組長の妻、はじめます。: 女ギャング亜弓姐さんの超ワル人生懺悔録 [活字中毒のトモ]
組長の妻、はじめます。: 女ギャング亜弓姐さんの超ワル人生懺悔録
- 作者: 廣末 登
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2017/09/15
- メディア: 単行本
東洋経済 ONLINE の こちらの記事 を読んで、なんだかおもしろそうだと思い、購入しました。
ですが、読み進めるうちに、何か違和感を覚えました。
これ、そんなにいい話か?どうやら私は記事という名の宣伝に騙されたようです。
この本を書いたのは、廣末 登さん。犯罪社会学を専門とし、
青少年の健全な社会化をサポートする家族社会や地域社会の整備を中心テーマとして扱う、
大学非常勤講師だそうです。
大学の博士論文を書いている頃から、ヤクザの調査を始めて
人づてに色々なヤクザを紹介されていくうちに、
当時ヤクザをやめて堅気の仕事をしていた、元組長という男性を紹介されました。
それがこの本の主人公、朴 亜弓さん(仮名)のご主人だったそうです。
この本には、亜弓姐さんの半生がつづられていますが
なんというか、悪いことをする人は、そのことをあんまり悪いことだと思っていないことと
事実をどうやって捻じ曲げて正当性を保とうかを常に考えていることが
よく分かった本でした。
この本を読んでいる間の大半は、亜弓姐さんは自分の持っているシャブを
どうしたら警察に見つからずにうまく隠せるかとか、
どうしたら数分のうちに車を盗んで逃げおおせられるかとか
そんなことばっかり考えています。考えるとこ、そこ?人生疲れないかね?
それに、どの事件についても、非常に淡々と語られているのが印象的です。
大げさに語ればいいのかっていうと、そうではないと思いますが
ここまで悪いことをしている事実を、本にして、何が楽しいんだ?
あと、生まれた家によって、その後の人生って決まってしまうものだな
というのが、強く記憶に残る本でした。
亜弓姐さんの場合、父もヤクザ、大伯父もヤクザ。
従妹からもらうお下がりの制服がスケバン風・・・って、どんな家庭やねん。
それが「普通」になってしまう暮らしは想像がつかないというか
もし親を選べるのだったら、こんな両親のところに産まれようとはまず思わない環境です。
そんなわけで、最終的には姐さんは旦那さんのおかげで昔の仲間とも手を切って、
シャブもやめられたようなのですが、最後は更生してめでたしめでたし…とは思えない本です。
組長の妻、はじめます。: 女ギャング亜弓姐さんの超ワル人生懺悔録
- 作者: 廣末 登
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2017/09/15
- メディア: 単行本
タグ:ヤクザ 組長の妻、はじめます
2017-11-09 00:00
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