前に半年と少しの間住んでいた家で、私は何もない暮らしをしていました。
洗濯機、インターネット、電子レンジ、テレビ、アイロンといった電気製品もなく、収納やベッドすらありませんでした。
入ってすぐに電球は友達がつけにきてくれたので、明かりとIKEAのシンプルな洋服掛け、机と椅子だけがありました。
そもそも短期入居の予定だったのでものを増やしたくなかったのもあり、その後に増えたのはマットレスと友達が持ってきてくれた箪笥(飾り)だけでした。
それ以外の荷物はIKEAの段ボール箱3つとスーツケースに収まるくらいしかありませんでした。
おしゃれがよく分からないのと、ついつい同じ服ばかり着てしまうため、服もあまり持っていません。
(IKEA公式サイトより写真を拝借)
当時ミニマリストというものが日本では流行っているようでした。まるで私のしているような生活をわざわざ好んでする人がいるというのは、ちょっと信じられないことでした。
私がミニマリストの良さが分からなかった理由は二つあります。
一つ目は不便さ。
ひたすらに不便でした。
洗濯機が家に無く、怠け者なので手洗いとか当然しないのでたまにコインランドリーに行っていました。
しかしコインランドリーが近所に無いのでIKEAの青い袋を抱えて電車を乗り継ぎウロウロ。乾燥機は子供が中に入って遊んでいて汚いので、帰りは濡れて重い洗濯ものを抱えて家まで。大変です。
私は下着以外あまり頻繁に洗わないので洗濯を週一~10日に一回くらいのペースでしかしませんでしたが、それでも面倒過ぎでした。
そして収納すらないと、散らかるというよりかは、いくら片付けても散らかっているようにしか見えないという悲しさ。本とたたんだ服を並べてるだけでもごちゃごちゃして見えていつも落ち着かない気分でした。(そう言いつつ今も部屋は汚い)
ぼろいスマホでネットするのも面倒だし、ネットしたいときはラップトップを抱えて一々無料Wi-fiがある図書館まで電車で行くというのも大変でした。
私がミニマリストの良さが分からないもう一つの理由はなんだか人間らしさが欠けているような気がすることです。
今の家に移ってから、ベッド、ソファ、洗濯機、棚…などなどを買い足し、思ったことは「これで落ち着ける」ということでした。やっと人間らしい生活をできるような気がしたんです。
モノがあり過ぎたら確かに引越しの時とか困るかもしれないけれど、必要なものまで減らすと暮らしにくそうな気がします。
そして服について。アップルのSEOが時間節約のために同じコーディネートの服ばかり着る、と言うのならまあ理解できなくもありませんが、そんなに忙しい人がどれだけいるのでしょう。
上にも書いたように私はあまり服を持っていません。おしゃれもよく分からないから適当な服しか着ないし、買い物に行っても欲しいものが見つからないし……。自分で書いていて、つまらない人間だなと少し思ってしまいます。
人として、もっと人生を楽しむことができるのでは?という気がするんです。まあ人生のどこに重きを置くのかというのは個人の自由ですし、私がファッションを重要視できないのも仕方ないことではあるのですが……。
いつの間にかミニマリストのようになってしまった私ですが、結局ミニマリズムの良さはさっぱり分かりません。
冒頭のミニマリスト生活とかまたしたいと絶対に思わないし。
最近、冷蔵庫捨てた人の話をどこかで読んだけど、今頃フツーに買い直してると思う。
一日に一回料理するかしないかの私でも冷蔵庫は必需品だし、そもそも肉とアイスと牛乳はどうするんだろう?ヴェーガンなのかな……。
批判ではなくて、本当に疑問なんです。なぜミニマリストがもてはやされている(いた?)のか。
物を減らして、選択肢が減って、他の重要なことに出力を増やせる?
そんなに時間がないのでしょうか?
というミニマリズムの謎でした。でももうブームは去ってるのかな?
ミニマリストの方、ミニマリストだった方、ミニマリズムについてぜひ教えてください。