「わろてんか」一週間 第6週「ふたりの夢の寄席」[字] 2017.11.12

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てんたちは芸人が集まる長屋に引っ越してきました
(万丈目)こちら役者のアサリはん。
すんまへん「わしゃ患うてなぁ」。
(笑い声)こちらが怪力の岩さん。
(クルミが潰れる音)
(歓声)
(てん)すごいわぁ。
(万丈目)でボンのお母上様の…。
(啄子)おおきに。
ほな帰っとくれやす!何やこのオバハン。
(藤吉)アサリお前…。
帰ったらぁ!お〜おお…。
「おぉっ恥ずかし」。
(キース)下手くそやなお前!毎日わろて過ごせそうです。
・「出かける時の忘れ物」・「ひょいとつかむハンカチのように」・「心の中にすべり込む」・「いちばんちいさな魔法」・「泣いたり笑ったり」・「今日も歩き出す」これからどうする気ぃや。
寄席をやる。
三月死ぬ気でやって何の手だてもよう見つけんかったら諦める。
ひとつきや。
ひとつきたったらきっぱり諦めてまっとうな仕事について精出すんやで。
おおきに!北村屋の名ぁをよみがえらせん限り結婚を許す気ぃはおまへんで。
承知しております。
すんません。
何や。
こちらの寄席を手放すとかいう話は…。
客が入ってんのにそんな事する訳ないやろ。
寄席を譲ってくれて言うて回った!?いや…。
そやけど小屋を手に入れようと思ったら金がぎょうさん要るやろ。
いっぺんに払うんやのうて毎日の売り上げから払お思てんねんけど。
小そうコツコツやってくつもりです。
そらええな。
おお。
(万丈目)よっしゃわしらも出物探しといたるわ。
頑張ってや!
(キース)頑張り!頑張り!
年が明けても寄席を探し続ける二人ですが…
どこの寄席も門前払い。
笑われるだけや。
(にぎわう声)ええなぁ。
いつかお客さんがいっぱい入る日本一の席主になりたいな。
こんなとこにも寄席があるんや。
端席いうやっちゃ。
場所も悪い人通りも少ない。
あんまりようない寄席や。
それやのにこの寄席が気にならはるの?何かええなと思うてな。
書き入れ時の正月に閉まってるいう事は安う手に入るかもしれんな。
ああ。
えらい古そうやし。
(亀井)何ゴチャゴチャ抜かしとるんや。
(2人)へ?すんませんここの小屋主さんがどちらさんかご存じありませんか?さあ。
寄席をやりたい思いまして。
夢みたいな事言うてんと真面目に働かんと目ぇ覚めた時わしみたいに浦島太郎になっとるで。
帰れ帰れ。
天神さんの裏の裏でっしゃろ?あんなとこあきまへんあきまへん。
そやけど何かええんやあの小屋。
小屋主誰か分からんやろか?さあなぁ。
変なオッサンがおって尋ねたんやけど…。
あれが小屋主や。
ホ…ホンマか?それ。
亀井いうてな万年生きてる亀のように朝夕じ〜っと動かんとあっこにおる変なオッサンや。
ああ聞いた事あるわ。
(万丈目)殻に籠もって人信用せん偏屈ジジイや!ほか探した方がええんちゃうか?お願いします!ここで寄席をやらしてもらえませんやろか。
せめて中見せて頂けませんか?アカン。
藤吉郎は何してますねん。
気に入った小屋を見つけはったようで毎日小屋主さんとこ通うてはります。
あんたらに食べさせてもらおう思たわてがアホやった。
へ?あんさんちょっとこっちおいなはれ。
青物市場はどこや?買いもんですか?野菜の仕入れや。
振り売りするんや。
案内しとくれやす。
へ!?何べん来てもなお前みたいな素人に小屋は渡せへんからな。
ホンマに。
あっ食べた。
返すわ。
冗談です冗談。
(笑い声)
(リリコ)うまい事言いはるわもう。
リリコ?どないした?いえ何でも。
ちょっ…。
藤吉!藤吉!ごりょんさんがえらいこっちゃ!はっ!?ああちょっ…。
亀井さんまた!イタタタタ…。
振り売りやってまた腰痛めた?もう無理せんといておくれやす。
アサリさんが手伝うてくれはるから平気や。
へ!アサリに迷惑かける訳にはいかん。
俺が振り売りやって空いた時間で寄席探すわ。
うちも働きますさかいどうか休んでおくれやす。
そうか?
こうして藤吉は行商てんは寝る間も惜しんで懸命に働きました
着物一枚縫うてたった20銭か…。
一日1枚仕上げたらなんとか切り盛りできます。
一日に1枚も?お針仕事の余りぎれで作ったもんです。
継ぎはぎで堪忍どすえ。
あんた大丈夫かいな。
寝とらんのちゃうんかいな。
寄席を手に入れるためやったらへいちゃらです。
そんなに寄席やりたいんかいな。
あの人を日本一の席主にしたいんです。
リリコ?どないしたんや?何でもあらへん。
何でもない顔やないやろ。
今晩うちに来て。
大事な話があるんや。
大事な話て…あっ。
どないした?うちを助けて。
え?頼むから…。
何があったんや?後添いになれ言われてるんや。
見たやろ?あの旦さんや。
一生贅沢させてくれるそうや。
アホ!自分を粗末にすな。
お前に合うた男が必ずいてる。
そやからそんな事…。
リリコ!
(藤吉)ええ加減にせえ!離してって!
(キース)藤吉が夜中にリリコのとこに?リリコを泣かしたんは確かや。
おい藤吉お前見損のうたで。
は?ホンマに夜中にリリコんとこ行ったんか?いやあれは…。
(おけが落ちる音)
(藤吉)おてんちゃん。
すまん。
相談事があるて言われたから…。
言い訳は聞きとうありまへん。
噂を信じてる訳でもおまへん。
そやけど…。
こんな事してはる暇があるんやったら今日こそ寄席を手に入れてきておくれやす。
お…お〜いお〜い暗い顔してどこ行くんや?ちょっとケンカしまして。
あの嫁はんか。
まだ正式には嫁やないんですけど。
女房は大事にせんとアカンで。
ええ。
ええもん見したろか?名人扇亭三楽の名札や。
こっちが榎屋南枝。
ここに三楽と南枝が出てたんですか!?すごいやないですか!端席いうんはな珍妙な芸人が集まってくる。
そやけど逆に言うたら新しいもんが生まれる玉手箱や。
こっから巣立って有名になった芸人も数知れんのやけどなぁ。
そろそろ手放す潮時かもしれん。
(しず)もうその辺でやめとかはった方が…。
(儀兵衛)これだけははよ片つけとかんと。
ああっ…。
やっぱりお休みにならはった方が…。
大丈夫や。
心配せんでええ。
わしの体の事は誰にも言うたらアカン。

(子犬の鳴き声)あんたも独りぼっちか。
また持ってくるな。
リリコ開けてくれ。
やけになってほれてもない男と結婚なんかすな。

(リリコ)ほんならうちと一緒にどっか行こ。
俺にはおてんちゃん…いやてんしかいてへん。
ほならもう構わんといて。
どうせこうなるんがうちの宿命や。
あんたの大事な人が迎えに来てるで。
この人な旅芸人の一座におった時身売りされそうになったうちを助けてくれたんよ。
そのあと頑張ってきたんはずっとこの人とおりたかったからや。
藤吉とおれんのやったら後添いになって楽に暮らさせてもらうわ。
義太夫なんかやめたる。
どうせ才能もないわ。
そんな事はない!娘義太夫は女の純情や切なさがここに響かなアカン。
お前の語りには魂がある。
俺の作る寄席でお前の魂の籠もった義太夫を聴かせてくれ。
もっと自分を大事にするんや!
(戸が閉まる音)すまん勝手にああは言うたけど…。
うちこそ何も知らんとやきもちやいてすみまへんどした。
リリコさんに出てもらうためにも頑張りまひょ。
うん。
ほなまた来ますよって。
よう考えといて下さい。
分かりました。
あ…。
この小屋壊すいうんですか?この土地売ってきれいさっぱり借金返す事にしたわ。
壊すくらいなら俺に任して下さい。
素人に席主なんか任したらこの小屋に泥塗るだけや。
この看板亀は亀井さんで鶴は…?嫁はんや。
つる子いうてな。
もしかしてこの寄席ご夫婦でやってはったんですか?いつか自分らの小屋持ちたい思て寝る間も惜しんでよう働いたわ。
嫁はんろくな着物一つ買うてやらんかったのに文句一つ言わんでな。
あんたみたいな女子やった。
働いて働いてわしより先に死んでしもうた。
それからはここも閑古鳥や。
そやけどもうしまいや。
こうやってここを日がな一日眺めてても嫁はんに罪滅ぼしできる訳でもないしな。
罪滅ぼし?もういっぺん二人で亀井さんとこ行ってみまへんか?亀井さんホンマは小屋を続けたいんや思いますえ。
お願いします!お願いします!ひつこいなぁ素人には譲らん言うてるやろ。
俺は芸を愛する気持ちやったらどんな席主にも負けません。
この人は芸を見る目ぇがあります。
面白い寄席ができる思うんです。
あんたは何でそこまで?ぎょうさんの人にわろてほしいだけです。
何よりこの人にわろていてほしいんです。
俺もてんを一生笑わせると約束しました。
亀井さんの奥さんの事羨ましい思います。
夫婦二人なら苦労もへいちゃら。
亀井さんの事信じて幸せやったとうちは思います。
受け継がせて下さい。
お二人の思いを。
お願いします!あんたらに任すのがええのかもしれん。
今すぐでもできそうな立派な寄席ですなぁ。
よ〜し!うわっ!これが俺らの夢の寄席や!お〜!うわ〜っ!あきまへん。
寄席を始めるお金なんてどこにありますんや!毎日の売り上げからちょっとずつ払うていくて亀井さんも納得してくれたんや。
子どもの頃あんたを寄席に連れていったのが大きな間違いやった。
お父さんを捜し回った時の話か。
そうや。
歩き疲れて親子で川にでも飛び込んだろか思うた時…。
お母ちゃんあれ見たい!あれ見たい!あれさえなかったら。
あ〜痛…。
ごりょんさん!もう痛うないんやろお母ちゃん。
ばれてるで。
藤吉はん!起きとくれやす!ごりょんさんがいてはらしまへん。
へ?ここ…。
お母ちゃん?開いてるな。
やっぱりここや。
藤吉郎と初めて来た寄席や。
ここがお母ちゃんと来た…?
(笑い声)藤吉郎さんがここを気に入ったんはそやからなんや。
そや…。
俺あん時もお母ちゃんにわろてほしいてここに連れてきたんや。
そん時はわても疲れ果てて…。
ホーホケキョ!覚えてるか?ホーホケキョ!暗い顔したお母ちゃんを元気づけたい。
その一心やった。
ホーホケキョ!
(笑い声)わろた…お母ちゃんが俺の芸でわろた。
わろてやったんや。
あのころは生きるのに必死で気が付かへんかったけど…。
あんたの芸で助けられた事もあったんかもしれんなぁ。
お金が取れる芸人集めなあきまへんで。
ちゃんと儲けとくれやす。
ええんか?あんたには寄席しかなさそや。
(2人)あっ…。
こっからがホンマの試練や。
あんじょう気張りや。
親孝行のためにも頑張らなあきまへんな。
望むところや。
(物音)わしの小屋で何しとるんじゃ。
い…いやこの小屋は俺らのもんです。
亀井さんそうですよね?お前みたいなど素人にな席主は務まらん!すまんがあんたらになこの小屋譲る事はできんようになった。
あれはどなたさんで?寺ギンさんや。
寺ギン?元は坊主やったんやけどもこの世界に飛び込んできて大成功して今をときめく太夫元や。
太夫元?ああ…芸人を寄席に送り込む芸人の元締めや。
ポ〜ンと500円出す言うてきよったんや。
(2人)500円!?わしもな借金返さないかんしなぁ。
まあ先約はあんたらや。
寺ギンさんより先に500円持ってきてくれたら小屋あんたらに渡そう。
いつまでに?3日後に払う言うとったな。
(トキ)おてん様が…。
どなたさんですやろ?大阪の北村屋から参りましたてんと申します。
どういったご用件で?500円を貸して頂けませんやろか。
何を血迷うた事を。
米問屋潰してお前に金の無心をさせるなんぞあの藤吉いう男も見下げたやっちゃ。
藤吉さんに言われて来たんやあらしまへん。
うちが勝手に。
その借金の話はお断り致します。
(風太)旦さん!藤吉さん!?てんに再びこの家の敷居またがしたんは全て私の不徳の致すところでございます。
すぐに連れて帰ります。
帰ろう。
そやけどこのままやったらあの小屋ほかの人に渡ってしまいます。
そういう事やない。
大事な約束破ってまであの小屋手に入れてもしかたないんや。
いつかまた違う小屋を手に入れる。
そやから約束を違えるような事はするな。
(ハツ)その寄席とやらは儲かりますのんか?正直分かりません。
そやけどたった一つだけお約束できる事があります。
てんと二人で手を携えてやればいつの日かお客さんも芸人さんもみ〜んな幸せな気持ちになれるええ寄席ができるて信じてます。
そうか。
そやったらしゃあないな。
これ。
なんぞの足しにしとおくれやす。
(儀兵衛)お母はん!500円用意せえ。
はい。
雪の花やな。
花と信じればどんな寒空の下でも花は咲く。
その寄席で花を咲かせてわしを思いっきり笑わせてくれるんやろな。
必ず笑わせてみせます。
約束や。
はい!アホ。
てんわろてるか?わろて生きてます。
俺らの寄席やな。
あらまあごきげんよう!可愛らしい寄席やなぁ。
俺らには十分な大きさや。
うちこんな寄席出ぇへんで。
(2人)へ?東京に行て一流の寄席に出て一流芸人になってみせるわ。
ほなせいぜい頑張ってな〜。
さすがリリコさんや。
負けられへんな。
生字幕放送でお伝えします2017/11/12(日) 11:00〜11:20
NHK総合1・神戸
「わろてんか」一週間 第6週「ふたりの夢の寄席」[字]

てん(葵わかな)と藤吉(松坂桃李)は啄子(鈴木京香)を連れ、長屋に引越した。てんたちは寄席開業のため廃業した寄席の元席主の亀井(内場勝則)に売って欲しいと頼む。

詳細情報
番組内容
てん(葵わかな)と藤吉(松坂桃李)は啄子(鈴木京香)を連れ、北村屋を離れ万丈目(藤井隆)やキース(大野拓朗)ら芸人が住む貧乏長屋に引越した。てんたちは、寄席開業をめざし寄席小屋を探すが見つからない。やっとのことで廃業した寄席を見つけ元席主の亀井(内場勝則)に売って欲しいと頼むが断られる。ある晩、藤吉はリリコ(広瀬アリス)に呼び出され、一緒に逃げて欲しいと懇願される。目撃したてんはショックを受ける。
出演者
【出演】葵わかな,松坂桃李,濱田岳,広瀬アリス,徳永えり,大野拓朗,前野朋哉,枝元萌,堀田真由,兵動大樹,内場勝則,藤井隆,鈴木保奈美,鈴木京香,竹下景子,遠藤憲一
原作・脚本
【作】吉田智子

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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