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デルのエンタープライズソリューション
こんにちは、ソフトバンク コマース&サービス株式会社 稲葉です。
最近話題の「2ノードvSAN」。名前だけが先行していて、どのような構成でどのように構築できるのか、どの程度の耐障害性を得られるのか、よくわからず導入に踏み切れていない方が多いのではないでしょうか。
そこで、わたしたちはデルさまと共同で実際に2ノードvSANを構築し、さまざまな実験をしてみました。その結果を、8回のシリーズブログにまとめ、詳しく解説していきます。 4回目では、引き続き2ノードvSANの作り方についてご紹介します。
以前の手順を確認したい場合は最下部にある「Back Number」から該当するページへ移動してください。
2. 2ノードvSANの構築方法(続き)
5) Witnessのデプロイ
2ノードvSANを構成する上で必要となるのが「Witness(監視)」です。
WitnessとはESXiホスト障害時にどちらのESXiホストのデータが正かを判断するために存在するクォーラムディスクのような役割を果たします。
ESXiホストが3台以上のvSANを構成した場合は、自動的にvSANを構成するESXiホスト内に配置されますが、2ノードvSANの場合は決め打ちで専用の仮想アプライアンスを配置し、vSANを構築します。
それでは、仮想アプライアンス「Witness」の構築手順を見ていきましょう。
管理用ESXiホストのHost Clientにログインし「仮想マシンの作成/登録」をクリックします。
「OVFファイルまたはOVAファイルから仮想マシンをデプロイする」を選択し、次へ進みます。
Witnessの仮想マシン名を入力し、OVAファイルをドラッグ&ドロップし次へ進みます。
Witnessを格納するデータストアを選択し次へ進みます。
規約に同意し、次へ進みます。
使用するネットワークとディスクプロビジョニングを指定し次へ進みます。
「root」のパスワードを設定し次へ進みます。
最後にサマリ画面が表示されるため、「完了」を押しウィザードを終了します。
しばらくするとWitnessがデプロイされます。
Witnessを選択し、「コンソール」を押します。
DCUI画面が表示されるため、ESXiホストと同様の手順でWitnessの管理用ネットワーク設定を行い完成となります。
6) vCenter Serverへの登録
vCenter ServerへvSANを構成するESXiホスト2台とWitnessを登録します。
vCenter Server上に「Datacenter」と「Cluster」を作成し、3台のESXiホストを追加します。Witnessは青いアイコンが特徴です。
Witness追加時は“Datacenter”を選択して「ホストの追加」をするようにしてください。WitnessはvSANクラスタ外に作成することがポイントです。
<Witnessを追加した状態>
※ホストの追加手順につきましては以下ドキュメントを参考にしてください。
参考文章:vCenter Server およびホスト管理
https://docs.vmware.com/jp/VMware-vSphere/6.5/com.vmware.vsphere.vcenterhost.doc/GUID-3B5AF2B1-C534-4426-B97A-D14019A8010F.html
◆補足◆
Witnessをホストとして追加するときにライセンスの入力画面が表示されます。Witness専用のライセンス「License1」を選択するようにしてください。
7) ネットワーク設定
2ノードvSANを構成する上で、通常のvSANネットワークに加えWitness用のインターフェースを構成する必要があります。
① vSANネットワークの設定
vSANを構成するESXiホストにvSAN用の仮想スイッチを作成します。
作成した仮想スイッチに、10Gbの仮想NICを割り当てます。
ポートのプロパティから「Virtual SAN」にチェックを入れvSANネットワークを作成します。(ネットワークラベル名は任意です。)
vSAN用のVMKernelポートにIPを割り当てます。
vSANを構成するもう一台のESXiホストにも同様の設定を行います。
② Witnessネットワークの設定
vSANを構成する2台のESXiホストに対して、Witness用のネットワークラベル(以降ラベル)をVMkernelに追加する必要があります。
vSANを構成するESXiホスト間を直結しvSAN用ネットワークで通信を行いますが、直結されていないWitnessはvSAN用ネットワークと疎通ができません。
ゆえにWitnessはvSANの状態を確認することができません。
そこで、WitnessがvSANの状態を確認できるようにするために、「Witness」というラベルを、vSANを構成するESXiホスト(2台)に追加します。
「Witness」のラベルを介することで、3台のESXiホストはvSANの情報(メタデータ)を相互に通信することができるようになります。
またデータストア内に格納された実データに関しては、vSAN用ネットワークを介して通信が行われます。
図で表すと以下のようなイメージです。
※本構成では管理用ネットワーク(vmk0)にWitnessのラベルを追加しています。
なお、3台以上のvSAN構成ではESXiホスト間の直結がないため、Witness用インターフェースの設定は不要となります。
それでは設定手順をご紹介します。
この作業はvSphere Web Client上から設定できないため、ESXiホストにSSHでログインし、コマンドより設定します。
設定の対象となるESXホストはvSANを構成するESXiホストです。実行するコマンドは以下の通りとなります。
追加コマンド:esxcli vsan network ipv4 add –i vmk0 –T=witness
確認コマンド:esxcli vsan network list
<確認コマンドの実行結果>
「追加コマンド」を実行すると“Traffice Type”が“Witness”のインターフェースが追加されます。
参考文章:vSAN 2 Node with Direct Connect
https://docs.vmware.com/jp/VMware-vSphere/6.5/com.vmware.vsphere.virtualsan.doc/GUID-03204C22-C069-4A18-AD96-26E1E1155D21.html
第4回では「Witnessのデプロイ」や「vSANおよびWitnessのネットワーク設定」をご紹介しました。
作り方編の最後となる第5 回では、準備した環境での「vSANを有効化」手順を掲載していきます。
======Back Number======
(1) 第1回:vSANの新たなカタチ “2ノードvSAN”~概要~
(2) 第2回:vSANの新たなカタチ “2ノードvSAN”~ライセンス~
(3) 第3回:vSANの新たなカタチ “2ノードvSAN”~作り方(その1:構成編)~
(4) 第4回:vSANの新たなカタチ “2ノードvSAN”~作り方(その2:Witness編)~
(5) 第5回:vSANの新たなカタチ “2ノードvSAN”~作り方(その3:仕上げ編)~
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