「この世界の片隅に」上映1年 異例のロングラン

「この世界の片隅に」上映1年 異例のロングラン
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広島や呉を舞台に戦時中の日常を丁寧に描いたアニメーション映画「この世界の片隅に」が、公開開始から12日で1年となりました。今も各地で上映が続く異例のロングランとなり、片渕須直監督は「この映画が誰かのところに確実に届いているとかみしめる1年でした」と話しました。
映画「この世界の片隅に」は、戦時中の広島や呉を舞台に、厳しい生活の中でも明るさを忘れない主人公の女性と家族の日常を描いた物語です。

映画の公開開始から12日でちょうど1年となり、東京・新宿の映画館では片渕須直監督や主人公の声を演じた俳優ののんさんなどが舞台あいさつを行いました。

この中で、片渕監督は「映画館で1年間も上映を続けることは本当にすごいこと。お客さんがずっと応援して、劇場に来てくれたからここまで続けられました。この映画が誰かのところに確実に届いているとかみしめる1年でした」と喜びを語りました。
また、のんさんは「きょうで1周年、興奮して胸が高まっています。監督をはじめスタッフ、製作者の皆さんと映画を見た皆さんが同じ気持ちで一緒になって映画を作り上げているという気持ちです」と話していました。

配給元の東京テアトルによりますと、この作品はこれまでに390の映画館で上映され、今後も各地で上映が予定されているということで、実写映画を含めても異例のロングランとなっています。

会場を訪れた40代の男性は「最後は本当に幸せな気持ちになる映画で、何度見てもいいものです。これからもずっと上映が続いてほしいと思います」と話していました。

観客動員は約200万人

映画「この世界の片隅に」は、こうの史代さんの漫画が原作で、昭和19年に広島から海軍の拠点があった呉に嫁いだ若い女性が主人公です。片渕監督が集めた写真などの膨大な資料に基づいて当時の町並みや人々の暮らしぶりが表現され、激しい空襲や食糧難に直面しながらも明るさを忘れない主人公と家族の日常が丁寧に描かれています。

これまでに日本アカデミー賞の最優秀アニメーション作品賞や、フランスのアヌシー国際アニメーション映画祭で審査員賞を受賞するなど、数々の賞を受賞しています。

また、インターネットを通じて一般の人から資金を集める「クラウドファンディング」という仕組みを使って映画の製作費用を集めたことでも話題となりました。

配給元の東京テアトルによりますと、これまでに390の映画館で上映され、観客の動員数はおよそ200万人、興行収入は26億円を超えているということです。

今も各地で上映が続いていることについて、東京テアトルの太田和宏社長は「最近の映画は短命化し、上映が1か月続けば『御の字』というなか、とても驚いています。ヒットの要因としては、作品のクオリティーの高さや細部にこだわっている描写、そして、皆様の応援しようという気持ちが上映後に共感に変わり、作品をいとおしいと思ってくださったことが挙げられると考えています」と話しています。

ロングラン 要因にはリピーター

配給元によりますと、この作品の上映が続いている要因の1つに、作品を映画館で何度も見るいわゆるリピーターの存在が挙げられるということです。

東京・新宿の映画館でこの作品を見た東京都内に住む男性は、全国各地の映画館に足を運んで作品を見続け、12日のこの回が通算で101回目だということです。

男性は、主人公の声を演じるのんさんを応援しようという気持ちからこの作品を見始めて、徐々に魅力にひかれ、製作スタッフや宣伝の人たちとも交流を深めていくまでになったということです。

作品の魅力について、男性は「いろいろな切り口があって、映画館で見るたびに違った感想や新しい発見があった。そのため何度も見たいという気持ちになって、100回を超えてしまった」と話しています。

また、同じように全国の映画館を巡ってこの作品を70回以上見たという神奈川県の女性は、「私は戦争に対してこれまで考えないように自分でふたをしていたところがありましたが、映画を見て、きちんと向き合って考えなきゃいけないという気持ちになりました。何度も見に行くことで、どんどん作品を応援していこうという気持ちになりました」と話していました。

「この世界の片隅に」上映1年 異例のロングラン

広島や呉を舞台に戦時中の日常を丁寧に描いたアニメーション映画「この世界の片隅に」が、公開開始から12日で1年となりました。今も各地で上映が続く異例のロングランとなり、片渕須直監督は「この映画が誰かのところに確実に届いているとかみしめる1年でした」と話しました。

映画「この世界の片隅に」は、戦時中の広島や呉を舞台に、厳しい生活の中でも明るさを忘れない主人公の女性と家族の日常を描いた物語です。

映画の公開開始から12日でちょうど1年となり、東京・新宿の映画館では片渕須直監督や主人公の声を演じた俳優ののんさんなどが舞台あいさつを行いました。

この中で、片渕監督は「映画館で1年間も上映を続けることは本当にすごいこと。お客さんがずっと応援して、劇場に来てくれたからここまで続けられました。この映画が誰かのところに確実に届いているとかみしめる1年でした」と喜びを語りました。
また、のんさんは「きょうで1周年、興奮して胸が高まっています。監督をはじめスタッフ、製作者の皆さんと映画を見た皆さんが同じ気持ちで一緒になって映画を作り上げているという気持ちです」と話していました。

配給元の東京テアトルによりますと、この作品はこれまでに390の映画館で上映され、今後も各地で上映が予定されているということで、実写映画を含めても異例のロングランとなっています。

会場を訪れた40代の男性は「最後は本当に幸せな気持ちになる映画で、何度見てもいいものです。これからもずっと上映が続いてほしいと思います」と話していました。

観客動員は約200万人

映画「この世界の片隅に」は、こうの史代さんの漫画が原作で、昭和19年に広島から海軍の拠点があった呉に嫁いだ若い女性が主人公です。片渕監督が集めた写真などの膨大な資料に基づいて当時の町並みや人々の暮らしぶりが表現され、激しい空襲や食糧難に直面しながらも明るさを忘れない主人公と家族の日常が丁寧に描かれています。

これまでに日本アカデミー賞の最優秀アニメーション作品賞や、フランスのアヌシー国際アニメーション映画祭で審査員賞を受賞するなど、数々の賞を受賞しています。

また、インターネットを通じて一般の人から資金を集める「クラウドファンディング」という仕組みを使って映画の製作費用を集めたことでも話題となりました。

配給元の東京テアトルによりますと、これまでに390の映画館で上映され、観客の動員数はおよそ200万人、興行収入は26億円を超えているということです。

今も各地で上映が続いていることについて、東京テアトルの太田和宏社長は「最近の映画は短命化し、上映が1か月続けば『御の字』というなか、とても驚いています。ヒットの要因としては、作品のクオリティーの高さや細部にこだわっている描写、そして、皆様の応援しようという気持ちが上映後に共感に変わり、作品をいとおしいと思ってくださったことが挙げられると考えています」と話しています。

ロングラン 要因にはリピーター

配給元によりますと、この作品の上映が続いている要因の1つに、作品を映画館で何度も見るいわゆるリピーターの存在が挙げられるということです。

東京・新宿の映画館でこの作品を見た東京都内に住む男性は、全国各地の映画館に足を運んで作品を見続け、12日のこの回が通算で101回目だということです。

男性は、主人公の声を演じるのんさんを応援しようという気持ちからこの作品を見始めて、徐々に魅力にひかれ、製作スタッフや宣伝の人たちとも交流を深めていくまでになったということです。

作品の魅力について、男性は「いろいろな切り口があって、映画館で見るたびに違った感想や新しい発見があった。そのため何度も見たいという気持ちになって、100回を超えてしまった」と話しています。

また、同じように全国の映画館を巡ってこの作品を70回以上見たという神奈川県の女性は、「私は戦争に対してこれまで考えないように自分でふたをしていたところがありましたが、映画を見て、きちんと向き合って考えなきゃいけないという気持ちになりました。何度も見に行くことで、どんどん作品を応援していこうという気持ちになりました」と話していました。