ホイチョイ・プロダクションズの指南役さんのTweetを見て考えた。
というのも以前地方に出張した際、まったく同じことを思ったからだ。以下はこの問いに対する自分なりの考察である。
地方では中学校のヒエラルキーが継続する
バブル崩壊以降、失われた20年を経て地方には仕事がなくなった。
●地域別・産業ごとの労働生産性
グラフは産業ごとの労働生産性を表したものだが青い棒線が三大都市圏であり、農林水産と建設業以外は人口に少なくなるのに比例して規模がか細くなっていく。(出典:財務省2015)
首都圏・中京圏・近畿圏以外はとにかく仕事が無い。もちろん、飲食・介護・建設土木・観光業に関しては存在するわけだが、いわゆる都心エリートがやるような経営企画・開発・コンサル・広告・メディアのような仕事はほとんどなく、電機メーカーや自動車メーカーの現地採用に関しても安定職として競争倍率は高く、給料は低い。(しかもSHARPやPanasonicのようにもはや現地採用は安定職ではなくなっている)
地方で学歴エリートがついてペイする職業とは、市役所や県庁、地方銀行・地方紙、ローカル局などに限定されていくわけだ。ただこれは実数としてかなり少ない。地方都市のキャバクラなどに行ってみて話すと大体は地元の建設関係や不動産関係の社長が大口顧客であり、彼らは学歴エリートではなく、結論、地方では秀才エリートの居場所はあまりなく、存在感もほとんどないわけだ。
これとまさに相似形なのが地方の公立中学である。勉強のできる優等生の居場所、存在感はほとんどない。幅を聞かせているのは先生に目をつけれられながら「ワル」をやっているヤンキーたちである。マイルドヤンキーのアルファメイルなので「ワルファ」と呼ぼう。彼らの世界の支配律を的確に描いた名エントリを以下にご紹介する。
地方では、「高学歴の世界」の住人の密度が薄いので、地元国立大の附属小学校に行けるとかの特別な例外を除いては「低学歴の世界」に混じり込まなければいけません。そして、その「低学歴の世界」とうまく付き合えなかった多くの「高学歴の世界」の子弟は、いじめと言う名の社会的制裁を受け、あるいは高学歴の世界の住人としての努力を継続することができなくなってしまいます。結果、少なくとも学力とかを通じては「高学歴の世界」に復帰できなくなります。お父さんが一橋出てる高級サラリーマンなのに娘が皆謎の地元短大卒とか東大出てる高給サラリーマンなのに息子が高卒ニートとかよくあります。もちろん、その子どもたちの価値観は、「低学歴の世界」のそれです。
−常夏島日記「地方都市で、低学歴と高学歴の世界が交わるとき」から引用
地方都市では、大都市圏に存在する「高学歴だからドヤ顔できる」というルールは存在せず、ワルファを頂点としたヒエラルキーが中学以降そのまま継続するのだ。
ちなみに、大都市では社会人になった後、仕事や社会的地位によってヒエラルキーに変化が起こる。中学高校でモテていた男でも勉強をサボって大学受験・就職活動をうまく乗り越えられなかったりすると、25をすぎるとモテなくなってくる。
地方では人材の流動性が低くソーシャルネットワークが固定化されるため、一度ボスになると下克上が起こらない限り、その地位を脅かされることも少ない。中学の時、パシリにされてたやつは、ずっとパシリなのである。パシリにとっては最悪な環境である一方、ワルファにとっては非常に居心地のいい社会構造である。そしてこのヒエラルキーは「モテ」にそのまま影響を与え、地方社会の人口構造を形成しているのである。以下はあらゆる一夫一妻制の社会に適用できる男女の夫婦形成を予測する計量経済学モデルである。
10人の男と10人の女がいたとする。
まず、いちばんもてる男に、女が3人くらい寄っていく。
2番目にもてる男も、負けじと2人くらい持っていく。
したがって3番目の男は、6番目の女と一緒になる。
以下、4番目の男は7番目の女と、
5番は8番と、6番は9番とカップルになる。
しかし、残る7番目以降の男にもプライドだけはあるので、
最後に余った10番目の女など誰も相手にしようとしない。
さて、上位の女を独占したNo.1&2のモテ男も、最終的には
一人を選ばねばならないから、ここで3人の女があぶれる。
でも、すでにモテ男と付き合った経験のあるこの3人の女は、
いまさら下位の男と一緒になろうなどとは考えない。
こうして、互いに性質の異なる独身男と独身女が残る。
男 女
1 ○ ○
2 ○ ×
3 ○ ×
4 ○ ○
5 ○ ×
6 ○ ○
7 × ○
8 × ○
9 × ○
10 × ×
以上、2chからの引用
これに従うと、男というのはヒエラルキーの上から順に、魅力的な女性とつがいになっていく。そしてヒエラルキーの下位は残念ながら子孫すら残せない。また女性はヒエラルキー上位でも競争に負けてしまうと結ばれなくなってしまうのだ。
大都市では、30歳前後のモテヒエラルキーが適用された結果、「有名企業の仕事のできそうな男」が最も婚活市場ではモテている。一方、地方では、中学のモテヒエラルキーが持続している。この結果、ワルファたちがモテ上位の女性たちとペアとなり子孫をつくることとなる。都会のヒエラルキー上位層に比べワルファたちは所得も家柄も特段よくはないので子どもたちに対しては環境や教育に投資できない。むしろ傾向的に、よいパパや旦那ではなく外で遊び歩いたり、家にカネを入れずに離婚してしまうワルファも多い。その結果、ワルファと地方美人の遺伝子を引き継いだ息子・娘は地方経済の中でも時給の高くない場所で小遣い稼ぎをしているわけだ。大都市では外国人留学生が働いているようなコンビニ・ファストフード・居酒屋などに、日本人の美少女が働いていたりするわけである。
指南役さんの疑問に対する私の考察は以上である。
ただせっかく考察したので、これをベースにして大都市に男子が地方美女を一本釣りする戦略を描いてみよう。
【おまけ】ワルファから美女たちを奪え!
ここに地方恋愛戦略に関して非常に参考になるエントリがある。
都道府県別に18歳から39歳までの男女の人口比を見てみると鹿児島が女性100人に対して男性が91.14人となっており、さらに奈良、長崎の順で男性が少ない地域となる。もう少し全体を見渡してみると九州や関西、北海道において相対的に女性が多く、関東や東北、中部では男性が多い。どうやら女性の割合は北海道を除き西高東低の傾向があると言えそうだ。(略)個人的な経験で恐縮だが、僕が札幌に住んでいた時は、恋愛工学を実践するまでもなく確かに女性からの引き合いが相対的に強かった。これは僕の魅力どうこうよりもやはり男性が少ないという外部要因が働いていたように思う。
−つかさの自由帳『男なら西を目指せ(札幌でも可)~恋愛地理学のススメ~』
ここにもあるようにそもそも人数比として地方都市は明らかに女性過剰となっている。これはワルファ以外の男性の多くが地元に残っても色んな意味で美味しくないので大都市圏に行ってしまうことから起こっている状況だ。
つかさ氏の抽出によるとそれが顕著な地方都市として鹿児島市・松山市・福岡市・神戸市・札幌市・熊本市・広島市というのが上げられている。彼ら彼女らを一本釣りするノウハウに関しては今後、「恋愛サロン」や「週刊恋愛サロン」の方でプロジェクト化し検証していきたいと考えている。
具体的には考察で考えられるような地方都市の美女にどのようにアプローチし、どのようなプロトコルを使用して恋愛関係や婚姻関係を築いていくかの方法論になっていくと思われるので、乞うご期待。