Web小説家に”なった”! ~ゼロから始めて三週間で小説家になる方法~

オンライン会場パート3 「白馬の王子様は存在しない」

エピソードの総文字数=11,234文字

Part2に引き続き、新たな会場を用意しました。
お話を続けて頂ければと思います。
2017/11/10 07:34
本日は変わらず質疑応答と、そして新人、もしくは将来の作家志望の為の「出版社との付き合い方」を中心にお二方にお話頂ければと思います!

突然降り注ぐ出版社からの打診!
しかし素人である私達には何もわかりません!
そんなときに頼りになるのは歴戦の先達からもたらされる経験と知恵

「もしかしたら大事な作品が買い叩かれてしまうかも……」
「もしくはとても素晴らしい出版社さんの打診を逃してしまうかも……」
そんな不安を解消できるよう、お二人にお話を聞きましょう!

どうぞ将来の自分の為、この座談会を頭の隅にでも入れておいてください!
きっと役に立ちます!

またクリエイター、自営業に携わる方以外でも、読み物として面白くなると思います!
業界の深部に切り込む……!
2017/11/10 07:37

>出版社とのお付き合い
>>打診が来たものの出版社が爆散して立ち消えになったという例がありました。


 そうそう。
 こんなケースであっても、もし他社で書籍化済みであれば、「3万ポイント取れた作品がありまして、よそからオファー来て受けてたんですけど、出版社爆散して宙ぶらりんになっちゃったんですよー」と話して、書籍化を引き受けてもらえることもあります。


 日間入りして1ヶ月~2ヶ月ぐらいの一時期を過ぎ、月刊ランキングからも消えたころになると、オファーってなかなか来なくなるんですよね。
 その理由は、編集者も見るのは「ランキング」であること。あと、未書籍化の作品があっても、「どうせもう決まってるんだろう」と、オファーするモチベが上がらないこと。


 あと、既作品でおたがい儲けられて気持ちのいい「いいビジネス」をやって、信頼関係を築けた相手がいれば、オファーが来るかどうか微妙なあたりのポイントの作品も、持ちこみ売りこみして、営業ができますし。





>ビジョン幻視能力


>>ビジョン幻試能力というのは、いわゆる、タイトルとあらすじで~~
>>~~読者群に食いついてもらい、実は、自分のヤリたいストーリーに持っていくという解釈でいいのでしょうか。


 逆です。


 「食いつかせる」能力ではなく、自分の投げたネタに対して、不特定多数の大勢が、どうリアクションするのかをシミュレートする能力です。


 なにか「食いつかせる力」みたいなものを想定しているのでしょうけど、そんな便利なものはありません。


 もっと完全に受け身の能力で、こういうものを出したら、大勢の一般の人たちは、こういう顔をするはず。――と、想像できる力のほうです。


 リアクションが想像できるので、その「未来の結果」を見ながら、出すものをどんどん取り替えて、調整してゆくわけですね。
 「そう! 俺たちにはこれが不足していた!」という顔を読者がしたときの「それ」が、世に出すべきネタです。


 架神さんの場合には、「ぐへへへ。これ出したら、読者は一生トラウマもんだぜいぃ! ヒャッハー!」と幻視できるわけです。
 その幻視能力があるのなら、あとは、読者が「ほっこり幸せになる」ものを出してゆくとかするだけの話なので、「あとはカンタンな話ですよ」と言ってるわけです。


 ただ、架神さんの場合には、読者に一生もんのトラウマを与えて感性をキズモノにする。――ぶっちゃけ「嫌がらせ」が、「やりたいこと」であるので、顔をしかめるものばかり選んでしまうわけですが。


 僕も「おまえをビッチスキー星人に改造してやる!」とかいう感じでやることもありますので、その悪趣味はわかりますけど。






>画像付き作品


 画像付き作品に、画像無し作品は、かないません。
 大昔、絵付き小説のラノベが、絵無しのジュブナイルを駆逐しましたし。


 WEB小説でも、たとえば「表紙+サムネイル」が登録できるようになっていると――。


 表紙つき作品 >>超えられない壁>> 表紙無し作品


 ――という力関係になって、さらに表紙付き作品のなかでも、表紙の良し悪して優劣がつくようになるでしょう。
 KINDLEの100円ラノベで、表紙無しの作品が絶対に買われないみたいなものですね。


 最大大手の小説家になろうでは、「純粋に作品性のみで判断してもらいたい」との理念から、挿絵はともかく、表紙としての絵はつけられない仕様になっているようです。
 なので、いまのWEB小説の現状は、文字ベースなわけですが。


 これがたとえば、大手投稿サイトで表紙投稿が可能となれば、表紙なし作品は一挙に駆逐されてしまうでしょうね。

 でもそうなると、自分で絵も描ける人か、自分でプロに依頼発注できる人しか残らなくなるので、なんかうまくないような……。

 個人的には、ファンアートが投稿可能なようになっていると面白いかなと思っています。
 そうなると、勝てる作品というのは、ファンアートをつけてもらいやすい作品、ということになりますね。


 生態系の環境によって、勝つものは日々変化します。
 適者生存の法則ってやつです。

2017/11/10 09:21
>新木先生


コメントありがとうございます。

ごく最近開設されたソニーミュージックの投稿サイトでは、好きな作品にだれでもファンアートだけでなく表紙まで投稿出来るシステムで驚きました。(他にも表紙を好きな作品に投稿出来るサイトがあるかもしれませんが現時点で存じ上げません)

そして、絵を描いた人も評価が得られるというシステム。いずれサイトが大きくなって、「アピールしたい」人が集まって絵の供給が進むかもしれませんね。

2017/11/10 09:26

>「もしかしたら大事な作品が買い叩かれてしまうかも……」


 発想の根本からして違いますね。
 買い叩かれてしまうかも――ではなくて、買い叩きに来ているんです。
 かも? だとか、仮定形は必要ない。


 オファーをいただいた多数のなかから一社を選ばせていただく、という行為は――。


 隙あらば買い叩いて、作者側に損を押しつけ、出版社側が得をしよう、という相手のなかから、「買い叩くにしても、せめて、このくらいにしておこう」という「節度ある」買い叩きをしてくる信頼可能な相手を、ビジネスパートナーとして選ぶという行為なわけです。


 デビューしたばかりの新人さんって、自分はシンデレラで、白馬に乗った王子様がエスコートしてくれる。――とか、思いこんでいるんですよね。なんでか。
 そこが不幸のはじまりなので、「王子様なんていない」と思っておけば、現実相応になるわけです。


 ぶっちゃけて言っちゃいますけど。
 WEB小説が隆盛となってから出来たレーベルは、ほぼすべて確実に「濡れ手で粟で、うまいこと儲けて、ブームが終わるまえに勝ち抜けしよう」ぐらいの意図で設立された部門なわけです。
 永続する商売として考えておらず、数年後に同じ商売をやってるつもりもないので、当然、短期的利益を最大限に上げるための最適解を取ります。


 作家は、出版未経験のドシロウトで相場も知らんから、言いくるめて搾取しよう。
 ――ぐらいのことを考えていて、当然なわけです。
 もちろん、作家を「育成」するつもりなんてないので、1シリーズだけの使い捨てが前提です。


 うわぁ。新木。業界に喧嘩売ったー。(笑)


 まあ、ちょっと露悪的に言ってみましたが。
 要は即戦力の傭兵として起用されるわけです。故障したらポイ捨て。ドライな関係。


 そんな中でも、たとえば印税率で搾取して○%とかにするのではなく、業界標準の○○%を出してくれる良心的なところがあります。


 ちなみに○の中には、7とか8とかが入ります。○○には10が入ります。ぜんぜん伏せ字になってねえし。


 まあ、ごくごく希に、作者と作品のことを第一に考えてくれる編集者と巡り会うこともあるかもしれませんが……。
 そういう、いわば「頭のおかしい人」は、いないとは言いませんが、白いカラスぐらいの存在比なので……。
 自分とは関わりのない現象だと思っておいたほうがいいっす。



 あと、編集者個人と、レーベルとしての方針は別だということ。

 編集者個人がいかに良くしてくれても、レーベルの方針が「実売印税かつ5%」だとか、搾取するのもたいがいにしとけよ、というところだったりすることも。





>「もしくはとても素晴らしい出版社さんの打診を逃してしまうかも……」


 ここも発想の根本からして、認識の間違いが……。


 だから、白馬に乗った王子様など、いない。


 ここでいう「素晴らしい出版社さん」というのは、誰でも名前を知ってる大手のことだと思いますが。
 上であげた話からすると、作家の現実として「素晴らしい相手」となるのは、「作家を食い物にする気が比較的少ないところ」となるわけです。ここ。あくまで「少ない」であって、「ゼロ」ではないことに注意ですね。
 大手と組めば幸せになれるかというと、そうでもなくて――。
 幸せになるためには、誠意があって信頼できるところと組まないとだめです。


 まあ「素晴らしい」の定義が「大手」であっても、「誠意ある相手」であっても、どちらでも、選ぶ時の手法は変わりませんが。


 オファーが来るのは、なろうの場合、日間、週間、月間、どこかのランキングの5位以内に入っているあいだです。


 ぶっちゃけ、編集さん、そこしか見ていません。


 日間の下の300位まで見るような暇がある人は、編集者をやれていません。


 早いところは、日間に入った時点で、速攻オファーを投げてきます。
 うちは大手だからオファー合戦で勝てるだろう、みたいな自信のあるところは、青田刈りは行わず、月間ぐらいから動きだします。
 また大手すぎて、オファー出すにも会議の二つ三つを要してしまうところは、四半期や年間に入ってからオファー出してくる、なんていうこともありますが。
 さすがにそんなケースでは、もう決まっちゃっています。


 オファーを受けたとき「保留」にしておけばいいのですが……。
 一度「受けて」しまうと、そのあとで、「ごめんやっぱなしで」とちゃぶ台返しして、ほかのところと組むことは、ビジネスの重大なルール違反となるので、普通、誰もやりません。
 てゆうか。口約束でも契約ですので、立派な契約違反。民事法に抵触します。


 WEB小説の販売で実績のある「大手」は、あとからオファーを出してくる傾向がありますので、月間のランキングから転がり落ちて、ポイントの上限が見えるまで待ってもらったほうが無難でしょう。
 「大手」が本当に得かどうかについては、前にも書きましたが。「誠意ある相手」=「節度をもって食い物にしようとしてくる良心的な相手」を選ぶためにも、オファーの数は多い方がいいです。

2017/11/10 09:59
>ビジョン幻視能力
客観的に自分の話を見る力っていうのは重要ですね。
その題材が一般に受けるかどうかという視点もまた必要なわけで。
前回の座談会でいうところの「分析」はそれを養う訓練にもなるかと思います。
某先生なんかは「毎日日刊を見て、それが上がるかどうかを見ろ」という話もしていました。

>白馬に乗った王子様など、いない。
名言……!
作家というのはフリーランサーであり自営業者です。
そしてお互いに仕事である以上、最大効率を求めるのは出版社としても道理です。

相手も白馬の王子様、というか……玉の輿を狙っている!
だからこちらも可能な限り相手の条件が理にかなっているかどうか……改稿など「仕事として見たとき、それは適正な価値を付けられているのか?」という視点は常に持つべきかと思います。

なのでオファーが多ければ多いほど条件は比較できますし、相見積もりをすることもできますね!
2017/11/10 10:44
あと書籍化が決まってからというものの、業界の噂話……「あれがヤバイ」とか「ここは……」みたいなのも自然と耳に入ってくるようになりました。
なので作家同士の横のつながりというのは、自身の身を守るために最低限は必要な気がしています。
実際、新木先生や架神先生のことを知らなければ、私はこれらの情報を知ることができなかったので。
2017/11/10 11:05

>>改稿など「仕事として見たとき、それは適正な価値を付けられているのか?」という視点は常に持つべきかと思います。


 僕は人生哲学として、「人が言葉で言ったことは一切信じるな。すべて嘘と思え。その人が〝なにをやったか〟で、自分に対してどう思っているのか判断しろ」というものがありまして……。


 たとえば、「先生の原稿はすごく評価しているんですよー」と口にした人が、「ここからここまで全面改稿していただきたく」としてきたなら――。
 ああつまり、評価してくれてなかったのねー、と判断するってことでして。


 つまり、「改稿? いらんです」「改題? とんでもない」――と言ってきている人が、最も原稿に対して高評価を与えてきている人だということです。


 改稿量問題は、WEB小説家の悩みのタネだそうです。
 僕は一度も改稿したことがないので、よくわからんのですが、相当量の改稿を要求されるのが「普通」である模様。


 改稿規模と分量によっては、書籍化をしないで、次の作品を書いていたほうが、よっぽどマシという事態も起こり得ます。


 2年間改稿続けた人も知ってますし。
 うちは2年ぐらいは改稿させますよ、とか真顔で豪語してくるレーベルも知ってますし。


 2年間もあったなら、それこそ何シリーズも立ちあげることができます。
 その中から、ほかのヒット作品が生まれていた確率も、かなり高いはず……。






>改稿と加筆と追加の違い


 本文自体の直しではなくて、書籍化にあたり、追加でワンエピソードを付けてくれとかいう依頼は、よくあります。
 巻末に外伝を載せたいとか、そういうやつですね。
 これはごく普通のことなので――。


 ただ編集さんによっては、そういうケースでも「改稿」と称してしまう人がいるので、改稿なのか加筆なのか、特典外伝の書き下ろしなのか、確認したほうがいいでしょう。

2017/11/10 11:56
>最も原稿に対して高評価を与えてきている人
なるほどたしかにその通りです……!
改稿を大きく指示されるということは、その作品のポイントしか見られていなかったということですもんね……。

私の場合は改稿は細かな直し(表現とか)がメインで、大筋のストーリーやキャラクターなんかはほとんど修正していません。
主に加筆を行っており、元から10万文字程度だったのを13万文字まで加筆させて頂きました。
(ちなみに前回の座談会であった「本にするときクライマックスを追加する」みたいな手法は使いませんでした。一冊分ぐらいを10万文字書いて、連載時に逆算してクライマックス部分をいい感じの文量のところに作ってしまうという手法をとっています)

初めての単行本作業だったので、好き勝手増やしてたらページ増やせる限界まで書いてしまった感じですね。

あとは特典SS! ここも打診を受けた際に、事前に「3~4個お願いするかも」と言われており、書き溜めていました。
結果4本特典がついていていますね。気になる人は公式HPで確認だ!(ダイマ)
2017/11/10 12:21

 こういう、アマチュアの人や新人作家に「知恵」をつけるようなことをすると、すっげえ嫌われるんですが。それこそ干される勢いで……。


 まあ、せっかくの機会なので、バンバン、ぶっちゃけた話をしてゆきます。




>オファーがくるポイントの話


 だいたい、何ポイントくらいでオファーがくるものなのか、だいたいの目安を書いときます。
 この目安は、なろうのアクティブ総ユーザー数によってだんだん変わってゆきますので、あくまで、いま現在での目安ってことで。



○2万ポイント級
 トータル2万ポイント以上を取り、かつ、日間、週間、月間、どこかのランキングの5位以内に見えている期間が1週間くらいあったなら、見つけてもらえて、1社ぐらいからはオファーがきたりします。

 オファーが来ない場合、すでに仕事をしたことのあるレーベルがあれば、「2万ポイント作品あるんすけど」と、持ち込み営業も可能。

 1ヶ月に何作品現れているのか、ちょっと数えられないぐらい。よって編集さんも、チェックしきれていない。


○3万ポイント級
 3万ポイントを超えると、複数社、2~3社ぐらいからオファーが入ることが多いです。
 月に十数作品は現れます。きちんと見ている編集さんなら、全部、把握しています。



○6万ポイント級
 必ず複数社からオファーがきます。
 このあたりは月に数作品は現れます。わりとぼんやりしている編集さんでも、気がつきます。



○10万ポイント級
 後々、アニメ化が狙える領域なので、各社、書籍化後のコミカライズ展開ぐらいは視野に入れてきます。
 逆にいうと、コミカライズやアニメ化に関するビジョンがない/実績がない、というレーベルからのオファーを受けるのは、作家にとって「損」です。しかし向こうは当然、作家側に「損」をさせることが目的なので、メディアミックスのラインを持ってなくても、バンバン、アプローチしてきます。

 年に数本~十数本くらい。月に1本現れないこともある。



○20万ポイント級
 ここまで伸びる作品は、もう、はじめっから勢いが段違いです。年に1~2作あるかどうか。
 将来の累計殿堂20位入りとかの領域なので、1~2週間でそれとわかります。日間1位を数週間キープとかしますので。


 よって、すぐに書籍化先を決めずに、数ヶ月じっくり待ってもいいでしょう。おそらくオファーの数は二桁に及びます。

 印税率、初刷り部数、改稿量、刊行時期、メディアミックス展開――などの条件について、きちんと聞き取り、一項目でも相場以下の条件を出してきてるところは、論外と跳ねてしまっていいかと。



 だいたい、書籍化する際のポイントのランクを、4つに分類してみました。
 新木自身は、このうちの2万と3万しか経験がないんで、それ以上は未体験ゾーンですけど。


 初めての書籍化の場合は、2万、3万、6万のどれかに収まることが多いようです。


 2万ぐらいでオファーがきたら、「やったー! ラッキー!」って感じになりますね。
 唯一、オファーをくれたところで出すか、それとも酷い目にあいそうなので出さないでおくかの、二択です。既に何作品も書籍化している人ならともかく、初めてだと、「出さない」っていう選択肢は心情的に「ない」と思いますが……。


 3万ぐらいでも、2万のケースとあまり状況は変わらず。複数オファーの可能性が増えるぐらい。


 6万ぐらいからが普通の書籍化のケースとなります。向こうに期待されての書籍化です。
 好条件を出してくれるところも混ざってきます。


 10万から上は、完全に作家側が「選ぶ側」です。
 自分たちが「選ぶ側」ではなく、「選ばれる側」であるということを理解していない編集部/編集者と仕事をすると、あとできっと、物凄く後悔するハメになります。

2017/11/10 12:50
本作は3万ポイントほどですが、10万とか想像もできない勢いですね……。
ここらへんの情報はおそらくネットのどこにも書いてない情報!
これを知っているだけで「小説家になった」後も有利に身の振り方を考えられますね!

あとは身の丈に合った「交渉」も必要です。
たとえば私の場合、最初に頂いた出版社さんはお断りさせていただいたのですが、そこで「○○の条件を改善してほしい」という交渉はしませんでした。

というのも(私に実績がないのもありますが)交渉して条件が改善されたとしても、出版社さんからしてみればその条件で利益が回収できない結果が出てしまうと、打ち切るしかなくなってしまいます。
ということで無理に引き上げるような交渉は持ちかけたりはしませんでした。
(最初に頂いた出版社さんの条件と、その後の出版社さんの条件の差が大きかったというのもありますが)

ということで、このような標準の基準を新木先生に提示して頂いたのはこの先デビューする方に大変有利に働くのではないかと思います。
また出版社側としてもこのような現状を見据えて交渉のテーブルに着いて頂ければ、両者Win-Winの関係に近づけるのかな、と思います。
2017/11/10 13:48
>大手投稿サイトで表紙投稿が可能となれば、表紙なし作品は一挙に駆逐されてしまうでしょうね。

>でもそうなると、自分で絵も描ける人か、自分でプロに依頼発注できる人しか残らなくなるので、なんかうまくないような……。


絵師と作家のマッチングの部分を上手く解決するサイトないしサービスが出現したときにブレイクスルーが起きるということでもあるのだろうか。

それでも、マッチングは高度な専門性が必要だったりコミュニケーション能力なども問われるので、出版社や編集プロダクションがその部分を肩代わりするような仕組み……というのが現実的なのかなあ。

それが人的な作業によるものであれば、どうしてもマッチングにかかるコスト面がネックになるような気がするので、仮に存在したとしても今はまだ事業としてはリスキーなのかも。

というようなことを思いました。


>生態系の環境によって、勝つものは日々変化します。
>適者生存の法則ってやつです。

本当にその通りですよね。

2017/11/10 14:15
ところで、滝口先生は本日、もう書店で不審者になってこられたのでしょうか?(笑)
2017/11/10 14:26
>不審者に
怖いので見にいけません!!!!!
ガタガタガタガタ
2017/11/10 14:27
生態系の変化によって表紙なし作品が駆逐されてしまうのは、たとえ実際の市場で同じことが発生していたとしても、運営側やピックアップする出版社は本望ではありませんよね。剥き身のよい素材が欲しいわけですから。

そうなると、ランキングに頼らず、自分たちの目で選ぶという、いままでかかっていたはずのコストが発生すると思います。

そうなってから、投稿者の真価が問われることになるのだろうと思います。


そして、一見新しい生態系に適応していそうに見える、我々のような種族は、その主戦場を電書に移していくと思います。自力で「作詞作曲イラスト動画」までワンストップで作るボカロPのように、企業活動とは別の場所へと。

2017/11/10 14:22

>表紙あり作品


 イラストレーターと作家のマッチングシステムは、それこそ、きちんと機能している場所がありまして――。
 「ラノベ業界」そのものとなるわけです。


 そこの現場だと、絵の付いてないラノベは存在しませんから、付いていることを前提として、絵の良し悪しで優劣が決まります。ここでいう良し悪しというのは、上手下手とか、そういうことではなくて、正味物のテイクをどれだけ視覚で表現できているか、ということにつきます。


 イラストレーターを探してくるのは、現在、編集さんの仕事です。(希に作家自身がやる場合もありますが)


 編集さんは、常にアンテナを広げていますので、積み重ねた情報の蓄積は凄いものがあります。


 ……といっても、探す範囲は、PIXIVかTumblrあたりか、エロゲ業界か同人業界か、あるいはもっと安直にラノベの仕事を既にしている人だとか。そのあたりから。


 タイトルとあらすじで判定されるという、いまのWEB業界のシステムは、かなり適正に動いていると思います。
 絵がついているものに、絵がついていないものは太刀打ちできませんが、その「絵」というのは、もともと「作品コンセプト」を具現化したものであるわけです。


 つまり、商品として測るべきなのは、作品コンセプトの良し悪しの部分。
 そこの部分をダイレクトに消費者に投げて、数十万人の消費者に「直接」判定してもらえるシステムが、WEB小説のランキングシステムなわけです。


 タイトル十数文字。あらすじ200文字。――最初の1週間ぐらいの勢いは、そこ「だけ」で決まると言っても過言ではないわけですけど。
 ラノベも店頭でどのように手に取られているかといえば、タイトルと「表紙絵」と帯の煽り文句ぐらいなものです。


 少ない文字数で判断するのも、店頭で目に止まるのも、どちらも同じく「作品コンセプト」だけなわけですから、店頭で売れる本を判別する仕組みとしては、タイトル+あらすじで判別するのは、非常に合理的な方法であるわけです。

2017/11/10 14:59

>タイトルを変えたら怒られた件


>>ある程度の連載期間の後に(具体的には一ヶ月とか)タイトル変更するとめっちゃ叩かれます!!! まるで重犯罪者のように殴りかかられます!


 ここ、人がよく陥る錯覚のマジックがあるので、ちょっと指摘。


 プロ作家は、数万人単位の人に向けて書いているのであって、個人個人に向けて書いているのではないということです。


 叩かれる、というのは、感想欄あたりのことだと思うんですが、ほとんどの一般的なユーザーって、感想とか、書かないんですよね。
 ここでいう「ほとんど」というのは、99%とか、99.7%とか、そういう比率での大多数。

 三万ポイント作品には、何万人、ブクマしていますか。毎日読みに来る人は何千人ですか。そして感想欄に常駐している個体数は何人ですか。


 このへん、大雑把にたとえを出すと、聞こえてきている声は、1000人に3人ぐらいの声でしかないということです。


 んで、1000人に3人の人っていうのは、つまり、平均値からかけ離れた、特殊な側ということになります。
 特別に自己主張の激しい人。そして特別に声の大きな人。


 聞こえてきた声の大きさをもとに判断をしてしまうと、特別に声の大きな人の、特殊な意見に振り回されることになります。


 本来、聞くべきであるのは、声を発さないサイレント・マジョリティの側ですので――。
 なぜなら、そちらのほうが「圧倒的多数」となるからです。


 実際に反応を見るのであれば、声の大きな特殊な人が、どれだけの大声で叫びまくっていたかではなく、そのタイトル変更で起きた実際の「変化」のほうかと。
 どれだけの人がブクマを外したかとか、その前後で日間ユニークアクセスに、どれだけの違いが現れたかとか、そっちのほうのはず。
 そっちの実際の数値のほうで、なんの影響も出ていなかったのであれば、声の大きな人の話は、無視してしまったほうがいいです。


 そのへん差し引いて受け取ることが難しいのであれば、いっそ、感想欄は一切見ないことをお薦めします。

2017/11/10 15:38
>商品として測るべきなのは、作品コンセプトの良し悪しの部分。

そういうことなんですよね。

新木先生がすでに述べられた「読者を幻視する力」というのは、時代が変化していく中でも普遍的に通用する力で、とても大切なのだと思います。

>「絵」というのは、もともと「作品コンセプト」を具現化したもの

そして、それ(絵)に本来のその役目を果たさせる為には専門的なスキルが必要になる――という部分が、Webサービスとしてマッチングシステムが降りて来にくい障壁になっているような気がします。(もっと言えば、コンセプト明確化のための自動アドバイス機能だとか)

私も、編集者さんのアンテナの高さには舌を巻く思いでいます。

もちろん、新木先生の仰る通り「積み重ねた情報の蓄積」がものを言うので、編集者さんの中でも新人の方とベテランの方では違いがあるのでしょうけれども。

あ。

派生で質問ですが、自分の担当となった編集者さんがベテランだった場合、新人だった場合で、つき合い上、留意すべきことに違いはあったりするでしょうか?

私自身は、出来る限りその編集者さんが関わった企画や作品、担当されたことのある作家の先生などを調べて、業務のやり取りを円滑にするのに役立てようという姿勢ですが……新人の方の場合、そういう情報もないなあ、と。

経験のある編集者さんと、まだこれからの編集者さんという角度で「編集者さんとの付き合い方」について、お考えをうかがってみたいです。
2017/11/10 15:31
>感想欄は一切見ないことをお薦めします
そうですね。私は心が弱い……!
その時は若干のブクマ減少がありましたが、あくまでも若干ですのでそこは場合によるかもしれません。
2017/11/10 15:57
Part4会場を用意しました。
こちらに移行してもらえればと思います。
2017/11/10 16:15

  • ツイート
  • ツイート
  • シェア
  • LINEで送る

ページトップへ