金融庁は少子高齢化に直面する地域金融機関に対し、経営の健全性維持のためこれまで以上に厳しい姿勢で臨む方針だ。立ち入り検査で抜本改革を迫るほか、地域金融機関を比較できる共通指標を設けて健全な競争を促すのに加え、淘汰に備えて関連の制度も点検する。
金融庁は10日に今事務年度(7月から1年間)の行政方針を公表した。それによると、ビジネスモデルの持続可能性に深刻な課題がある地域金融機関にへの対応として、従来は聞き取り調査なども併用していたところ、今後は立ち入り検査で経営陣に改革を迫る。
また、企業の価値向上支援など共通の指標で地域金融機関同士を比較できるようにすることで、健全な競争を促す。金融庁はすでに昨年9月に、銀行の金融仲介機能を測る指標を公表していたが、各行の自己点検を主な目的としていた。
金融庁の資料によると、地銀・第二地銀は計105行。「オーバーバンキング」状態で過当競争による貸し出し金利の低下が進み、地銀の体力を奪っている。一方、将来に備えたはずの経営統合計画は、公正取引委員会の慎重姿勢で延期を余儀なくされるケースが増えている。今回の行政方針は初めて「同一地域内の経営統合には寡占・独占のリスクが指摘されている」と明記した。
一方で、地域金融機関の淘汰や再建支援を視野に早期警戒制度、早期是正措置、金融機能強化法といった金融システム安定化のための制度の改善余地についても有識者と検討に入る。発動要件の整理などが論点となる。法制度という点では、金融審議会が銀行法、金融商品取引法、保険業法など業態別だった法体系を機能別に再編できないか検討に着手する。