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東大理三の3人に2人は「鉄緑会」 最強塾の教え方

2017/11/12

鉄緑会出身者が集う東京大学医学部の付属病院(東京都文京区)

 東京大学理科三類の合格者の3人に2人、京都大学医学部医学科の3人に1人は、同じ進学塾の出身だ。その名は「鉄緑会」。校舎や教室は東京に1カ所、関西に3カ所しかなく、2大都市圏以外から通うのは難しい。だが、鉄緑会から国内最難関の両大学の医学コースへの合格者は年々増加している。最強の進学塾はどんな教え方をしているのか。成績が伸びる生徒とはどんなタイプなのか。東京都渋谷区の鉄緑会を訪ねた。

■東大理系の数学入試でゾロゾロ満点

 JR代々木駅から徒歩2分、代々木ゼミナールの本拠地があり、かつては『浪人生の街』と呼ばれた繁華街に鉄緑会の東京本校の建物がある。

 「2017年の東大入試の数学はやさしかったですね。理三に合格した、うちの生徒から満点がゾロゾロ出ました」。数学科主任の八木翔馬氏は涼しい顔でこう話す。東大理系の数学は6問、難問で知られ、完答するのは至難の業のはず。東大理系の合格者の平均得点率で見ると、65~70%。だが、これは理一や理二の得点率で、理三は80%近い数字だ。理三は同じ東大でも別格の存在だ。

 鉄緑会会長の冨田賢太郎氏は、「いや、我々も驚いていますが、理三の合格者は16年の54人からさらに増えて、17年には63人になり、鉄緑会としては過去最高を更新しました」という。

■理三合格の佐藤4兄妹、鉄緑会出身

鉄緑会の東京本校

 東大には毎年3千人あまりが合格するが、理三の定員はわずか100人(推薦入学を含む)。その6割強は鉄緑会出身だ。高校別の17年の合格実績では、理三には灘高校(神戸市)から19人のほか、開成高校から10人、筑波大学付属駒場高校(筑駒)から7人、桜蔭高校から8人(推薦を含む)がそれぞれ合格している。灘、開成、筑駒は男子進学校の全国トップ3、桜蔭は女子のトップ校だ。「開成や筑駒出身の男子も、鉄緑で一緒でしたから中学時代からの顔なじみです」と桜蔭出身で東大医学部に通う女子学生は話す。高校は別々でも、首都圏と関西圏の理三合格者は「灘高などの数人を除いて鉄緑会の生徒。塾友ですね」(冨田氏)という

 関西の進学校でも鉄緑会は有名な存在だ。子育て論の著書のある佐藤亮子さんは、灘高出身の息子3人、洛南高校(京都市)出身の娘1人の子供全員を東大理三に合格させたことで知られる。実はこの4人はいずれも鉄緑会に通っていた。

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