横田基地トランプ演説で自衛隊を“隠した”NHK

2017年11月07日 12:00

横田基地で演説したトランプ大統領(米大使館サイトより:編集部)

トランプ大統領は5日、横田基地で米空軍兵士や航空自衛隊員の前で演説した。これは、オバマ大統領が昨年の来日時に岩国基地で海軍と海上自衛隊の兵士・隊員の前で演説したのと同様のシテュエーションだが、オバマ大統領のときもNHKはじめ、ほとんどのマスコミは自衛隊員の存在を意図的に無視したように見える。

このことを、アゴラで私が指摘したことは、非常に大きな反響を呼んだ。アクセス数でも蓮舫騒動のときに次ぐもののひとつだった。(参照:岩国基地でのオバマ演説を報道しないマスコミの罪

そして、今回もまた、NHKは

「 アメリカのトランプ大統領は5日午前、東京の横田基地に到着しました。トランプ大統領は、基地で兵士らを前に演説し、日米の同盟関係を重視する姿勢を強調するとともに、『いかなる独裁者もアメリカの決意を過小評価してはならない』と述べ、核・ミサイル開発を進める北朝鮮を強くけん制しました。」

と電子版で報じている(下線部は筆者)。

実際の放送でのアナウンサーの解説は、「兵士たち」でしたから、まずいと思い、しかし、自衛隊員の存在はいいたくないので訂正したのかもしれない。しかし、テロップではしっかり、自衛隊員を米軍兵士と同列においたトランプ大統領の発言が紹介されている。

トランプ大統領到着 演説で北朝鮮を強くけん制(NHKニュース)

こうした自衛隊員を馬鹿にした報道姿勢に対してはしっかり、抗議していくべきだ。

以下は、アメリカ大使館による演説の全文です(*下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文とのこと)。

2017年11月5日、横田基地(東京都福生市)

トランプ大統領:この方がいいですね。私の上着はあげるよ。ありがとうございます。すごいですね。とてもたくさんの人たちが集まってくれています。ありがとうございます。マルティネス在日米軍司令官、皆さん、ここ日本に駐留する勇敢な兵士たちを率いる献身的なリーダーシップに感謝します。そして特に全ての有能な兵士の皆さん、ありがとうございます。

私たちは今日ここに来ました。楽しいときを過ごし、皆さんの功績をたたえるためです。ですから、皆さんが好きな命令を出しましょう。準備はいいですか。休め! 楽にしてください。さあ、楽しみましょう。ただ楽しみましょう。

メラニアと私は、素晴らしい仕事をしているビル・ハガティ駐日大使にも、特別な感謝の意を表したいと思います。大使はとても立派な人です。彼のことをよく知っています。皆さんの大使がとても優秀なのは間違いありません。彼は東京のアメリカ大使館でリーダーシップを発揮しています。

本日、素晴らしい日本国民の故郷であるこの美しい国に来ることができ光栄に思います。日本は、米国の大切なパートナーであり欠くことのできない同盟国です。今日、私たちを歓迎していただいたこと、そして数十年に及ぶ日米両国の素晴らしい友好関係にお礼を申し上げます。

米国民は、日本国民に対して深い尊敬と称賛の念を抱いています。日本の素晴らしい文化、強い精神、そして誇るべき歴史を尊敬しています。

私は米国を代表し、この特別な国の皆さんに米国民からのごあいさつの言葉を伝えます。

うん、これで皆さんがどのように感じているか分かりました。とても良い着心地です。

今回のアジア歴訪では、多くの歴史的な場所を訪れ、数多くの美しい風景を目にし、多くの人たちの前でお話しします。しかし、最初の訪問地として、ここ以外には考えられませんでした。素晴らしい米軍兵士の皆さんと、非常に優れたパートナーである日本の自衛隊の皆さんにお会いしたかったのです。お集まりいただきありがとうございます。

今日ここにお集まりの、祖国のために働く全ての皆さん、ありがとうございます。皆さんに敬意を表します。皆さんの階級は何ですか。昇任させましょう。我々は皆さんに敬意を表し、名誉に思い、我々とその生き方を守る皆さんを誇りに思い支持します。国というものは、勇気、愛、そして皆さんのような愛国者の犠牲の上に築かれているのです。

皆さん一人ひとりが、70年以上にわたり、まさにこの地に立ってきた数世代に及ぶ米軍兵士たちの誇り高き遺産を受け継いでいるのです。

朝鮮戦争のときには、横田基地の滑走路から米軍パイロットが飛び立ち、侵略者を退けました。とてつもない勇気です。ものすごく勇敢です。長くつらい冷戦期には、この場所から米軍パイロットが貴重な平和を守ったのです。そして2011年の東日本大震災で津波が壊滅的な被害を与えたときには、この基地が米国史上最大の人道救援活動であるトモダチ作戦の拠点としての役割を果たし、数多くの日本国民の生命を救いました。

皆さんの前任者たち同様、皆さんも常に難局に立ち向かい、母国の期待に背くことは決してありません。

マルチネス在日米軍司令官、シュローティ在日米軍副司令官、パスカレット在日米陸軍司令官、フェントン在日米海軍司令官、ウィンクラー第5空軍副司令官、モス第374空輸航空団司令官、グリーン第5空軍最先任上級曹長、皆さんは、卓越した技能と献身でそれぞれの部隊を率いています。米国は皆さんに大変感謝しています。

幸運なことに、非常に強く有能な協力者の方々がそばにいてくれます。前原航空総隊司令官、浅井航空総隊幕僚長、今城航空総隊防衛部長、安藤航空戦術教導団司令、皆さんのリーダーシップと奉職に感謝いたします。ありがとうございます。

米国民を代表して、私は、米軍兵士そして自衛隊員の皆さん一人ひとりに、皆さんの国への奉仕と献身が皆の安全を保ち、皆を強くし、自由を守ってくれているのだと知ってもらいたいと思います。

私はまた、皆さんが国に尽くすために多くの犠牲を払っているご家族と皆さんを愛する人たちに感謝したいと思います。簡単なことではないはずです。本当に素晴らしい方々です。米国は、皆さん全ての献身に深く感謝します。

皆さん見聞きしていらっしゃることと思いますが、本国では成果が上がり始めています。株式市場は史上最高値をつけました。米国の失業率は17年ぶりの低水準です。私にとって特別な日、(昨年の)11月8日の大統領選挙の日以来、ほぼ200万の雇用が新たに創出されました。200万の雇用です。非常にたくさんの仕事が生まれました。

そして我々はISISに次から次へと容赦なく敗北を味わせてきました。そろそろその時が近づいています。空軍兵士や海兵隊員に会うと、大変奮い立たされます。ここに偉大な海兵隊員がいます。星を4つ付けたケリー大将です。ケリー大将について聞いた人はいますか。ケリー大将はどこですか。彼も立派な人物です。現在は大統領首席補佐官を務めていますが、星を4つ付けた大将であることを忘れてはいません。そのことを言いたかったのです。

しかし、今日ここにいる米空軍、海兵隊、日本の自衛隊の皆さんは、互いに協力し合い、自信を持ち、熱心に任務に取り組み、かつてないほど有能です。皆さんは我々の同盟諸国に自信を植え付け、我々の敵の恐怖心を引き起こします。それがあるべき姿ですよね?

我々の同盟は自由が持つ変革の力の証です。今日、かつて戦争をした国同士が団結し、友人としてまたパートナーとしてより良い世界を追求しています。そして、それはもう目前に迫っています。あなたが思うよりも早く実現するでしょう。

今日皆さんは並んで立ち、平和を願う全ての魂に希望を注いでいます。皆さん全員が横田基地を日本屈指の、いえ、実際には世界屈指の能力を有する戦略基地にしたのです。この10年間、この素晴らしい基地は、米軍兵士だけでなく航空自衛隊の航空総隊司令部の本拠地となってきました。今日、この基地は日米の司令官が任務を計画するための調整を行う中枢として機能しています。

およそ60年間にわたり、この基地でみられる安全保障同盟は続いてきました。これこそ日米両国の、この地域の、そしてもちろん全世界の主権、安全、繁栄の土台です。今日、我々は、皆さんが日々守り育てているこの伝統に敬意を表します。

我々は空、海、陸、そして宇宙でも優位に立っています。それは単に我々が最高の装備を有しているからではありません。実際にそうではあります。予算を見れば分かりますが、これからも多く導入されます。今までとは違います。多くの素晴らしい最新の装備品が導入されます。アメリカで作るものは誰もまねすることはできません。誰もです。導入される装備品をうまく活用してください。

しかし、装備より重要なのは人材で、我々は最高の人材に恵まれています。皆さん一人ひとりが兵士の信条を体現しています。皆さんの献身、優れた能力、そして知識により、皆さんは世界の歴史上最も恐れるべき戦闘部隊となっています。

同盟諸国と手を携え、米軍兵士は比類なきさまざまな能力を用いて、米国を守る準備ができています。いかなる者も、すなわちいかなる独裁者も、政権も、国家も、米国の決意を侮るべきではありません。かつて時々、米国を甘く見た者もいました。それは彼らにとっていい結果にはなりませんでしたよね? 決していいことはありませんでした。

我々は米国の国民、自由、そして偉大な国旗を守るために決して屈しませんし、決してぶれません。そして決してためらうことはありません。国旗は我々の共和国の価値観、国民の歴史、我々の英雄たちの払った犠牲、そして我々の愛する国家への忠誠を象徴しています。

私が大統領でいる限り、国を守る兵士たちには、母国を守るために、迅速かつ圧倒的に敵に対応するために、必要なときには戦い、打ち負かし、そして常に勝利するために必要な設備、資源、資金を提供します。常に勝利する、そうですよね? これは、平和と正義のために戦う世界最強の米軍の伝統です。

自由な国は強くなくてはなりません。ヨーロッパからアジアに至る米国の同盟国が力を通じた平和への決意を新たにすることを、我々は歓迎します。我々は世界の国々の平和と安定を追求します。もちろんこの地域の国々もそうです。ここは素晴らしい地域です。

今月、米国では退役軍人の日を祝いますが、我々は平和と安定を実現するために犠牲を払った全ての人々に敬意を払います。制服を身につけ国のために働いた全ての誇り高き米国人に敬意を表します。

今日、インド太平洋地域の多くの国々が繁栄しています。それは米軍兵士と同盟諸国の犠牲、また皆さんが日々払っている犠牲の上に成り立っています。

ここ日本では、国民が自由で独立しているからこそ成し遂げられる素晴らしい出来事を目にしてきました。日本国民は、一代にして世界有数の成功した社会と国を築き上げたのです。

これから10日間で、私たちは韓国、中国、ベトナム、フィリピンを訪れます。新たな協力と貿易の機会を模索し、自由で開かれたインド太平洋地域を実現するため友好国や同盟国と連携します。そして自由で公平かつ互恵的な貿易を目指します。

しかし、この未来を手にすることができるのは、皆さんのおかげです。皆さんのおかげで、平和を愛する国が発展し、平和を愛する人々が繁栄できるのです。

皆さんがいるからこそ、私が訪れる全ての場所で、偉大なアメリカの国旗が私の後ろで誇らしく立つことができるのです。国旗を見るたびに、私は皆さんのような勇敢な方々を思い出すでしょう。そして、国を守るために血と汗と涙を流し、希望と夢を注いだあらゆる世代の米国の愛国者たちを思い出すでしょう。

今後10日間にインド太平洋地域の各国を訪問する私たちの様子を見て、米国や日本など自由な主権国家の国旗が外交会議で掲げられるのを目にしたら、自分の国に、自分の任務に、また皆さんが安全をもたらしたことにより、こうしたことが全て可能になったことに誇りを持ってください。

皆さんの前任者たちもそうだったように、皆さんのような勇敢な兵士は米国、日本、そして世界中の全ての国の人々の夢への脅威に対する最後のとりでです。

皆さんは、自由と調和の中で生きたいと望む人々にとって最大の希望です。また罪のない人を食い物にしようとする暴君や独裁者にとって最大の脅威です。

暴君の歩む道は貧困、苦しみ、服従への確実な歩みだと、歴史は繰り返し証明しています。一方、自らの価値観と未来を信じる強い国と自由な国民の歩む道は、繁栄と平和へ続くことが証明されています。我々は自らの文化を大切にし、価値観を受け入れ、信じることのために常に戦うのです。

米国民も、日本国民も、そして自由を愛する全ての人々が、皆さんのおかげで運命を全うし、夢を追い求めることができるのです。我々は皆さんのような勇敢な兵士の任務を可能にするために、ご家族が払っている犠牲と支援にも感謝しています。また、この基地を運営し、米軍兵士とその愛する人たちの世話をするために犠牲を払っている献身的な民間人の方々にも感謝します。

我々は決して、皆さんの奉仕と犠牲に対して感謝を忘れることはありません。皆さんから受けたご恩は永遠に忘れません。今日、ここで皆さんとご一緒できて誇りに思います。我々は多くの課題に直面していますが、機会もたくさんあります。そして我々はチームとして共にこれら全てに取り組んでいきます。そうすれば、米国の、日本の、そして大切な米国の同盟諸国の未来は、この上なく明るいものになります。皆さんのような愛国者のおかげで、自由は勝利するのです。

ありがとう。皆さんに神のご加護がありますように。米軍に神のご加護がありますように。米国に神のご加護がありますように。ありがとう。ありがとう。ありがとう。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授
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