昭和六十年七月十二日受領
答弁第四一号
内閣衆質一〇二第四一号
昭和六十年七月十二日
内閣総理大臣 中曽根康弘
衆議院議長 坂田道太 殿
衆議院議員矢山有作君提出自衛官によつて写真撮影を妨害された事件に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員矢山有作君提出自衛官によつて写真撮影を妨害された事件に関する質問に対する答弁書
一から四までについて
(一) 防衛庁では、各部隊等に対して、駐屯地等の施設等に対する部外者による外部からの写真撮影を禁ずる措置を採るよう指導を行つたことはない。
(二) 各部隊等が、駐屯地警備等の観点から、外部からの写真撮影を禁ずる旨の掲示を行い、また、これらの掲示がない場合において写真撮影を差し控えるよう申し出ることがあるが、これらは、いずれも当該駐屯地等の施設等の写真撮影を差し控えるよう期待して行われるものであり、強制的なものとは考えていない。
防衛庁としては、各部隊等に対して写真撮影を行わないよう強制することはできない旨適宜指導している。
(三) 防衛庁では、駐屯地警備等の観点から、駐屯地等の周辺において不審と思われる行動をとる者に対して相手方の自発的な応答を期待して氏名等を質問するよう指導している例もあるが、特に外部から写真撮影を行つている者に対して採るべき措置を記述した通達は発出しておらず、また、何らかの措置を採るべき旨の指導も行つていない。
(四) なお、現在、外部からの写真撮影を禁ずる旨の掲示をしている施設は、陸上自衛隊の札幌駐屯地、上富良野駐屯地多田分屯地、島松駐屯地日高分屯地及び駒門駐屯地である。
防衛庁の調査によれば、八戸駐屯地において自衛官が違法な行為を行つたという事実はない。
陸上自衛隊服務規則に基づき、昭和三十五年四月三十日に陸上自衛隊服務細則が制定されている。