米クアルコム、ブロードコムからの買収案拒否-委任状争奪戦に発展も

Qualcomm Is Said to Brace for a Fight Over Broadcom’s Deal Plan
Photographer: Angel Navarrete/Bloomberg

米半導体大手のクアルコムは同業ブロードコムから提示された1050億ドル(約12兆円)の買収案を拒否した。実現すればテクノロジー業界で過去最大規模となる買収案件は、委任状争奪戦に発展する可能性が出てきた。

  クアルコムはブロードコムが株価低迷を利用して安値で買収しようとしていると主張し、株主に買収案を受け入れないよう勧告。クアルコムはまた、規制当局が買収承認に難色を示す可能性があるとも指摘した。ブロードコムの担当者にコメントを求めたが、これまで返答は得られていない。

  クアルコムのポール・ジェイコブズ会長は発表資料で、「ブロードコムの提案は、モバイルテクノロジー業界における当社の主導的地位や将来の成長見通しを著しく過小評価しているというのが、取締役会で全会一致した見解だ」と説明した。

  ブロードコムは6日、クアルコムに現金と株式合わせ1株70ドルで買収を提案。ブロードコムのホック・タン最高経営責任者(CEO)とアドバイザーらはクアルコム側の拒否に備え、委任状争奪戦に持ち込み株主に直接訴えることを検討していた。

  クアルコム買収が実現すれば半導体業界の勢力図を塗り替えることになり、ブロードコムは米インテル、韓国サムスン電子に次いで業界3位に浮上する。

原題:Qualcomm Shuns Broadcom, Sets Up $105 Billion Proxy Fight (1)(抜粋)

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黒田日銀総裁:デフレマインド、一気に払しょくするのは容易ではない

Bank of Japan Governor Haruhiko Kuroda Delivers Speech At University Of Zurich

黒田日銀総裁

Photographer: Stefan Wermuth/Bloomberg
  • 2%目標の実現に向け、粘り強く取り組む姿勢表明
  • 需給ギャップ改善で企業の賃金・価格設定スタンス、次第に積極化へ

日本銀行の黒田東彦総裁は、「負の価格ショック」の影響を回避できれば、フォワードガイダンスによって人々のインフレ予想に影響を与えることは可能だとして、2%の「物価安定の目標」の実現に向け粘り強く取り組むとの考えを示した。

  黒田総裁はスイスのチューリヒ大学で13日に講演、「2%の物価安定の目標に向けて取り組むべき課題はなお残されているが、それでも物価を巡る環境は5年前に比べて着実に改善している」と評価した。「15年間にわたるデフレによって形成されたデフレマインドを一気に払しょくすることは容易ではない」と述べた。

  日銀は大規模な金融緩和を4年半以上続けているが、物価上昇率は目標の2%を依然大きく下回る。他の主要中央銀行が金融引き締めに踏み出すなか、日銀は緩和を継続する必要があると黒田総裁は繰り返し述べている。

  総裁は13日の講演で、マクロ的な需給ギャップが着実に改善していくなか、企業の賃金・価格設定スタンスは次第に積極化してくるだろうと発言。「実際に価格引き上げの動きが広がれば、人々のインフレ予想も着実に上昇していくと考えられる。日本銀行としては、こうした前向きの動きが途切れることがないよう、今後とも強力な金融緩和を粘り強く続けていく方針だ」と述べた。

原題:Kuroda Says Not Easy to Dispel Japan’s Deflationary Mindset(抜粋)

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