蹴球探訪
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【格闘技】井岡一翔が世界王座返上、引退も 父・一法会長「練習できてない」2017年11月10日 紙面から
井岡ジムの井岡一法会長(50)が9日、大阪市内のジムで記者会見を行い、息子でWBAフライ級王者の井岡一翔(28)が同日付で王座を返上したと発表した。12月31日に6度目の防衛戦を計画していたが、一法会長は、井岡が5月に歌手の谷村奈南(30)と結婚したことで「練習がコンスタントにできていない。準備が間に合わない」と説明。今後については井岡本人次第と強調し「モチベーションがなければ引退」とこのまま引退する可能性にも言及した。 ボクシング界に衝撃が走った。12月31日に井岡の6度目の防衛戦を計画していた一法会長だが「準備が間に合わないので、いったん(王座を)返上する」と発表した。世界王者が階級変更や進退に関係なく王座を返上するのは極めて異例。11年の大みそかから6年続き、“年の瀬の風物詩”となっていた井岡のファイトもストップすることが決まった。 一法会長は井岡が結婚以降「コンスタントに練習ができていない」と、プライベートに時間を割かれていることを理由に挙げた。5月17日に歌手の谷村奈南と入籍した井岡は生活拠点を東京に移し、大阪の所属ジムで本格的な練習を行っていないという。一法会長は「試合前に仮住まいでもいいから環境を変えて(大阪のジムで)やるのが大事だが、環境を変えられなかった」と説明した。 今後について一法会長は「(井岡)本人次第」という言葉を繰り返し、「本人がやる気があれば、いつでも教えていく。スイッチを入れ替えたら来年に世界前哨戦をノンタイトルでやるかもしれないし、モチベーションがなく身を引くなら引退するしかない。二つに一つ」と引退の可能性にも言及した。 15年に世界3階級制覇を達成した井岡は、今年4月に5度目の防衛に成功するとともに、具志堅用高の国内最多世界戦14勝に並んだ試合を最後にリングから遠ざかっている。WBAは8月に同級1位アルテム・ダラキアン(ウクライナ)と指名試合の交渉を行うことを命じており、一法会長によると既に試合の契約も済ませていたというが、「相手を待たせるわけにもいかない」と決断に至った経緯を話した。 井岡と話し合いを重ねたという一法会長は「週3、4回は走っているし、ウエートも60キロくらい。(ボクシングへの)熱意は持っている」と現役続行への期待を示した。だが、会見に肝心の井岡本人は不在。自身の進退に関して、いまだ自らコメントを発していない。何よりもまず、井岡の言葉が待たれる。 (山本直弘)
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