伝説の"万年赤字"企業がある。東証2部に上場しているこの会社は社名を変えながら事業を多角化し、今もなお現存している。1997年の上場以来、社名は高杉建設→キーイングホーム→千年の杜→東邦グローバルアソシエイツ→クレアホールディングス(現在)。なんと20年間で5回も社名変更しているのだ。
赤字企業が潰れない理由
上場企業の中には万年赤字のゾンビ企業がある。私はそういった訳アリな企業に投機していたので、つねづね不思議に感じていた。なぜ毎年毎年、赤字なのに倒産しないのかと。もちろん上場廃止基準に抵触して上場廃止、または破産倒産していった企業も多い。しかしそんな中、いまだに生き延びている伝説のゾンビ企業がある。その名もクレアホールディングス。この会社は毎年赤字を計上しているにも拘わらず、決して潰れることはない。その悪魔の錬金術とは。
とにかく金を循環させる
上図はクレアホールディングスの会社四季報にある会社業績の推移だ。2015年~2019年の純利益と予想利益は全部マイナスだ。というか、過去10年以上に渡ってずーーーと赤字なのだ。なのにどうして潰れないのか?それはひと言でいうと、金が回り続けているからだ。要は会社は黒字だろうが赤字だろうが、金さえ回っていれば倒産しないということ。
新株予約権発行で急場を凌ぐ
今まで赤字続きで切羽詰まった企業は、新株予約権を発行して市場から資金を調達する方法を取ってきた。これは麻薬のような錬金術だ。これを繰り返し行えば一生潰れることはないといっていい。(今はルール変更されている)株式併合や株式分割も内容は違えど、同じく企業が市場から資金を得る方法だ。
つまり何がなんでも上場さえしてしまえば、株式分割→併合→新株予約権発行などの多彩な錬金術で営業利益がマイナスだろうと関係なく生存することができるのだ。
まとめ
出典:Yahoo!ファイナンス
平均年収が416万円。赤字垂れ流しなのに400万円以上給料が支払われている。
以上の説明には少々荒っぽい点も多いが、駆け足で説明してみた。あと他にもゾンビ企業はある。しかしクレアホールディングス以上の赤字企業は残念ながら、すでに他界してしまっている。他界とは上場廃止や破産のこと。まさに往年のクソ株の末裔。それとこの会社にはもう一つの伝説がある。それはまた次の機会に、コーヒーでも飲みながらゆっくり語りたいと思う。