米クアルコム、ブロードコムからの買収案拒否-委任状争奪戦に発展も
米半導体大手のクアルコムは同業ブロードコムから提示された1050億ドル(約12兆円)の買収案を拒否した。実現すればテクノロジー業界で過去最大規模となる買収案件は、委任状争奪戦に発展する可能性が出てきた。
クアルコムはブロードコムが株価低迷を利用して安値で買収しようとしていると主張し、株主に買収案を受け入れないよう勧告。クアルコムはまた、規制当局が買収承認に難色を示す可能性があるとも指摘した。ブロードコムの担当者にコメントを求めたが、これまで返答は得られていない。
クアルコムのポール・ジェイコブズ会長は発表資料で、「ブロードコムの提案は、モバイルテクノロジー業界における当社の主導的地位や将来の成長見通しを著しく過小評価しているというのが、取締役会で全会一致した見解だ」と説明した。
ブロードコムは6日、クアルコムに現金と株式合わせ1株70ドルで買収を提案。ブロードコムのホック・タン最高経営責任者(CEO)とアドバイザーらはクアルコム側の拒否に備え、委任状争奪戦に持ち込み株主に直接訴えることを検討していた。
クアルコム買収が実現すれば半導体業界の勢力図を塗り替えることになり、ブロードコムは米インテル、韓国サムスン電子に次いで業界3位に浮上する。
原題:Qualcomm Shuns Broadcom, Sets Up $105 Billion Proxy Fight (1)(抜粋)