「会計力」こそ会社人生に必要不可欠な能力だ

冨山和彦氏から学生・社会人への大胆直言

冨山和彦氏は企業経営でも会計力の重要性が増していると指摘する(撮影:梅谷秀司)
企業間競争は激しさを増し、イノベーションも相次ぎ起きている。そうした中、企業経営の中で会計的リテラシーが果たすべき役割は重要性を増すばかりだ。企業再生のプロである経営共創基盤(IGPI)の冨山和彦CEOは、会計数字は、企業経営の基盤であると同時に、経営の意思を現場へ浸透させるために最も客観的かつ非常に普遍的な言語だ、と位置づける。
では学生やビジネスパーソンが、そうした会計的リテラシーを身に付けるには、どうすればいいのか。『会社四季報から始める企業分析 最強の会計力』(東洋経済新報社)にも登場する冨山和彦氏に、そのノウハウを解説してもらった。

バイトや模擬店で儲けを経験してみる

11月10日(金)発売の『会社四季報から始める企業分析 最強の会計力』では、冨山和彦CEOが具体的な経営指標の活用方法なども解説している。会計的リテラシーを身に付けて、会計に対する苦手意識を払拭していただきたい(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

――決算書には企業小説を書けるくらいの内容が書かれているといわれます。たとえば、私が学生だとして、簿記の資格を得ました。さあ、就職活動を始めようと思いますが、決算書からストーリーを考えるきっかけにすべきことを教えてください。

1つはバイトがいい。アルバイト。外食企業でアルバイトして、ちゃんと観察すると、いろいろなことが見えてくる。材料原価に経費や付加価値を積み上げたものが、たとえば、すかいらーくの損益計算書になる。そこで「この店舗の売上高はこれだけ。テーブルサービスをするために、これだけ人間がいる。実はレストランは不動産の値段が高いので、確かに食材原価を30%くらいに抑えないと利益は出ないな」とわかる。

文化祭の模擬店も悪くない。すごく売れても、値付けを間違えると、意外と儲からなかったりする。繁盛したけど、結局、おカネが残らないことがあるでしょ。その瞬間ごとに損益計算書と貸借対照表が存在している。そこで経理担当をやっていると、「ああ、商売って、こういうふうになっているんだな」とわかる。ほかにも、売れて材料が足りなくなったので、あわてて無理して仕入れたら、そこから後は全然儲からなかったりする。限界費用が上がっちゃうから。

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  • NO NAMEf89683510c2e
    原発野郎こと元東芝社長の佐々木則夫は、早稲田理工学部卒の原発配管工で、会計もなにもわからなかった。そもそも、国策企業と称して税金に頼っている企業には、会計の知識などあっても使いようがない、佐々木なんて、税金由来の経費で、銀座で遊んだりムダな買収をしまくって東芝を食い潰しただけ。
    up6
    down1
    2017/11/9 08:22
  • NO NAME520ba80228f1
    日本の貸借対照表を始めて作ったと自称している高橋洋一は、統合政府で借金は存在しない的な能書き垂れてますが、冨山氏も同感なのだろうか?

    日本のインテリは、日々金利が変動する理屈も知らない人が多くて驚愕です。
    up3
    down1
    2017/11/9 08:40
  • MQF99fa7cb20d5cf
    昔々、三洋電機という会社があったとさ。そんで、財務会計偏重で会社がダメになりましたとさ。

    創業から数十年は株価が上がらずに「しかたなく無借金経営をするしかないんですワ」(井植薫)という経営でしたとさ。

    だ~がしかし、創業者の長男が財務会計偏重の経営にシフトし、それまでは作りたくても出来なかった、一兆四千億円もの有利子負債を積み上げてしまい、会社は解体されてしまったとさ。

    キヤノンの有利子負債を激減させた御手洗氏の方が人間的には評判悪かったんだけど、キヤノンはまだ存続してるんだとさ。

    up0
    down0
    2017/11/9 12:51
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