自分はいつからお金が好きになったんだろう。
久しぶりに飲み会に行ってお金の話ばかりして、なんだか帰りの電車の中で自己嫌悪に陥った。自分はいつからお金が好きになったんだろう。会社員でプログラマをしていたときは、本当にお金に興味がなかった。社内面談でも面倒くさいし、自分の評価とかどうでもいいし、給料なんか上げなくていいから、面白い仕事がしたいと心から思った。
離婚して、嫁から慰謝料が入って、そのあと、起業して、20代サラリーマンプログラマでは得られないようなお金をちょっともらって、少しおかしくなった。しかし、残念なことに、普通の男性は女や車や家にお金をつぎ込むのかもしれないけど、僕自身はお金を得ても使いたいことはなかった。お金を使うことよりも税金のほうが心配だった。思い切ってデジカメを買おうとか、新しいノートパソコンはCPUを最強にしてメモリをいっぱい詰めようというのが、自分が思いつく最強のぜいたくだった。
20代後半から30代前半、離婚で人間不信だったのでお金しか信じるものがないと思ったこともあった。海外を放浪していて、フラフラしている日本人に近寄ってくるのは、結局お金目当てだったことも多かった。起業したあと、いろいろ寄ってくる人もピンハネ人貸し業者ばっかりだった。それで人間不信になって、お金しか信じるモノが無かったという時期があったのも事実だ。信じるモノがないので、死にたいって毎日思ってた。
やっぱり、プログラムを書いたりするのが好きな人種は、なにかを消費するより、自分で何かを作ったり、または作ったものを、誰かに使ってもらったりすることのほうがずっとずっとうれしい。しかし、悲しいことに、経済社会に生きている人間である以上、貯金通帳の数字が増えていくと自分がすごいように思う。ダイレクトにデジタルな数字なので自分の評価と思ってしまう。ドラゴンボールに出てくる戦闘力のようなものだ。貯金通帳の数字が自分の戦闘力のように思う。それは人から見ても割とどうでもいいものなのに、自分がすごいように思う(自分の貯金は大した金額ではないけど)。逆にお金が減っていくと自分がクズ人間のように思う。お金はよくない。よくわからない煩悩にやられてしまう。社会的価値と文化的価値と経済的価値は違うし、それが人の能力とも何も関係ない。それなのに、貯金通帳のお金が増えると自分に価値があると錯覚する。
自分個人は特にほしいものは特にない。パソコンとスマホと食べるもの(業務スーパーレベル)があれば、ぼく個人はある程度は満たされると思う(家族は別)。しかし、お金を使わない性格なのに、お金に執着している部分が非常にある。お酒を飲むとそういう部分が非常に出てくるし、酒が抜けると、そういう自分に対して、非常に嫌悪感を抱く。痛烈な嫌悪感だ。たいして、カネもってないのにカネに執着しているのがやだ。
貯金通帳の中の数字はだれも幸せにしないし、だれもニコニコさせない。そういうことを早く自覚しないといけない。そんな数字はだれも評価しない。何かを作って社会や文化に働きかける人間でないと誰も評価しない。
本当は、人は教育を受けた限り、それを世の中のために使うべきだと思う。先人の大いなる努力の賜物の肩に乗っているに過ぎない。お金とか自分の欲望に振り分けるのはよくない。働くことは世のため人のためであることは常に頭に置いておくべきだ。
社会生活の改善と向上を図り世界文化の進展に寄与せんことを期すことを忘れず、日々謙虚に生きていくことを忘れてしまっているような気がしてならない。
ツライ。寝よう。
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