統合失調症は障害状態をもたらす精神疾患の中で頻度が高く、多くの場合思春期前後に発症する疾患である。幻覚などの知覚障害、妄想や思考伝播などの思考の障害、感情の鈍麻などの感情の障害、無関心などの意志の障害、興奮や昏迷などの精神運動性の障害などが見られる。意識の障害、知能の障害は通常見られない。急激に発症するものから、緩徐な発症のために発病の時期が不明確なものまである。経過も変化に富み、慢性化しない経過をとる場合もあり、障害状態も変化することがある。しかしながら、統合失調症の障害は外見や行動や固定的な一場面だけからでは捉えられないことも多く、障害状態の判断は主観症状や多様な生活場面を考慮して注意深く行う必要がある。 |