北欧デザイン?車暴走テロ防止で通りに置物 「醜い」とオスロ市民から不評

オスロの観光名所に大量に現れた灰色の物体 Photo: Asaki Abumi

「なんて醜いんだ」とオスロ市民から不満と驚きの声があがっている。

今週、ノルウェーの首都オスロの有名なカール・ヨハン通りに、灰色のコンクリートの置物が大量に出没した。

フォトジェニックとは言えないコンクリートの置物がずらり Photo: Asaki Abumi
フォトジェニックとは言えないコンクリートの置物がずらり Photo: Asaki Abumi

欧米各地で発生している車の暴走テロが、ノルウェーで絶対に起きないとは言い切れない。

オスロで人通りが多く、王宮、国会、ノーベル平和賞受賞者が宿泊するグランド・ホテルなど、観光スポットが集まるカール・ヨハン通り。地元民や観光客が歩き、国会議員なども車などで頻繁に利用する場所だ。

オスロ中央駅から王宮をつなぐ1020メートルのカール・ヨハン通り。中央駅前にもコンクリート Photo: Asaki Abumi
オスロ中央駅から王宮をつなぐ1020メートルのカール・ヨハン通り。中央駅前にもコンクリート Photo: Asaki Abumi
Photo: Asaki Abumi
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国会周辺には車突入を防止する「花壇」がこれでもかと集中して置かれる。1年の半分は冬のような天気の国なので、カラフルな花がある時期は限られる Photo: Asaki Abumi
国会周辺には車突入を防止する「花壇」がこれでもかと集中して置かれる。1年の半分は冬のような天気の国なので、カラフルな花がある時期は限られる Photo: Asaki Abumi

まっすぐに車で走ることができる通りは、テロリストにとっては嬉しいほどに車で暴走しやすい設計になっていると、以前から指摘されていた。

高級なグランド・ホテル前の置物だけ白く塗られている。ホテル側が灰色に我慢できなかった? Photo: Asaki Abumi
高級なグランド・ホテル前の置物だけ白く塗られている。ホテル側が灰色に我慢できなかった? Photo: Asaki Abumi

「オスロが安全な街であり続ける」ための、テロのリスクを減らすための対策だと、オスロ市議会行政部のリーダーであるレイモン・ヨハンセン氏(労働党)は自身のFacebookで語る。同氏は日本でいうと都知事のポジションにつく。

コンクリートの置物は花壇としても機能するが、あまりにも至る所に置かれているために、通りの風景は一変した。

以前よりも安全に?しかし、ごちゃごちゃしたようにも見える。タクシー乗り場前 Photo: Asaki Abumi
以前よりも安全に?しかし、ごちゃごちゃしたようにも見える。タクシー乗り場前 Photo: Asaki Abumi

「灰色で、悲しい色」と市民らは地元メディアに答え、「どうしてテロリストのために、我々がこのように生活を変えねばいけないのだ」と憤る人もいる。一方で、今の情勢では「仕方ない」という声もある。

2019年までには一般自動車を減らすカーフリー計画が予定されているエリア。確かに車が入りにくくなった。車の運転者は自分たちが歓迎されていないとさらに感じるかもしれない Photo: Asaki Abumi
2019年までには一般自動車を減らすカーフリー計画が予定されているエリア。確かに車が入りにくくなった。車の運転者は自分たちが歓迎されていないとさらに感じるかもしれない Photo: Asaki Abumi
「歩きにくい」と、筆者は思った Photo: Asaki Abumi
「歩きにくい」と、筆者は思った Photo: Asaki Abumi

タクシー運転手などからは、「中心地でお客様を送迎しにくくなった」という声も。極端な街の変わり具合と対策に、一部の現地メディアでは笑いのネタになっている。

Photo&Text: Asaki Abumi