シリーズ3作目となる「アウトレイジ 最終章」、登場人物の誰が最後まで生き残るのか、ハラハラしながら拝見しました。
森昌行氏(以下、森):このシリーズの面白さは、一貫してそこなんですよ。ある意味、生き残りゲームみたいなところがありますから、その最終章ということであれば、ある程度展開を予想しながら見ている人もいるかもしれませんが(笑)。
費用回収できないと監督生命にかかわる
北野監督は多くのヒット作を世に送り出してきました。作品全体に責任を持つプロデューサーとして、どのようなスタンスで仕事に臨んでいますか。
森:成功の秘訣なるものが明確に分かっていればよいですが、もちろんそういうわけではありません。我々の作品も常にヒットしてきたわけではありませんから。映画だけでなく、モノ作り全般に通じる点として、プロジェクトの背景には様々な要素があります。その現実の中で私たちが注意している点についてお話ししたいと思います。
アウトレイジは北野監督として初めてのシリーズものですが、当初はそんなつもりはありませんでした。1作目の「アウトレイジ」(2010年)を作る前にさかのぼりますが、その前の3作品、「TAKESHIS'」「監督・ばんざい!」「アキレスと亀」は実はビジネスとしてはやや物足りない結果に終わっていました。プロデューサーの片方の軸足はクリエイティブサイドに置いていますが、もう片方はビジネスサイドにあります。
どんなに有名で「世界のキタノ」と周りからもてはやされても、ビジネスという側面から考えれば、興行的に振るわない状態が続けば監督生命にかかわります。当然の義務であるリクープメント(費用回収)ができないわけですから。
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