通達で暗転、中国・ビットコイン取引所の嘆き

日本とは真逆、宴に取り残された幹部が告白

中国では突然の規制、ビットコインはどこに向かうのか(写真:中国の複数の仮想通貨取引所が協力して製作したドキュメンタリー映画『比特币-塑造未来(ビットコイン―未来を作る)』(4月公開)から引用)

「普通の国なら政府を訴えているところですよ」。中国仮想通貨取引所の幹部はそう嘆いた。

ビットコインをはじめとする仮想通貨価格が急騰している。ビットコインの価格は年初の998ドルから7377ドルと7倍もの値上がりを記録している(11月5日、BLOCKCHAIN調べ)。その原動力となっているのが日本人だ。今年4月の改正資金決済法で、仮想通貨が「合法化」されたことで、一気に投資マネーが流入した。

バブルまで懸念される、日本の「仮想通貨の宴(うたげ)」に嫉妬しているのが中国の仮想通貨取引所関係者だ。もともと日本よりはるかに先行していた彼らだが、当局の規制に翻弄され、ついには10月31日をもって仮想通貨取引業務の禁止を余儀なくされた。中国仮想通貨取引所の現状と今後を知るべく、筆者は中国広東省にある中国仮想通貨取引所を訪ねた。

4年前に第1次ブーム

取材に応じたのは従業員60人の中堅取引所だ。2013年6月にブロックチェーン技術に関する情報サイトとしてスタート、同年8月に仮想通貨取引業務を開始した。2017年に入りビットコインの価格が急騰、ユーザー数が一気に増加し、追い風が吹いてきたところだったが、突然の規制で状況は一変してしまった。

取引所幹部のW氏は、匿名を条件に静かに語り始めた。

「2012年に北京市中関村に中国初のビットコイン取引所が成立した。その後、無数の取引所が相次いで誕生した。この第1次ブームは2013年末まで続く。転機となったのが当局の規制だ」

2013年12月6日、中央銀行、工業情報化部、中国銀行業監督管理委員会、中国証券監督管理委員会、中国保険監督管理委員会は合同で「ビットコインリスクの防止に関する通達」を発表する。仮想通貨を通貨として認めた日本とは真逆に、「特定のバーチャル商品であり、通貨と同等の法的地位はない」と定義。金融業の仮想通貨業務参入禁止、取引所の登録制、マネーロンダリング防止措置の導入などが盛り込まれた。

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  • NO NAME146b9621da68
    チャイナはbtcの取引はコントロールしたい。
    でも、自分たちが利権と市場の大半を握ってるマイニング事業は維持したい。

    取引所を完全に閉鎖したらマイナーが困るから結局その辺で中途半端な締め付けをしてる。

    ま、わかりやすいダブルスタンダードやな。
    up5
    down1
    2017/11/9 06:35
  • NO NAME5423e687c818
    「チャイナリスク」の問題でしょ? 元をドルに換えて国外逃亡を図ることが、上から下まで中国人の願いであるわけだから、仮想通貨なんか一番ヤバイでしょ。早晩、中国共産党が取り締まるのは目に見えていたはず。

    それでも、一時は儲かったわけだから、それで良しとすべきです。
    up5
    down3
    2017/11/9 06:18
  • NO NAMEe3602c573c3b
    自由貿易の国ではないのだから当然の事です。
    人民元は現在でも殆ど海外に持ち出せないよう厳しく規制されているはずです。
    仮想通貨だけが例外になるはずが無いでしょう。
    まともな中国人民経営者ならお達しが出たら即会社畳んで利益持ち逃げでトンズラするでしょうね。
    up2
    down1
    2017/11/9 09:10
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