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島に1人しかいない郵便局員が消える。鹿児島県・竹島の住民「起きるべくして起こった」 (UPDATE)

「実家に帰る」と言い残して携帯解約 連絡が途絶える

2017年11月10日 17時18分 JST | 更新 2017年11月11日 10時20分 JST
国土交通省/Wikimedia
鹿児島県三島村の竹島の空中写真

鹿児島港からフェリーで3時間かかる離島「竹島」。鹿児島県三島村に属している。過疎化が進み、人口は約80人。一般銀行もコンビニもなく、ATMも皆無だ。郵便局の「ゆうちょ銀行」は、島で唯一の金融機関である。

その唯一の郵便局から、たった1人しかいない郵便局員がいなくなった。郵便局は一時閉鎖に追いやられた。ある島民は、ハフポスト日本版の取材に、ため息をつきながら「起きるべくして起こった事態」と語った。

■「実家に帰る」と言い残して携帯解約

朝日新聞デジタルによると竹島簡易郵便局は、もともとは鹿児島中央郵便局の分室だったが、7月に日本郵便から業務委託された簡易郵便局になった。それに伴って日本郵便の職員ではなく、島外出身の男性(31)が村の嘱託職員として窓口業務を担うことになった。

職員は10月27日に「実家に帰ります」として数日間の休暇を取った後、連絡が取れなくなった。三島村は郵便局を11月6日から10日まで休業。代わりの嘱託職員を村内の黒島から派遣し、13日から12月中旬までは月、火曜日だけの営業として、新しい嘱託職員の募集を始めた。

住民提供
一時閉鎖された竹島簡易郵便局=鹿児島県三島村の竹島

■「コミュニケーションを取るのが苦手に見えた」

竹島在住の男性は「現金を下ろすことができず、診療費を捻出するのを心配したほどだ」と振り返った上で、以下のように語った。

「元局員の方は携帯電話は解約されて通じませんが、実家のご両親を通して無事であることは確認できたそうです。本人は『業務が苛酷だった』と振り返っているようです。明らかに仕事に慣れていない上にコミュニケーションを取るのが苦手に見えました。島内では何人もの人が『預金通帳を預ける(お金の出し入れをお願いする)のは不安だから、別の人に変えて欲しい』と役場に要請していた矢先の出来事でした」

その上で男性は元局員にたった一人での業務の負担が大きく、こちらの方が深刻な問題だったと指摘する。

「元局員の方は簡易郵便局で、煩雑な業務をたった1人で任せられていました。昼休みを十分に取れていないようだし、土日が休みではフェリーが出ないので鹿児島市まで往復することもできない。恵まれた労働環境とは言えない状態に見えました。以前のように、休みのときに代役が立てられるようにするなど、移住者が働きやすい環境を行政が作っていく必要があると思います」

【UPDATE】取材した竹島在住の男性から「簡易郵便局の運営形態に問題があった」という指摘があったので、言葉を加筆しました。(2017/11/11 10:10)

Kenji Ando
「フェリーみしま」から見た竹島(2016年8月撮影)

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