【巨人】阿部、伊江島“ミニキャンプ”公開…チーム最年長「脱力打法」で4番死守

2017年11月10日6時0分  スポーツ報知
  • 練習後、伊江島特産の伊江牛に近づき笑顔を見せる阿部(カメラ・矢口 亨)

 巨人の阿部慎之助内野手(38)が9日、沖縄・伊江島での“ミニキャンプ”を公開した。

 現在、宮崎では若手選手たちが猛練習に励んでいるが、「この年になると、休んだ分を取り戻すのに時間がかかる。(現役時代の)由伸さんだってすごい量の練習をこなしていた」と、かつての背番号24が、ベテランになってからもストイックに体を追い込んでいたのにならうと宣言。今季セ首位打者のDeNA・宮崎らを参考にした新フォームで打ち込むなど、ノンストップで2時間汗を流した。

 息を弾ませた阿部は、びしょぬれのTシャツを丸めると、力いっぱい絞った。豪快な音を立て、大量の汗が大きな水たまりを作る。

 「いい汗が出たなぁ。この年になると、ちょっとでも休んだら動けなくなる。例えば4日休んだとしたら、取り戻すのにその倍は必要になる」

 沖縄・伊江島に渡っての自主トレ初日。気温25度の中、ダッシュ、75メートルの遠投、ノックにマシン打撃と、休むことなく2時間も動き続けた。宮崎秋季キャンプでは、来季の台頭が期待される若手が猛練習に打ち込んでいるが、阿部も昨年に続いての超速始動。そう簡単にポジションを明け渡すつもりはない。

 来季からチーム最年長になる。経験も実績もずば抜けているが、ここまでストイックに追い込むのは、高橋監督の現役時代に影響されたからだという。阿部は「チームのことを考えれば、若い子たちが出てくるほうがいい」と言いながらも、「『これだけやった』という自信は大事。由伸さんはすごい量の練習をこなしていた。だから今、若い選手にたくさん練習させてるというのもあるんだと思うし」ときっぱり。

 高橋監督はベテランとなっても春のキャンプで1000スイングをノルマとするなど、一切妥協しなかった。自らも“由伸式”で鍛え上げ、若手の挑戦をはね返すつもりだ。

 量だけでなく、質も高めていく。このオフは、バットを構える際に両こぶしを胸より低い位置に落とすフォームを試している。「脱力打法だな。(DeNAの)宮崎とか、いい打者の映像は参考にしている。あとは(広島の)丸とか。高い位置で構えるより、そっちのほうが最短でバットが出る」。今季は2000安打を達成したが、打率は2割6分2厘。セ・リーグ首位打者の宮崎ら「打てるフォーム」からヒントを得て、改良を加えている。

 10日以降も、沖縄県内でミニキャンプを継続する予定だ。「今年は開幕からいいスタートが切れたけど、コンスタントに打つ難しさを感じた一年だった。4番を任せてもらって、チームを上昇させられなかった責任も感じている」。悔しさが大きかっただけに、簡単に引き下がるわけにはいかない。(尾形 圭亮)

 ◆近年の阿部のオフ

 ▼12年 翌年に控えた第3回WBCに備え、11月中旬まで日本代表として強化試合を消化。年始のグアムから本格始動した。

 ▼13年 スロー調整を公言し、ゆっくり体を休めた。12月にはニューヨークへ渡り松井秀喜氏と対談して打撃論を吸収。

 ▼14年 翌年からの一塁転向へ、12月のハワイ優勝旅行中からトレーニングをスタート。現地ではグラウンドを借りて打撃練習も行った。

 ▼15年 シーズンの疲労回復のため、年内は軽めのトレーニングに終始。脈拍を計測しながらの40分間ジョギングなどで体重制御。

 ▼16年 残り83本となった2000安打達成に向け、11月中旬に沖縄・伊江島で隠密トレーニングを敢行。「間」の取り方をテーマにフォームを試行錯誤した。

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