい観てしまうだろうし、3年に及ぶドラマ/ライブ/映画/コミックに渡る大河作品のひとつの節目としてMOVIE3を迎えられたことはやはり感慨深い。
なお“バルジ”の正体は明かされない。九龍グループの半数とはまだ決着していない。琥珀さんがなんで海外行ってたのかは不明のまま。マイティ・ウォーリアーズが今後何かしそうなのだが何をするのかさっぱりわからない。村山の「雅貴」呼びのことには触れられない。つまり続編がなきゃおかしい、いやもう困ります! な状況なので、今後もLDHにはハイローを、風呂敷ガンガン広げて畳まないくらいの心意気でやっていってほしいとそう思っている。よろしくお願いいたします。まずは2018年の元旦待ちだな……
琥珀さんが「国を背負うなら」とか何とか語ったり、村山が「あいつらより俺らの方がマシ」とか語る台詞。ハイローのテーマ、語りたいこととしてはそれが正解なのかもしれないが、今まで「背中」で語るか、なんか熱いけどポエジーでよくわかんねぇ言葉でふんわりかっこよく成立していたモノがいきなりモロに提出されちゃったせいで、役者ではなくその背後にいる人々に「俺たちはやっているぞ! お前も頑張れ!」とお説教されてる気分になってしまった。それが本作『HiGH&LOW THE MOVIE3 FINAL MISSION』(以下MOVIE3)なのであった。
(真理)
で、これで全編がMOVIE2くらいビシッ、バシッ、ドォン、と締まってて最終章として文句がつけられない内容だったら、お説教されても「ほんませやな……ゥチもヵ"ンバロ……」と納得するしかないわけだが、MOVIE3においてはハイローの愛嬌のあるダメさ=「味」である雑多さ乱暴さが温存されたどころかドラマ時代くらいに戻っており、部分的には面白いのだがその感じでそれ語る?みたいな気持ちになる。出演時間はまちまちなのに短い中でもイイ場面を残してきたキャラたちのキレも前作前々作ほどではない。テンション高くしていく前に言いたいことまとめたいものが先走ってしまっている。良さも悪さもとにかく邦画離れどころか映画離れすらしていたハイローが、物語のまとめにかかったことで語りたがりなダメ邦画に近づいてしまったことは、ちょっとかなしい。
とは言えじゃあ3は全くもってダメか、いいとこなしか、と聞かれるといやそうでもないんですよ、と答えざるを得ない。いやむしろMOVIE2が異様に出来がよかったのだ。3のこれがだいたい通常営業なハイローなのだ、と言わざるを得ない。
父親に気合い入れられて戻ってきたダン・テッツ・チハルが爆破騒動の最中に一切何の活躍も見せないとか、国を挙げてのプロジェクトの生放送にむりくり謎のオッサンと少女をネジ込んで成功さすとか、時間軸がメチャクチャじゃねぇか!とか、「隠蔽できるんだよォ……」とコブラ拷問は一回観たぞ再放送?とか、そういう疑念違和感ダメさを吹き飛ばせなかった部分も含めて「This is HiGH&LOW」な作品だった、とそう書かざるを得ない。
MOVIE2が大盛りすぎて皿から半分くらい出てるアクションとキャラとドラマを奇跡のバランスでやりきったBEST OF HiGH&LOWであったとするなら、MOVIE3は長所も短所も含めた総まとめとしてのHiGH&LOW全集といった感触であろうか。いい評判を聞かない画面五分割演出も、ドラマ版のラスカルズITOKAN襲撃の不思議なカメラワークの延長だと考えればうんやっぱりダメだ。あそこはダメだ。
一応書いておくがこれはエコヒイキである。あぁヒイキですよウン。俺はシャマランとハイローには甘いんです。映画としての評価とシリーズが好きであることは違うのであります……
でもなんやかや言うて、無口な印象があるけど喋り出すと結構よく喋るスモーキーの最期の述懐(蒼い空間があまりに美しい)とか、ちゃんとした大人としての西郷を見て雅貴が尊龍を・琥珀さんが龍也を思い出す場面とか、源治出現(出現としか書きようがない)、雨宮兄弟の「物理が効かなきゃさらに強い物理で殴る」理屈とか、安定して美貌が極まっている広斗&キメるとこでカッコよくキメてくれる雅貴お兄ちゃんや、ドラマ時代の味わいが戻りもはや名台詞しか吐かなくなった九十九さんなど美味しい部分も多々あるし、うまいこと丸めて収めたなぁと舌を巻く部分もたくさんある。
(感慨深い)
ここまで1750文字ほどつらつらと不満を中心に書き綴ってきたわけだが、なんやかや言って今月中にもっかい観てしまうだろうし、3年に及ぶドラマ/ライブ/映画/コミックに渡る大河作品のひとつの節目としてMOVIE3を迎えられたことはやはり感慨深い。
なお“バルジ”の正体は明かされない。九龍グループの半数とはまだ決着していない。琥珀さんがなんで海外行ってたのかは不明のまま。マイティ・ウォーリアーズが今後何かしそうなのだが何をするのかさっぱりわからない。村山の「雅貴」呼びのことには触れられない。つまり続編がなきゃおかしい、いやもう困ります! な状況なので、今後もLDHにはハイローを、風呂敷ガンガン広げて畳まないくらいの心意気でやっていってほしいとそう思っている。よろしくお願いいたします。まずは2018年の元旦待ちだな……
dontbetrue at 00:00│映画