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『重神機パンドーラ』前野智昭さんインタビュー|河森正治監督作品の大ファンとしても全力で取り組んでいるレオン・ラウを語る!

『マクロス』シリーズを手がける河森正治監督の最新作『重神機パンドーラ』がついに発表! 現在、メインキャラクターのレオン・ラウ(CV:前野智昭さん)、クロエ・ラウ(CV:東山奈央さん)などの新キャラクターをはじめ、世界観やメカニックが公開となっています。

しかし、まだまだ謎が多い本作。今回は、いちはやく行った前野智昭さんのインタビューを通して、作品の世界観に迫ります。

ご自身も河森監督の作品に影響を受けたひとりだという前野さん。河森監督の作品の思い出や本作にかける想いを語っていただきました。



ロボアニメは僕にとっても特別
──まずは、本作への印象をお聞かせください。

レオン・ラウ役/前野智昭さん(以下、前野):オーディションのときに河森監督の新しい作品だと伺って、資料をいただいたんです。設定資料を見ただけでもすごく面白そうだなって思ったのが第一印象でした。

僕も河森監督の作品にすごく大きな影響を受けたひとりでもあるので、ぜひメインキャラクターで携わることができたらなと思っていたんです。

そして期待を裏切らずメカで敵と戦っていくというお話ですよ。個人的にロボット作品が好きということもあって、これはぜひ携わりながら作品を見てみたいなと思いました。

もちろん一視聴者としても楽しみだったんですが、この作品を一緒に作っていけたら幸せだなと思いました。


──やっぱり河森監督の作品というのは憧れますよね。

前野:そうですね。河森監督の作品や『ガンダム』シリーズもそうですけど、ロボットアニメっていうのは僕にとっても特別なものがありますね。

──河森監督の作品への憧れは強くあったんですか?

前野:僕自身、河森監督の作品が大好きで、『マクロス』シリーズ(※1)や『創聖のアクエリオン』(※2)など、色々な作品を見ていました。

河森監督も、レオンは『マクロスプラス』(※3)以来の20代の主人公だって仰っていましたけど、『マクロスプラス』は僕がすごく好きな作品なんです。

主人公のイサム・ダイソン(※4)に憧れがあったので、それ以来の大人の主人公だっていうお話を伺って、自分が担当できる嬉しさはひとしおでしたね。

※1:マクロスシリーズ
1984年に放送された『超時空要塞マクロス』をはじめとした作品群。ほぼ全てに河森監督が関わっている。
※2:創聖のアクエリオン
2005年に放送された河森監督によるTVアニメ作品。人気シリーズとなり、『アクエリオンEVOL』『アクエリオンロゴス』『創勢のアクエリオンEVOL』など様々な作品が制作された。
※3:マクロスプラス
1994年に発売されたOVA作品。『超時空要塞マクロス』の続編的な作品であり、翌年には『マクロスプラス MOVIE EDITION』として劇場公開もされた。
※4:イサム・ダイソン
『マクロスプラス』の主人公。CV:山崎たくみさん。『マクロスプラス』では、24歳として登場。


──発表会にも参加されましたが、ファンの声援が熱かったですね。

前野:熱かったですね〜!

昨今の流れだと、こういった作品の主人公は、勢いのある若手に任されることがほとんどだと思うんです。

なので今回の発表会で、「CV:前野智昭」って出たときに、「誰?」とか「えー?」みたいな、そういう空気にならなければいいなっていう不安はあったんですけど(笑)。

みなさんが温かく拍手で迎え入れてくださって、ホッとしたっていうのが素直な気持ちです。


──かなりのキャリアがあるお方なのに、そんなに謙虚だとは思いませんでした(笑)。

前野:河森監督と関係性ができあがってる方もたくさんいらっしゃいます。僕もいつかはと思っていました。

だから、今はメインキャストで初めて関わらせていただけて素直に嬉しいです。

河森監督ともお話しさせていただいたんですけど、「いい感じでレオンをやってくださっていてありがとうございます」と、ありがたい言葉もいただけました。

※5:マクロスF
『マクロス』シリーズ25周年作品として2008年に放送されたTVアニメ。前作の『マクロス7』(1994年放送)から13年ぶりのシリーズ作品ということもあり、新旧のファンが盛り上がる作品となった。

──河森監督にはどんな印象を持たれていましたか?

前野:ご自身の中で独特のビジョンをお持ちの方だなと思います。だけど、すごく気さくにお話してくださるんです。

僕からしてみたらすごい偉人なんですけど、本当にフランクにお話してくださいますし、分からない設定とかがあれば詳細まで教えてくださいます。

本当になんて言うか、こういう表現が正しいのか分からないんですけど、素敵なお父さんのような、そういう方ですね。

アフレコ現場でも、「毎回叫ばせちゃって本当にごめんなさい」みたいに優しい言葉をかけてくださいます。僕的には何回でもガンガン叫びたいんですけど(笑)。


──直接指示が出ることも多いんでしょうか?

前野:河森監督のご意向を音響監督を通して僕らに指示してくださるんです。そのご指摘も分かりやすくて、「もっとこういう風にしたのが聞いてみたいんですけど」っていうご要望をいただきますね。

いろいろな可能性を探ってらっしゃるんだなと現場で感じます。


──河森監督の作品の魅力はなんだと思いますか?

前野:やっぱり僕も好きな、メカが変形するシーンですね。今回も可変型のメカが登場するということなので、痺れるものがありますよね。


──本作に登場する機械・MOEV(モーヴ)に乗るシーンはやはり熱が入りましたか?

前野:入りましたね。MOEVでパンチするシーンがあるんですけど、勝手に“ピンポイントバリアパンチ(※6)”って台本にメモしちゃいましたから(笑)。

まぁピンポイントバリアパンチではないんですけどね(笑)。フォルムが似ていたので、思わずメモしちゃって、「うおおお!」って思いっきり叫びました。

※6:ピンポイントバリアパンチ
『マクロスプラス』から『マクロス』シリーズに登場したお馴染みの技。『マクロス』シリーズにおける時空連続体のひずみを利用した小径のバリアシステム(ピンポイントバリア)を利用したパンチで、主に可変戦闘機・バルキリーの格闘技として使用される。

僕も辛いもの大好きなんですよ!
──主人公レオンについて簡単に紹介をお願いします。

前野:レオンは、「翔龍(シャンロン)クライシス」っていう大きな事件を引き起こした中心人物です。それが原因で郊外の方に追いやられて、クロエ(CV:東山奈央さん)という血の繋がっていない妹と生活をともにしています。

そこでB.R.A.I(ブライ)という敵となる生物に対抗する方法をずっと研究しているキャラクターです。

研究に没頭すると周りが見えなくなってしまって、普通の生活すらままならないようなところもあって……。

いわゆる二枚目の主人公ではないんですけど、研究に没頭しているもっさりな部分と、いざピンチに追い込まれたときに無我夢中で行動をしているときの人間らしい格好よさが混在するキャラクターなんです。

本当に格好悪いときと、普通にいろいろ考えているときと、真剣に敵と戦っているとき……場面場面によっていろいろな段階があるキャラクターですね。

なので演じていてすごく楽しいキャラクターなんです。振り幅がすごく大きいので毎回お芝居をどういう風にするか組み立てるんですが、その作業がすごく楽しいキャラクターです。

──メカもの作品ではあまりいなさそうな主人公という感じがありました。

前野:そうですね。メカものの主人公ではなさそう。本当に研究者という感じなので、パイロットみたいな感じではないんですよね。

ひょんなことからMOEVに乗ることになってしまうんですけど、基本的にはパイロットというよりは研究者のキャラクターかなと思います。

そして、“家族契約(※7)”があるから、「自分がクロエをなんとしても守らなければいけない」という想いで強い面が前に出て、その姿が自然と格好良く見えるキャラクターです。

第1話の中だけでも、いろいろな段階を見られるキャラクターなので、「格好悪いところは本当に格好悪く、格好いいところは本当に凛々しく演じていただければ」というご指摘をいただいたのを覚えています。

※7:家族契約
『重神機パンドーラ』でレオンとクロエの二人が血縁関係がないながらも結んでいる契約。契約内容には「裸でうろちょろしない」などがある。


──いろいろな面が見れるキャラクターなんですね。

前野:そうですね。でも大体はそんなに格好良くないです(笑)。

なので、今まで河森監督の作品に出てきた主人公に比べると、主人公らしくない主人公なんです。

でも、そこがまた新しい挑戦のひとつなのかなと思いますね。

ひとり言をぶつぶつ言うシーンも、「視聴者が何を言っているのか分からないくらいのボソボソで」っていうご指示もありました。


──なるほど。作品の世界観についてはいかがでしょう?

前野:近未来が舞台の作品なので、近い将来こういうケースが起こり得る世界観だなって思いました。そこがうまく現実世界とリンクしていて、共感も得られる設定でしたね。予備知識なしでも楽しめると思います。


──やはり河森監督の着眼点はすごいですね。タイムリーでもあります。

前野:実は2年くらい前からプロジェクトが動いてたっていうお話だったので、それを聞いたときはびっくりしました。

中国がモデルとなっているので、中国の食材や文化が作品に反映されているところも面白いんですよ。

──おいしそうな食べ物がやたらと出てきますよね。

前野:もう毎回食事のシーンが必ず出てくるんですよ(笑)。


──脚本を少し見せていただいたところ、どうやら飯テロ作品らしいと。

前野:そうなんですよ。強い力を使うとすごくお腹が減るっていう副作用があるんです。


──レオンはしかも辛いものが好きらしいですね。

前野:火鍋とかいつも食べてますね。


──前野さんは好きですか?

前野:僕も辛いもの大好きなんですよ!

辛いもの大好きで、あるキャラクターが「山椒をたっぷり効かせたどうのこうのだ!」って毎回料理の紹介をしてくれるんですけど、美味しそうだなぁって思いながらアフレコしています。


──企画でなにかあれば食べてみたいですか?

前野:食べてみたいですね! 登場する食材がすごくおいしそうなものばかりなので、何か企画があれば「レオンが食べた○○」みたいなものをやってみたいですね。

それこそ中国に行って本格的なものを食べてみたり……(笑)。

レオンはこれを食べたのかと、じゃああそこはもう少しこういうお芝居をするべきだったな、なんていう新しい発見があるかもしれませんし。

今後レオンが口にする食材のリストがもしあれば事前にいただいて、ぜひ企画で中国に行って食べて、お芝居の糧にできたらいいななんて思いますけどね。

これまで培ってきた表現力の引き出しをすべて開けて
──本作の注目ポイントはどこでしょうか?

前野:レオンの注目ポイントは、先ほども言った、今までにない主人公像ですね。

情けないところや格好悪いところまであります。でも、これが人間なんだなっていうのが感じられるキャラクターなんです。

決して格好いいだけのキャラクターではないっていうのがレオンのポイントですね。

作品もすごく現実とリンクしていて、「生きることってこういうことだよな」っていうのが如実に伝わってくるメッセージ性を備えています。

タイムリーだと思いますし、共感を得られるところが多いなというのもポイントですね。

あとはなんといってもメカが格好いいですよ。


──今回は人間ドラマに注力していると伺ったのですが、前野さんも心が動かされたりすることがありましたか?

前野:ありますね。レオンは、自ら引き起こしてしまった事故がずっと根底にあり、それを踏まえて自分が信じるものの研究を続けています。

僕もその過ちの大きさをいつも根底に考えながら、毎回表現していますし、そういうところも人間ドラマのひとつかなと思います。

クロエと血は繋がってないですけど、そのクロエとどうして家族契約を結ぶことになったのかというストーリーもすごく人間ドラマがありますし、そういったポイントが本作の推しのひとつでもあるのかなと思います。

──では、最後に本作を楽しみにしているみなさんにメッセージをお願いします。

前野:すごく振り幅の大きいキャラクターを任せていただいたので、僕がこれまで培ってきた表現力の引き出しをすべて開けて毎話収録に臨んでおります。

僕も河森監督の作品に大きな影響を受けたひとりですので、こういったキャラクターを任せていただく責任や重圧をひしひしと感じながら精一杯アフレコをさせていただいております。

ぜひぜひ作品を楽しみにしていただければと思います。


──ありがとうございました!

[インタビュー/石橋悠]

『重神機パンドーラ』×animate キャンペーン実施中!
◆重神機パンドーラ×animate ポスターツイートキャンペーン【第1弾】
『重神機パンドーラ』第1弾キービジュアルを使用したポスターを全国のアニメイトに掲出します。

こちらのポスターを撮影し、Twitter で「#パンドーラアニメイト○○」(※○○は写真を撮影した店舗名)とお書き添えのうえツイートした方に、レオン・ラウ役の前野智昭さん、クロエ・ラウ役の東山奈央さんの直筆サインが入ったポスターを抽選で2名様にプレゼントされます!

期間:11月18日(土)~ 12月3日(日)

◆重神機パンドーラ×animate 開店・閉店コメント【レオン・ラウ役/前野智昭さん】
全国のアニメイトで実施するポスターツイートキャンペーンにあわせて、開店・閉店コメントにレオン・ラウ役の前野智昭さんが登場! 期間中は、第1弾PVを各店舗のモニターにて上映します!

期間:11月18日(土)~ 12月3日(日)

『重神機パンドーラ』作品概要


イントロダクション 【レオン・クロエ編】
2031年、「翔龍(シャンロン)クライシス」が起きたその日、レオン・ラウはまさにその中心にいた。枯渇する環境資源の代替として研究、開発された次世代エネルギー装置「量子リアクター」が暴走し未知なるエネルギーを撒き散らし爆発したのだ。

それにより世界の環境は激変した。人類以外の生物や機械は独自の進化を遂げ、誕生した特異進化生物「B.R.A.I(ブライ)」。その勢力に人類は絶滅寸前まで追い詰められていた。

「翔龍クライシス」から7年後、レオンは絶対防衛都市ネオ翔龍のはずれにある荒野にいた。「家族契約」を交わしたクロエ・ラウと共同生活をしながら、「B.R.A.I」に対抗するべく独自の研究を行っていた。

もっさりなレオンに世話焼きなクロエ。ときに過去を忘れるかのような日々に、しかし、脅威は着実に迫っていた。

<スタッフ>
原作:河森正治・サテライト
総監督:河森正治
監督:佐藤英一
シリーズ構成: 根元歳三
キャラクター原案:江端里沙
重神機デザイン:河森正治
制作:サテライト

<メインキャスト>
レオン・ラウ:前野智昭
クロエ・ラウ:東山奈央

>>公式サイト
>>公式Twitter



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