源平を操り、奇っ怪な妖怪を倒していくアクションゲーム。 ちょっとグロテスクな画風で、 なんだか同社のスプラッターハウスと近いようで遠いような雰囲気になっている。 このゲームは、積極的に肉声を多用し、それをウリにしていたようだ。 アーケードからの移植なのだが、PCエンジン版では 当然ながらクリアーな声を出すことは出来ず、ノイズ混じりのそれは はっきり言って何を喋っているのか分からず、格好のネタにされた。 当時小学6年生だったそのころ、100円で投げ売りされていたこれを買った友達が 源平ブームに火を付けた。 このゲームはうちらの間では、バカゲーとして暫く熱狂的ブームが続くことになった。 まず、東宝辺りの映画を意識したようなタイトル画面。 画面の隅っこに小さく「源平プロ」と表示され、 「なんだこのゲーム、映画じゃねぇっての!」 「源平プロ?死ね!」 と、早速笑いのネタにされるのであった。 多分、開発者は真面目に作っているんだと思う。 ゲーム開始時に流れるデモとか、凄く凝っているし、 頻繁に入るボイスなんかも、恐らくかなり力入れてやっているんだろうが、 最初の「諸行無常」は、なんかかっこいい台詞だなぁなんて思ったんだが その後の婆さんの「ありがたやー」の声には脱力したっての。 ゲーム中でも、とにかく喋る喋る。 ゲームのステージ構成としては大きく3つに分かれる中で 最も見所として挙げられるのが「BIGステージ」だ。 このステージは、格闘ゲームばりにキャラが大きく表示され(敵も勿論等身大で描かれている) ひたすら右へ右へ進んでいき、最後にはボスが待ちかまえているという ステージの中でも〆のようなシーンなのだが、 ここでプレイヤーである源平はあるアイテムを取ることで、 必殺剣を出すことが出来る。 それが、「必殺!旋風剣!うぉりゃぁぁぁ~~(声そのまま)」 旋風という文字通り、想像が付くかと思うが、 腕の関節を180度回転させて剣をぶんまわすというリアリティの欠片も無い物 せっかくBIGステージは、細かな部分までリアルに描いているのに、雰囲気ぶち壊しだ。 しかも、リーチがたいした長くないので、労力の割に使えない始末。 なんか、このときに、剣を酷使しすぎた(敵に当てすぎた)場合、 剣が折れ曲がるという粋なことまでやってのけてくれる。 勿論折れ曲がったら、そのままの状態でクリアしないといけない。 他にも、BIGステージをデフォルメしたSDステージ(普通のジャンプアクション)と 見下ろし型のエリアをアイテム探して探索するステージと 3種類のステージを代わる代わるプレイしていくのだが、そんなこともあって非常に落ち着きが無い。 そして、やっぱり最も面白かったのはBIGステージであった。 とことん馬鹿にしているが難易度は結構高い。 なんだかんだいってエンディングまで辿り着くことはなかったと思う。 最後に最も、俺たちを笑い殺してくれたのが、ゲームオーバーの演出。 というか、当時PCエンジンのゲームを紹介する番組で このシーンが流れていたからこそ、友達が購入するきっかけになったんだけども。 普通、死んでゲームオーバーになると「GAMEOVER」とか、洒落たロゴが出てきたりするけど、 このゲームは和風だから、そんな英字を表示することなんか出来ない。 ただでさえ、ライフをろうそくで表示したりと、雰囲気作りに余念がない本作で そんな妥協は許されない。 だから、源平プロが取った演出はこれだ。 死ぬと、荘厳な音楽と共に画面上部から、巨大な文字がゆっくりと降りてくる。 その文字とは、 「完」 もう、数日はこれを見るだけで大笑いしてた。 まぁ、ある意味最も幕引きに相応しい文字だわ。