Googleは、「Googleマップ」のストリートビュー画像に生ずる不自然なつなぎ目を目立たなくするため、新たな画像処理アルゴリズムを開発し、公開する画像への適用を開始した。
360°全方向を見られるストリートビュー画像は、複数のカメラが取り付けられた専用デバイス「ローゼット」で撮影した写真をつなぎ合わせて合成されている。この合成処理は複雑で、各カメラの視差、撮影タイミングのずれ、不十分なキャリブレーションといった原因により、画像の位置合わせがうまくできず、はっきり認識できるつなぎ目の生ずることがある。その結果、画像が不自然になるだけでなく、店舗の看板に書かれている文字がずれるなどの問題も起きてしまう。
つなぎ目の目立たない自然な360°画像をストリートビューで提供するため、Googlは「Optical Flow」と呼ぶ手法がベースの新たな画像処理アルゴリズムを開発した。
この処理では、隣り合う画像の重複部分で同じ場所を撮影したピクセルを特定し、それらが重なるように各画像を少しずつ変形させる。ただし、これだけではつなぎ目は目立たなくなるものの、重複部分以外の画像が不自然になるという。そこで、ほかの部分の画像も重複部分の変形に合わせて操作し、自然に見えるようにした。