「左利き」として生まれてきた私が左利きの良いこと悪いことを今までの体験から掘り下げてみた
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私は基本的に書道以外は全て左利きです。書道については学校の授業で直されて右も使えるようになりましたが、今は筆文字も左で書いているので両利きでいけるようになりました。
左利きとして生まれてきた当人からしてみれば、左利きであることへの意識って多分あまりないと思うんです。もはや私も、左利きであることを人から指摘されない限りは、自分自身が左利きであることを忘れています。
しかし、育ち盛りのお子さんを持つ親御さんにとっては一考を要することなのかもしれないですね。
上に貼った記事は、私がはてなブログでこのカキタクナッタラをやっていた時から交流のある、そしてブログのサイトリニューアルもお手伝いさせて頂いたももふみさんが書いた記事です。お子さん左利きなんですって!
ももふみさん自身は右利きで、左利きに対しては「サウスポーかっこいい~♪」くらいの認識だったようですが、お子さんが園や学校に上がっていくにつれ、やはり利き腕の修正というのは話題に上ることもあるようで、否が応でも一考せざるを得なくなるようです。
左利きとしてずっと生きてきた私にとっては、わざわざ左利きから右利きに直すのは修正というよりも矯正、否、強制という感じもあるんですが、人様のお子さんに対して「左利きのままでいたほうがいい」とも「右利きにしなきゃダメだ」とも言えないので…
私は、自分自身が左利きとして生まれてきた事実を客観的に見つめて良かったことや悪かったことでも書いてみようかなと思いました。そのほうが結果として、同じく利き手の修正問題で悩んでいる方のとっかかりになりそうな情報を書けそうな気もしますしね…。
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目次 [表示]
左利きで良かったこと
内容を書き出す前に、数10分くらい考えをまとめてみたんですが、いかんせん自分が左利きである自覚が非常に薄れてきていたので、何がメリットで何がデメリットなのかもいまいち定かではないという…そもそも記事書けるのかよという状態なんですが…頑張って記事になるようにまとめていきます(笑)
スポーツにおいては有利だと感じた
私は子供の頃は一応それなりに筋金の入った野球少年だったつもりです(笑)
野球と言えば、わざわざ右利きなのに左打ちに直しているケースが散見されます。あのイチロー選手も、引退した松井秀樹選手も右利きだけど左打ちに直しています。
基本的には右投げの投手が多いわけですから、左打ちのほうがリリースポイント(ボールが手から離れる瞬間)も見やすく、また一塁ベースへの距離も僅かながら縮まるので内野安打が増えるという利点もあります。これは余談ですが、左打者のセーフティバントのみドラッグバントという別称まであります。
そして投手としても小さいうちは特に、左利きというのは重宝されがちです。基本的に右投げが多い中で打者は左投手の球筋に慣れていません。左投手が右打者の体をえぐるように投げる内角球をクロスファイヤーとも言いますが、これに価値を感じる人はけっこういます。これも余談ですが、左投手が投げるシンカーという変化球にはスクリューという別称があります。
そんな背景があったおかげで、私なんて単に左利きでしかないへっぽこな野球少年であったにも関わらず、なぜか期待されて早くからピッチング練習をさせられたり、打線の構成に左という要素が必要だということで早くから試合に出してもらえたという印象が今でもあります。
完全に脱線して野球ネタを熱く語ってしまったわけですが、野球以外のスポーツでも左利きは有利と見られることが多いです。打撃系の格闘技でもサウスポースタイルというのは決して多くないので、天然のサウスポーは重宝されますし…。
スポーツの世界においては、元来右利きの人がわざわざ左に直すことも多い中で、やはりナチュラルな左は非常に有利であると考えます。
左利きであることを拾われやすい
もはや私にとって最もメリットと感じていることはスポーツのくだりで出し尽くしてしまった感も否めませんが、左利きはよく初対面の人にそのことを拾われることが多いと思います。
「あれ?○○くん左利きなんだね!」
こんな感じです。
これをどう受け取るかはその人次第です。毎度毎度鬱陶しいと感じる人もいると思いますし、とにかく拾ってもらえるのは良いことだと思う人もいます。私は後者です。
左利きであることが幸いして、相手に自分のことを「じっくり見てもらえた」「視界に入った」「とっかかりを掴んでもらえた」といった何らかプレゼンスが出せたと、前向きに捉えるようにしています。
重ねて書きますが、これについては人それぞれ考え方は違うので、デメリットであると考える人もいると思います。私の場合、もっとも良くないことは「そもそも相手に自分の存在を覚えてもらえないこと」だと思うので、左利きであることが野球のようにたった数十センチでも右バッターボックスよりも「まずは覚えていただく」という一塁ベースに近いのなら、それはそれで良いことだと思うのです。
絵に味は出るのかもしれない
先に挙げたスポーツにしてもこのように言われていますが、左利きは右脳が優れているから直感力や音楽・芸術、そして数学などに優れていると言われたりすることがあります。
これはあくまでも個人的な見解ですが、左利きの私にとっては別にそういうのはあんまりないと思っています。右利きだろうが左利きだろうが出来る人は出来るし、出来ない人は出来ない、多くの事象は何しろ本人の努力次第でどうとでもなることばかりだと思っています。
ただ、例えば絵を描く時、筆の右持ちと左持ちとでは本質的に線の入れ方や角度は変わります。右利きが基準の筆順通りに描こうとすれば、もちろん左利きでもその通り描くことはできますが、筆圧には違いが生じると思います。
もし、そういった微細な違いが…違和感が…「味」と捉えられるのならば、左利きが描いた絵のほうが味は出るのかもしれませんね。
学校で習う「習字」や「書道」は、如何に見本へと近づけられるか?の勝負だと思うので、やはり左利きは不利だと思うんです。しかも左のまま書いたら、手を浮かして書かない限りは墨汁がタップリ手のひらについて、小指球のあたりが真っ黒になってしまいますしね…^^;
でも美術の時間ってそういう「型式」みたいな感覚が書道に比べればだいぶ薄く、結果オーライで描いたもの自体を評価されることのほうが多いですから、こういった背景も踏まえると…絵との親和性はまあまあ高いんじゃないかなって思ってます。
マウスを動かしながらメモがとれる
これはマウスの設定次第でどうとでもなることなんですが、一般的にはマウスは右手で使うと思います。右利きの人は書くのも右手。PCの画面を見ながら何かを書く時って、けっこうPC作業の手が止まっていることが散見されます。
左利きだとこのような状況で両手をロスなく使えるので、例えばマウスでゆっくり画面をスクロールさせながら同時にメモをとったりすることも可能です。
最初にも書きましたが、これはマウスの設定次第で何とでもなることで…私の知っている人の中にはけっこうマウスを左手で使っている右利きの人もいます。しかし、多くの方はマウスをデフォルト設定のまま右手で使うと思うので、地味にこの二刀流は出来ない人が多いのではないかと思いますm(_ _)m
左利きで良くなかったこと
改めて、こうやって自分が左利きであることを認識し良いこと・悪いことをまとめようとしてみた結果、私自身にとっては左利きであることがトータルでメリットの方が大きかったという確信を得ることができました。
ここからは左利きで良くなかったことを挙げていきますが、じっくり吟味しても大してデメリットはないと思ったので…。
黒板・ホワイトボードがつらい
横書きの文字は左から右に書いていきますから、左利きだとしっかり手のひらが板に付着しないように浮かせて書かないと、書道の時と同じように小指球が真っ黒や真っ白に汚れてしまいます。
特ホワイトボードが問題で、自分の手のひらが汚れるだけならまだしも、書き方に気をつけないと自分の手のひらが前の文字を擦って消してしまうことになります。
これを意識しすぎる結果、私はグリップがしっかり固定できなくて書く文字がフニャフニャしていると言い訳しておきます(練習次第でどうとでも克服できるものです)
ハサミより包丁が大変かもしれない
普通の包丁は全く問題ないです。
左利きはよくハサミが~と言われますが、私は右利き専用のハサミと出会ったことがありません。普通に100均とかで売ってるハサミって刃の向きとか特にないですよね??
ハサミよりも包丁が大変だと私は思いました。最初に書いた通り、普通の1,000円くらいの包丁なら問題ないのですが、飲食店でバイトしてた頃に板前さんが使うような包丁を握ったんですよ。そうしたら刃が完全に片一方だけのもので左手では全く切れませんでした。
この経験を経て私が思った頃は、板前さんとか和食の職人さんってサウスポーはなれるのだろうか?ということです。書道のように型式が大事な世界ですから、道具がその人に合わせるのではなく、その人が道具に合わせる必要があるものだと私は勝手に思っています。
これはけっこう大きな問題で、私も小学校5年生くらいの頃に中居くん主演の味いちもんめに影響されて、一瞬だけ板前さんになりたいと思ったことがありましたが、あの包丁じゃ何も切れない(笑)
ゴルフが難しい
野球のくだりでさんざん左利きは有利だと書きましたがゴルフは別でした。
いや、道具さえきちんと左利き用のものが手元にあれば全く問題ないんですが、私の高校では体育の授業でゴルフがあったんですよ。当然、ゴルフクラブとかも学校のを使うんですが…左利き用がひとつもないの(笑)
それまでずっと野球を左打ちでやってきた人間がいきなり右打ちをしろと言われても、とにかく何も当たらなくてゴルフのように止まっている球相手ですらスカスカと空振りばかりする始末…。
それ以来、私はゴルフがあんまり好きじゃないので大人になってからも全然やらないのですが(だからあんまり詳しくもないのですが)そもそも、国内だと左利き用のゴルフクラブってあんまりないみたいですね。右打ちに直す人も多いそうです。
ゴルフはレフティ不利!(笑)
ギターにおいては絶対に不利という言い訳をしたい
これはネタとして…(笑)
正直な話をするとギターは利き手関係なく努力ができるかどうかに尽きると思います。私はただ単に努力と根性が足りなかったからギターが下手っぴなんですが(;・∀・)
ジミー・ヘンドリックスという「天才」と称されているギタリストがいました。他にも「六本弦の化物」や「神様」とも称されている人なんですが、この人の奏法はストラトキャスターを左右逆さまにする左利き用のスタイルだったんです(文字は右で書いてたらしいですが)
青春時代だったあの頃の私、GLAYやラルクという偉大な人気バンドの影響もあり、「ギターをやってモテモテプリンになるんじゃあ!」と意気込み、お金を貯めてギターを買いに行きました。
楽器屋さんの店員さんにウキウキしながら「左利き用のギターが欲しいんですが…」と尋ねたところ、店員さんからはバッサリ一言「ジミヘンじゃあるまいしそんなの売ってないし、売っててもキミみたいに若い子が買える値段ではないよ」
マズいじゃ (゚д゚lll) ないッスカ!!
私の描いた青写真はその瞬間…脆くも崩れ去りました。
でも店員さんはこうとも言いました。「左利きのほうが左手の自由が効くから速弾きとかしやすいと思うよ」
とはいえ出鼻を挫かれ、初動が大きく自分の想定とは違ってしまい、なんか思うような結果にはならなかったんですよね…というこれは言い訳です(笑)
レフティという左利きギターは確かに売ってるんですが、若い頃からギターをやってる左利きの人はけっこう右利きスタイルに直してることが多いんじゃないですかね?少なくとも私の周りにいるギターを弾ける左利きの人はそうかも。それこそ、楽器屋さんの店員さんが言ってた速弾きを習得しやすいというメリットがあるらしいです?(私はそんなことなかったのでよくわからないけどw)
左利きに対する違和感の目
これが最後です。そして、これはあんまり気分良く書けないんですけどね。
ネットで調べてもそういう検索結果が出てくるんですが、左利きが気持ち悪いと思う人も一定数いるそうです。まあ…気にしてもしょうがないんですけどね。
確かに私自身が左利きでありながら、左利きの人が文字を書いたりご飯食べてるのを見る時って違和感はあるんですよ。自分自身が左利きでも周りの左利きに見慣れているわけではないですから。
人は誰しもが見慣れていないものに対して違和感が生じ(ここまでは理解できます)それがもっと極端になると気持ち悪いという発想に至ってしまうのかもしれません。
私はもう大人というか、そろそろオッサンの部類なので人からどう思われようがどうでもよくなってきてますけど…特に左利きのお子さんを持つ親御さんが気にする点はこのあたりかもしれませんね。こんなことが原因でイジメを受けたらどうしよう?とか。
これは人の感情によるもので根本的にはどうしようも出来ないことなので、私もこれは最後に書くことにしました。
こういう見方をされる場合もあるよという事例として…。
おわりに
長くなりましたが、以上が左利きとして生まれてきた私がじっくり掘り下げてみた左利きの良いこと・悪いことです。
真面目に書いたつもりなんですが、ぶっちゃけ左利きだからといって深刻なことは何もないので…ちょいちょいネタっぽくなってしまいました。うん、利き腕なんて大した問題ではないと思いますし、実際に左利きで良くなかったことってそんなにない気がしますよ。
最後に、私が思う最も良くないと思うことは、やはり左利きってナチュラルな器用さを持つ手は左手なんですよ。それに比べて右手の不器用さったら、私の場合は特にやばいです。
もし、自分の腕が右手だけになってしまったら、左手だけになってしまうよりも数倍…厳しさが増すと思います。
利き手を修正?矯正?否、強制することでナチュラルな左手の器用さにプラスαで右手という機動力が得られるのならいいのですが、左手のナチュラルパワーをわざわざ封印して不利な状況に陥れるのは避けたほうがいいと思うのです。
左手でしか出来ないであろうきめ細やかな技量も高めつつ、右手というサポーターが十二分にサポーターとしての力を発揮できるような形での…修正でも矯正でも強制でもなく、補正をしていくのであればいいんじゃないかなって思います。