アメリカが中国に対して抱える貿易赤字は、３４７０億ドル、およそ４０兆円に上り、貿易赤字全体の半分近くを占めています。

トランプ大統領は、中国について、「中国がＷＴＯ＝世界貿易機関に加盟して以来、アメリカでは７万か所の工場が閉鎖になった」などと述べ、アメリカの雇用が奪われたと批判してきました。

このため、中国から輸入される安い鉄鋼やアルミニウムについては、通商拡大法２３２条に基づいて安全保障への脅威を理由に関税を引き上げる、異例の輸入制限措置の検討を続けけん制しています。

また、中国による知的財産の侵害をめぐる問題では関税引き上げなどの制裁措置を一方的に発動できる通商法３０１条に基づく調査を始めています。

トランプ大統領は、アジア歴訪を前にした１日、中国に対する貿易赤字について、「その額は最悪となっている。ひどい数字で、口にすることも恥ずかしい。ひどいレベルにある」と述べ、中国に貿易不均衡の解消を求める考えを示しました。

これに対して中国は、実際に制裁措置が発動された場合、対抗措置を辞さない姿勢を示していて、貿易摩擦が激しくなることが懸念されています。

ただ、トランプ大統領は、核・ミサイル開発を加速させる、北朝鮮の問題への中国の協力姿勢を見極める考えを示していて、習近平国家主席との首脳会談にどれだけ厳しい姿勢で臨むのかが焦点です。