ヘッジファンドのブリッジウォーター:金ETFの持ち分増やす

  • SPDRゴールドの持ち分はほぼ7倍、iシェアーズは3倍に
  • ヘッジファンドによる7-9月のSPDRへの投資額は約764億円

資産家でヘッジファンド運用者のレイ・ダリオ氏は7-9月(第3四半期)に金投資を推奨しただけではなかった。自身も大量の金を購入していた。

  今月13日の規制当局への届け出によれば、ダリオ氏が率いる世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエーツは9月末時点で「SPDRゴールド・シェアーズ」の持ち分をほぼ7倍に、「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は3倍余りに、それぞれ増やした。

  金連動型上場投資信託(ETF)としては最大のSPDRゴールドへのヘッジファンドなど投資家による投資額は7-9月に計6億7200万ドル(約764億円)、iシェアーズ・ゴールドへは7億6400万ドルとなっている。投資拡大などにより金価格は9月に1年ぶりの高値を付けた。米国と北朝鮮との緊張が高まったほか、メキシコで約100年ぶりの強い地震が発生し、米テキサス州とフロリダ州が大型ハリケーンに見舞われる中、金の購入が増加した。

  ダリオ氏は8月に投資家に対し、政治的・経済的リスクを理由に資産の5-10%を金に配分するよう検討することを推奨していた。13日の規制当局への届け出によると、ブリッジウォーターは7-9月にSPDRゴールドの持ち分を332万口買い増し、389万口とした。iシェアーズ・ゴールドの持ち分は820万口増やし1130万口とした。

原題:Dalio’s Bridgewater Boosts Gold Holdings in SPDR, iShares (1)(抜粋)

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黒田日銀総裁:デフレマインド、一気に払しょくするのは容易ではない

Bank of Japan Governor Haruhiko Kuroda Delivers Speech At University Of Zurich

黒田日銀総裁

Photographer: Stefan Wermuth/Bloomberg
  • 2%目標の実現に向け、粘り強く取り組む姿勢表明
  • 需給ギャップ改善で企業の賃金・価格設定スタンス、次第に積極化へ

日本銀行の黒田東彦総裁は、「負の価格ショック」の影響を回避できれば、フォワードガイダンスによって人々のインフレ予想に影響を与えることは可能だとして、2%の「物価安定の目標」の実現に向け粘り強く取り組むとの考えを示した。

  黒田総裁はスイスのチューリヒ大学で13日に講演、「2%の物価安定の目標に向けて取り組むべき課題はなお残されているが、それでも物価を巡る環境は5年前に比べて着実に改善している」と評価した。「15年間にわたるデフレによって形成されたデフレマインドを一気に払しょくすることは容易ではない」と述べた。

  日銀は大規模な金融緩和を4年半以上続けているが、物価上昇率は目標の2%を依然大きく下回る。他の主要中央銀行が金融引き締めに踏み出すなか、日銀は緩和を継続する必要があると黒田総裁は繰り返し述べている。

  総裁は13日の講演で、マクロ的な需給ギャップが着実に改善していくなか、企業の賃金・価格設定スタンスは次第に積極化してくるだろうと発言。「実際に価格引き上げの動きが広がれば、人々のインフレ予想も着実に上昇していくと考えられる。日本銀行としては、こうした前向きの動きが途切れることがないよう、今後とも強力な金融緩和を粘り強く続けていく方針だ」と述べた。

原題:Kuroda Says Not Easy to Dispel Japan’s Deflationary Mindset(抜粋)

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