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【国際】法王「被爆者の声は警告」 核なき世界へ バチカン会議
【バチカン=共同】核保有国や国連幹部、歴代ノーベル平和賞受賞者らが「核なき世界」への道筋を議論し、展望を示す国際シンポジウムが十日、バチカンで始まった。ローマ法王庁の主催で、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)事務局次長の被爆者、和田征子さん(74)ら参加者は法王フランシスコに謁見(えっけん)。法王は「広島や長崎の被爆者らの声が、次世代への警告となるように」と核廃絶を訴えた。 国連で七月、核兵器を違法化する史上初の核兵器禁止条約が百二十二の国と地域の賛同で採択されたが、核保有国は反対の立場を崩していない。米国の「核の傘」に入る日本も参加を見送った。北朝鮮の核の脅威が高まる中、法王庁は核の惨禍を避けるため、国際社会の協調を促したい考えだ。 法王は謁見で「核兵器は見せかけの安全保障を生み出すだけだ」と批判し、核保有国に廃絶に向けた取り組みを促した。 長崎で一歳の時に被爆した和田さんは「被爆者が呼びかける核兵器廃絶のための国際署名」への賛同を法王に求め、署名用紙と折り鶴を手渡した。シンポは二日間で、和田さんは十一日に演説し核兵器の非人道性を訴える。 また、被爆者たちと協力して核禁止条約実現に貢献し、今年の平和賞が決まった国際非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のフィン事務局長も核禁止条約への参加を呼び掛ける。 国連軍縮担当上級代表の中満泉(なかみついずみ)事務次長やグラミン銀行を創設し、貧困層を支援、平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏も演説。対人地雷禁止運動で平和賞を受けたジョディ・ウィリアムズさん、北大西洋条約機構(NATO)幹部も加わる。 法王は、非人道的な結末を引き起こす核兵器による抑止力を不適当と指摘し、廃絶を強く訴えてきた。バチカンは九月二十日の署名開始初日に核禁止条約に署名、批准を済ませている。 関連記事ピックアップ Recommended by
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