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腱鞘炎の正しい治し方!冷やす温める固めるなど対処治療法のホント

手を痛めた男性

腱鞘炎は日常生活の動作が原因で誰でも発症することのある、ごくありふれた病気です。

しかし字を書こうとすると手がズキズキする、指が曲がりにくい、ドアノブを回そうとしたら手首に激痛が走る…といった辛い症状に長く悩まされやすいので、発症したらすぐに治してしまいたいですよね。

腱鞘炎を早く治すためにはどのような対処をすれば良いのか、応急処置、病院での治療、予防法をチェックしておきましょう。

手を酷使する人に多い、腱鞘炎ってどんな病気?

「腱鞘炎」は腱の周りを覆っている腱鞘に炎症が起こる病気です。主に作業による手の使い過ぎが原因で起こり、手首に負担のかかりやすい職業に従事している人、赤ちゃんを抱っこすることの多い育児中の人に多くみられます。

腱は手足の骨と骨の周りの筋肉「骨格筋」をつなぐ強靭な組織。腱鞘は、腱の周りをパイプのように包み込み手足の関節をなめらかに曲げ伸ばしする役割を持っています。腱と腱鞘の形状は、分かりやすく「トンネル」「ちくわの穴を通るきゅうり」と例えられることも多いですね。

人体の腕から手における腱鞘と腱の成り立ち

腱と腱鞘を使い過ぎると腫れが起こり、互いに摩擦を起こすので痛みを伴うようになります。また腱が腱鞘に圧迫されて動きが妨げられるため、関節の曲げ伸ばしがスムーズにできなくなってしまいます。

腱鞘炎が起こってしまうメカニズム

中でも腱鞘炎で多くみられるのが「ドケルバン病」と「ばね指」です。

ドケルバン病
手首の親指側にある「手背第一コンパートメント」という部位の腱鞘に炎症が起こる病気です。親指の使い過ぎで起こりやすく、親指を動かすと強く痛んだりぎこちなさを感じたりするのが特徴です。
ばね指
指にある「靱帯性腱鞘」に炎症が起きる病気です。指の付け根が痛み、指の動きがひっかかってばねのような現象が起きたり、指が動かなくなったりします。

腱鞘炎の痛みの形容は「ピキッ」「ズキズキ」とさまざまで、強い疼痛を伴う場合もあります。このような辛い炎症をしずめるには、次の対処を適切に行う必要があります。

  • 患部を安静にする
  • 腫れを抑える
  • 痛みを止める

腱鞘炎が軽い場合は、患部を動かさないように安静にして過ごせば自然に治すことができます。

とはいえ、痛くても仕事や家事を休んで安静にすることは難しいもので、仕事や家事でなるべく患部に負担がかからないように注意し、治療でなんとか炎症をしずめながら回復を待つ人がほとんどです。

注意したいのは「仕事や家事が休めない」「これくらい平気」と炎症を我慢して患部を動かしてしまったり、適切な対処を怠ったりしてしまうことです。

腱鞘炎自体は危険な病気ではないので、軽く見過ごされがちです。対処がきちんとできていないために重症化したり慢性化して再発しやすくなったり、といった失敗をする人も少なくありません。

腱鞘炎がこじれると、手が使いにくくなって日常生活に大きく差し支えたり、治療が大がかりになったりして何かと負担が大きくなってしまいます。

腱鞘炎の正しい対処法を知っておくと、後で後悔することになりません。次に腱鞘炎の対処法について詳しく説明していきます。

まず冷やす!痛み出したらすぐに応急処置をしよう

「手を使い過ぎて手首や指の付け根が痛み出した。しまった、腱鞘炎になったかもしれない!」…そんな時は応急処置をして炎症を最小に抑えましょう。

腱鞘炎の応急処置はアイシング(冷やす)です。患部を冷やすことには、痛みを感じる神経を麻痺させて痛みを和らげ、一時的に血行を抑えて炎症が広がるのを防ぐ作用があるのです。

アイシングしたほうが良いのは、腱鞘炎の初期、患部が熱を持っている急性の炎症が出ている時です。すぐ冷やすほど治りが良くなります。

腱鞘炎のアイシングは15分程度、実践しやすい方法で患部を冷やします。

  • 氷水の入ったビニール袋をタオルに包んで患部に当てる
  • 保冷材をサポーターで抑えながら患部を冷やす

急性の痛みや腫れはしっかり冷やすことである程度おさまります。その後は冷湿布を貼って患部を動かさないようにして過ごします。

サポーターやテーピングで患部をしっかり固定する

腱鞘炎を治すには1~2週間の安静が必要なのですが、腱鞘炎の起こりやすい手首や指は動かさないようにしているつもりでも、日常の動作や仕事で無意識に動かしてしまうことが多い場所です。

患部はサポーターやテーピングで固定するのがおすすめ。サポーター・テーピングには次のような効能があり、関節や筋肉の怪我を保護する時に使われます。

  • 患部を固定し二次的な障害を予防する
  • 患部を安静にして組織の回復を促進させる
  • 患部を保温する(主にサポーター)

サポーターとテーピングはそれぞれ特徴が異なるので、症状や使用感の好みによって選び分けます。

患部を固定する:サポーター

サポーターは、名前の通り体をサポートする用品です。

サポーターにはメリットとデメリットがあるのですが、装着が簡単なので「テーピングは難しそうで抵抗がある」という人にはサポーターがおすすめです。

メリット デメリット
  • 誰でも簡単に装着できる
  • すぐに外せる
  • 繰り返し使え経済的
  • テーピングよりずれやすい
  • 目立ちやすい
  • かさばりやすい

サポーターにもさまざまな種類があり、大きく分けるとは医療用とスポーツ用の2種類があります。医療用のサポーターはドラッグストア、スポーツ用のサポーターはスポーツ用品店で販売されています。

医療用のサポーターは、炎症を治すために患部をしっかり固定するのが目的です。保温効果で患部の血行を促進させる効果もあります。

スポーツ用のサポーターは、怪我を予防したり怪我をした場所を保護したりする目的で使われ、伸縮性があるので激しい動きも邪魔しないのが特徴です。

腱鞘炎の時は、サポーターの中でもマジックテープで着脱できるタイプを選ぶのが良いでしょう。ずれにいので患部がしっかり固定されます。また着脱が簡単なので、手洗いにも不自由しません。

医療用のサポーターで動きが固定され仕事や家事に差し支えてしまう場合は、スポーツをしない人でもスポーツ用のサポーターを使ってみるのもおすすめです。

また、手用のサポーターにはさまざまなタイプがあります。患部の場所に合わせて固定しやすいサポーターを選んでください。

ばね指の保護
手首から1本の指にかけて固定するタイプ
親指のばね指やドケルバン病の保護
手首から親指にかけて固定するタイプ
手首の腱鞘炎の保護
手首から手のひらを固定するタイプ

購入する際は医師や専門知識のあるお店のスタッフにアドバイスをしてもらったり、実際に試着してフィット感を確認したりすることをおすすめします。

使用上の注意もあります。長期間使用していると患部の血流や周辺の筋肉の動きが低下し、患部が固まってしまう可能性が出てきます。

寝る時は外すなど1日中つけっ放しの状態を避け、連用は2週間以内にとどめるようにしてください。

患部を固定する:テーピング

腱鞘炎の患部をしっかり固定するなら、サポーターよりも患部を固定する力が強いテーピングのほうがおすすめです。伸縮性に富んで肌に直接貼るので患部へのフィット性も抜群です。

テーピングは怪我をした関節や筋肉を固定する布製の粘着テープで、整形外科の治療やスポーツをする人の怪我のメンテナンスに用いられています。サポーター同様にドラッグストアやスポーツ用品店で購入することができます。

テーピングにはいくつかの種類があるので、症状や用途に合わせて選ぶと、より快適に患部を保護することができます。

非伸縮テープ
ホワイトテープともいう。固定する力が高く応急処置に適している。
伸縮テープ
伸縮性があり、動きの大きな肩・膝・ひじの保護に適している。
キネシオロジーテープ
筋肉や関節を保護し疲労を防ぐ。
自着性テープ
肌にはくっつかず、テープ同士でくっつくのでかぶれにくい。
アンダーラップ
テーピングの前に巻き肌を保護する。
バンテージ
薄手で伸縮性のある包帯。怪我をした部分の保護に適している。

しかしテーピングにもいくつかデメリットもあるので、テーピングの特性をよく理解してからサポーターとテーピングのどちらが良いか選ぶ必要もあります。

メリット デメリット
  • 患部の関節や筋肉が動かしやすい
  • 患部をしっかり固定する
  • 固定する力が調節しやすい
  • 目立たない
  • かさばらない
  • 貼り方を覚える必要がある
  • かぶれやすい
  • 貼り替える必要がある
  • サポーターよりコストがかかる

また、テーピングには色々な貼り方があるので、使いこなすにはある程度勉強していかなければなりません。そのため敬遠する人も少なくありませんが、テーピングを使ったことのない人でも貼り方のコツを覚えて慣れていくと、だんだん上手に扱えるようになります。

まずは初心者向きの貼り方をチェックしてみましょう。ピップ株式会社がテーピングの貼り方の動画をアップしていますので紹介しておきます。是非参考にしてみてください。

▼テーピングの貼り方 手首(基本) 「ピップ株式会社」

サポーターと同様に長期間使い続けると患部が固まってしまう可能性があるため、テーピングを行うのは、初期段階の炎症が激しい時だけにとどめておきましょう。

テーピングを使って1週間経っても改善しない場合は一旦テーピングの使用をやめ、整形外科の指示のもとに治療することをおすすめします。

一人で簡単に貼ることのできる指・手首用のテーピングも販売されています。

テーピング初心者の人は、専門知識のあるお店のスタッフに相談しながら使いやすいテーピングを選ぶことをおすすめします。

血行促進がポイント!次は患部をじっくり温めましょう

腱鞘炎の急性症状をしずめる時は「温めるのではなく冷やす」が正解でしたね。しかし腱鞘炎の患部を冷やすのは、患部が腫れて炎症が強く出ている時だけです。

しばらくして痛みがしずまってきたら、冷やすのではなく温めるケアに切り替えてください。これは、温めることによって患部周辺の血行が促進され、患部の新陳代謝が良くなって組織が早く修復されるようになるためです。

急性期を過ぎてから冷やすと、患部の血行が滞るために新陳代謝が悪くなったり、周辺の筋肉が硬くなって患部の神経を圧迫し痛みがぶり返したりするので逆効果です。

腱鞘炎を温める方法は

  • 使い捨てカイロを当てる
  • 洗面器に湯をはって手をつける
  • サポーターを外している時は手袋で保護する

…などがおすすめです。

湿布にも血行を促進する効能があります。温感を感じる温湿布に血行を促進させる成分が多く配合されているので、冷湿布よりは温湿布のほうがおすすめです。(湿布を貼る時は、テーピングよりサポーターとの併用が適しています。)

専門科は整形外科!病院で行なわれる一般的な治療は

腱鞘炎の痛みが強く応急処置で痛みがおさまらない場合、セルフケアで1週間様子を見ても症状が改善されない場合は整形外科を受診しましょう。

病院の治療は次のステップで進められます。

  1. 薬物療法
  2. 注射
  3. 手術

腱鞘炎の治療のほとんどは、薬の処方と注射によって炎症をおさめる保存療法となっています。このほか整骨院やカイロプラティックでの物理療法を選択することもできます。

腱鞘炎の治療方法:薬物療法

腱鞘炎の治療は、炎症をしずめるための内服薬と外用薬の処方が中心となります。

外用薬
湿布や軟膏などの消炎剤
内服薬
ロキソニンなど非ステロイド系消炎鎮痛剤、メチコバール(ビタミンB12製剤)

腱鞘炎の治療方法:注射

薬物療法で腱鞘炎の炎症がおさまらない場合は、腱鞘にステロイド剤や局所麻酔剤を直接注射して炎症をしずめます。

痛みを止める効果は高いのですが永久に持続するものではなく、定期的に通院するにも費用や手間がかかります。また注射を繰り返すと腱が委縮してしまう副作用も持っており、依存することはできません。

腱鞘炎の治療方法:理学療法

理学療法は、機器などを用いて物理的なエネルギーを患部に当て炎症をしずめていく療法。レーザー療法、温熱療法、マッサージなどがあります。

レーザー光線を当てて腱鞘炎の炎症をしずめる方法は、痛みや出血がない点がメリットですが、効果は一時的です。

整形外科のほか整骨院やカイロプラティックでも受けることができるのは、マイクロ波治療器や赤外線治療器などを用いた温熱療法やマッサージです。

これらは血行を促進させることで一時的に炎症をしずめたり組織の修復を促進させる効果が期待でき、副作用の心配はない治療法ですが、効果は穏やかで定期的に通院しなければならないのがデメリットともいえます。

手術

手術では患部を切開して腱鞘を切り開き、腱の圧迫を取り除きます。手術自体は短時間で済み、入院の必要もありません。

手術は、注射やレーザー治療を用いても再発を繰り返してしまう場合に用いられる最終手段で、いきなり腱鞘炎の手術を行なうことはありません。

やはり腱鞘炎は軽症のうちに負担の少ない方法でしっかり治して、重症化や再発を避けることがのぞましいといえるのではないでしょうか。

患部の長期間の固定は逆効果!治りを早めるストレッチ

腱鞘炎の治療中は安静が必要なのですが、長期間固定していると血行が悪くなって周辺の筋肉がこり固まり、かえって回復しにくくなってしまいます。

そのため患部の血行を促進させるため無理のない程度のストレッチを行なうのがおすすめです。腕、手首、指のストレッチを毎日行うことはすでに発症してしまった腱鞘炎の回復を促進するだけでなく、手を酷使する人の腱鞘炎を予防する効果もあります。

腕を前に伸ばしてグーパー体操

腱鞘炎を改善するグーパー体操

  1. 両腕を前に伸ばす
  2. 手を握ったり開いたりのグーとパーを1回として50回くらい繰り返す。

手首のストレッチ1

腱鞘炎を改善する手首のストレッチ1

  1. 腱鞘炎がある方の腕を伸ばす
  2. 手首を内側に曲げて10秒間、その反対に曲げて10秒間キープする
  3. 2を5回繰り返す

手首のストレッチ2

腱鞘炎を改善する手首のストレッチ2

  1. 腱鞘炎があるほうの腕の肘から手首までを机の上に乗せ、手のひらは机に伏せておく
  2. もう片方の手で1の指先をつかみ、手の甲側に持ち上げる
  3. そのまま静かに手首を反らせた状態で10秒くらいキープする
  4. もう片方の手にも1~3を行なう

指のストレッチ

腱鞘炎を改善する指のストレッチ

  1. 指を1本ずつ手の甲側に向かって静かに反らす
  2. 1を2~3回繰り返す

肘のストレッチ

腱鞘炎を改善する肘のストレッチ

  1. 手首を下にして腕を前に伸ばす
  2. もう片方の手で手首をつかんで前に引っ張る
  3. そのまま30秒間キープする
  4. 腕を下ろす
患部周辺の筋肉がのびて「気持ちいい」と感じる程度に、ゆっくりとストレッチを行なってみてください。

入浴中または入浴後の、体が温まって筋肉が柔らかくなっている時にストレッチするのがおすすめです。

発症者が増加中?腱鞘炎になりやすい人はこんな人、こんな仕事

腱鞘炎の原因は、同じ動作の反復行動によって同じ部位を酷使してしまうこと。手や指先を使う仕事に作業している人に起こりやすい病気です。

腱鞘炎は次のような職業に多い病気です。

  • パソコンのキーボード入力がメインの業務
  • ピアニスト
  • 理美容師
  • 介護士
  • スポーツ選手
  • 執筆業に従事している人
  • 工芸家

など

また赤ちゃんを抱き上げることの多い育児中のお母さん、家族を介護中の人にも腱鞘炎に悩む人が多くなっています。このように腱鞘炎は特定の作業に携わる人だけがかかりやすいので、今までは職業病のようなイメージの強い病気でもありました。

しかし最近は、職業に関係なく誰でも腱鞘炎にかかりやすくなっています。パソコン・携帯電話・スマートフォンの普及率が90%を超えた今日、こういった機器を長時間操作する人に腱鞘炎が多くなっているのです。

特にスマホを長時間持って操作する人は手首や親指の付け根に負担がかかりやすく、片手でスマホを操作する男性、手の筋肉が弱い女性に腱鞘炎が起こりやすくなっています。

次に挙げる人は腱鞘炎になりやすいので、普段から意識して腱鞘炎の予防対策を実践することをおすすめします。

  • 手や指先を長時間使う職業に従事している人
  • スマホが手放せない人
  • 女性
  • 加齢で手の筋力が衰えている人
  • 肩こりがあり手の血行が良くない人

毎日行なって腱鞘炎を回避!腱鞘炎の予防法は

腱鞘炎になりやすいタイプの人、腱鞘炎の再発を繰り返している人は次の方法で腱鞘炎を予防しましょう。

長時間の同じ作業は避ける

長時間にわたって同じ作業を続けると腱と腱鞘に大きな負担がかかります。必ず適度な間隔で休息を入れてください。

少し休めるだけでも十分にリラックスさせることができますが、作業中は30分おきに5分休憩を入れるようにすると効果的です。

痛みを自覚したら安静にする

もし少しでも痛みに気付いたら無理をしないで作業を中断し、すぐに患部を安静にしてください。冷やしたおしぼりなどで冷やすとより効果的です。

やむを得ず作業を続ける場合はサポーターを使い、痛みが強くなるようなら作業を中止して応急処置を取りましょう。

ストレッチ体操を行う

筋肉がこると腱鞘に余分な力がかかって腱鞘炎を引き起こしやすくなるので、ストレッチ体操をして筋肉のこりを解消しておくと、腱鞘炎の予防につながります。

上記のストレッチ法を予防法として取り入れてみてください。

マウスを使っての作業は手首用にクッションを活用する

1日中パソコンの入力作業を行なっている人は、手首に相当の負担がかかっています。パソコンの入力作業を行っている人は、手首の下に何かクッションとなる物を置いてみましょう。

クッションは家電店のパソコン用品コーナーで販売している「リストレスト」がおすすめです。折りたたんだハンドタオルも適度に厚みがあって肌触りが良くクッションの代用になりそうです。

判断が難しい…腱鞘炎に似た症状の病気がある

実は、腱鞘炎に似た症状が現れる病気があります。指や手首に痛みがあるからといって必ず腱鞘炎かと言えば、それは断言することができないわけなのです。

腱鞘炎に似た症状のある病気

  • 関節リウマチ
  • 手根管症候群(しゅこんかんしょうぐん)
  • 糖尿病

関節リウマチはお悩みの患者さんがたくさんいることでよく知られている疾患ですが、腱鞘炎と似たような症状が出てくることもあります。

手根管症候群もまた腱鞘炎と同様の症状が出てきますが、痺れが伴うなど痛み自体も独特なものがあります。ところが、原因が腱鞘炎と同様に関節の酷使なので個人での判断は難しいケースもあります。

実は、糖尿病を発症すると指や手首に痛みが現れることもあります。ただ糖尿病はその他にも異常なほどの喉の渇きや目が霞むなどの症状が現れますので、注意すれば違いが分かるはずです。

上記にあげた疾患は、腱鞘炎とは別物ですが判断が難しいケースもありますので、よく分からない、不安だという場合は病院で見てもらいましょう。

クセになりやすく厄介な腱鞘炎は予防と早期治療が大切

1回「ピキッ!」とやってしまったらクセになりやすい、しかもひどくなるとペンすら持てないぐらい辛い…それが腱鞘炎の厄介なところです。腱鞘炎になったら、必ずしっかりと治しておきましょう。

最善の方法はやはり整形外科を受診することです。腱鞘炎と思っていたら、関節リウマチ、手根管症候群(しゅこんかんしょうぐん)、糖尿病による神経障害など別の病気だったという場合もあるため、念のために診察してもらうのが安心ですね。

最後に、今回紹介した腱鞘炎の対処法をおさらいしておきましょう。

  1. 急性の炎症は冷やす
  2. 患部を固定して安静にする
  3. 急性の炎症がおさまったら温める
  4. 改善されなければすぐ整形外科を受診する
予防も大切です。増えている「スマホ腱鞘炎」も、発症してしまうととても不便になってしまいますよ。暇さえあればSNSやゲームをポチポチ…というのも、ほどほどにしましょう。
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