価格への不満は徐々に減るから無視していい
InkdropというMarkdownエディタアプリを一人で開発しています。最近、月の売上が15万円を超えました。早くフリーランス辞めたい。
正式リリースから1年が経ち、沢山のフィードバックを経てアプリはかなり進化を遂げました。そのフィードバックの中には価格への不満も沢山ありました。でも1年やって気付いたことは、その不満の声が徐々に減ってきているという事です。これは重要な気付きだと思ったのでシェアしたいと思います。
概要
- 完成形を想像して値段をつける
- ユーザは常に現時点のモノを見て価値を判断する
- 自分と同じ金銭感覚の人だけを相手にする
- サービスにお金を払う感覚を身につける
完成形を想像して値段をつける
価格については過去にも何度かブログに書きました。それを要約すれば、継続性を最優先にする事と、市場価格を無視して自分を基準にして決めるという事です。一度決めた価格を後で値上げすると確実に大ブーイングが起きるので、慎重に決めなければなりません。
インターネットのサービスは家電製品などとは違い、リリース後も徐々にアップデートしていく性質を持っています。つまり、時間が経つほどサービスの価値は上がっていくという事です。でも、価格は最初のリリース時に決めなければなりません。そのリリース時点での評価で値付けをするのは間違いです。自分はこのサービスを今後もっと良くしていく。その完成像が形になった時の価値で値付けをするべきです。
ユーザは常に現時点のモノを見て価値を判断する
この完成像で値付けをするのはとても勇気が要ります。本当にそこまでサービスの価値を高められる確証はありません。加えて、ユーザは常に「現時点のモノ」で価格が高いかどうかを見定めます。伸びしろや将来性を見据える人もいますが、ごく少数です。そうすると、どうしても最初は価格が高いと感じる人が多くなります。
リリース当初は結構頻繁に方々から批判を受けました。それで値段を下げようかと気持ちが揺らぐことも多々ありました。それを乗り越えるためには、自分のアプリを信じるほかありません。このアプリは値段以上にユーザの生産性を向上させる価値がある、と。
自分と同じ金銭感覚の人だけを相手にする
先日、ブログに対照的なコメントが付きました。それがこちらです:
1つ目は「高すぎる」で、2つ目は「充分な価値がある」と言ってくださっています。後者のようにわざわざ価格が妥当だよと言ってくださるケースはかなり貴重なので、象徴的な出来事です。
これが示唆するのは、色んな価値観がある中で自分と同じ金銭感覚の人は必ず現れるという事です。だから提供価値を信じて突き進めば良いのです。
価格を安くしろという人は、決まって「他はもっと安いぞ」という理由を判を押したように付け加えます。逆に言えばそれぐらいしか理由が無いという事です。そして市場価格が安いのではなく、単に安いサービスを引き合いに出しているだけだという事に気付くべきでしょう。仕事道具にお金を惜しむ人は、安いサービスしか眼中に無いからです。だから、安売りの要求とは過当競争への誘惑であり、耳を貸す必要は全くありません。
つまり、安いものしか使わない人はただ単にターゲットではないというだけの話です。
サービスにお金を払う感覚を身につける
もし自分も仕事道具にお金をケチるタイプだったら、今ごろは批判に説得されて値段を下げているでしょう。価格を維持できる論理を自分の中に持ち合わせていないからです。だから、自作サービスでお金を稼ぎたいのなら、同じように世の中にある良いサービスに普段からお金を払うことが大事です。それが自分の中に「継続性がある、納得できる」価格の基準を作り上げます。
そして一度価格を決めたら、安売りの誘惑に負けずそれに見合う価値が提供できるようにサービスの改善を続けるだけです。そうすれば不満の声はいつのまにか小さくなっています。最初は不安になりますが、心配しなくても大丈夫です。結局は全て自分次第です。
Inkdropは2ヶ月の試用期間があります。最近ではこちらのユーザさんのように、ユーザ登録してすぐさま購入してくださる方もちらほら現れ始めました。一年前にはありえなかったことです。感動。信じて続けましょう。