こんにちは、 昼飲み好きのアカサカです!京都や大阪の美味しいお店を食べ飲み歩いています。
京都にはレトロな建造物が多く、現役の商業ビルとして活躍していることもしばしばです。今回は、そんなレトロな建物にある「お酒の美術館」を紹介します。それが、「レトロパブお酒の美術館 」!
なんでもこちらのお店、美術館並みに品揃えがスゴいだけでなく、入手困難なお酒を超リーズナブルに飲めたり、すべて半額にしちゃうハッピーアワーがあったり、期間限定で2,000円の飲み放題サービスを行っていたり、とお財布の心配なしに、珍しいお酒に気軽に出会える場所でもあるのです。
京都に住んでいる地元の人はもちろん、京都観光のついでにも、奥深~いお酒の世界を覗いてみませんか?
一歩足を踏み入れるとお酒の瓶が壁一面に!
レトロパブは大正時代の洋館をリノベーションした「文椿ビルヂング」の2階にあります。お店に入ってみると……
おおお、たしかにレトロパブだけあって、文字通りレトロ!大人な空間ですが、こちらのお店はチャージもなし。それなのに、こんな素敵な空間で気軽にお酒が楽しめるなんてすごいですよね。
壁にはずらりとウイスキーなどのお酒の瓶たちが並んでいます。
本の形をした酒瓶まで!(これも瓶っていうのだろうか……)
たしかに、お店というより「お酒の美術館」といったほうが似合う気がしますね。
なんだか映画のセットのようですが、このガラスの向こうは喫煙室。タバコを吸わなくても、つい入りたくなってしまいます。
で、入ってみたわけですが、喫煙室にも美しい瓶たちが並んでいます。こんな形の瓶、見たことない……!
この写真はレジのすぐ横のカウンター。
背後の棚には、「山崎」などなじみ深い銘柄の瓶が行儀よく並んでいます。
棚の手前、レジ横カウンターに並べられたお酒たちは国別で分けられています。
「こ、こんなに高そうなお酒がたくさんあっても、全然知らないし困る……!」という方も安心してください。お酒の特徴やオススメの飲み方などが、こうしてわかりやすく書いてあります。お酒に詳しい人も、そんなによく知らないという人でも楽しめるお店なのです!
とにかくレトロパブで注目したいのはウイスキー(とブランデー)。「オールドボトル」(現行品より前の製品で、通常のルートでは市場に流通していない)といわれる希少なものが豊富に取り揃えられています。
ウイスキーは大麦などの穀物が原料になっており、一般的には木樽で熟成させます。しかし、製造過程で原料を燻したり、ワイン樽で熟成させたり、香りや味わいは銘柄によってガラリと変わります。何年熟成させるかによっても大きく違いが出てきます。日本酒やワイン同様、非常に奥深いお酒なのですね。個性あるオールドボトルを楽しめるというのも、お酒好きにとっては楽しいポイントなのではないでしょうか。
レトロパブでは、もちろんウィスキーだけでなく、ビール、ワイン、焼酎など幅広いお酒を取り扱っておられます!
これを頼めばオッケー!店長のオススメ
ウイスキーよく知らないしな……という人のために、レトロパブの藤本店長に、シチュエーション別のオススメを教えてもらいました!「お酒を飲むのは大好きなんだけど、何を頼んだらいいの?」という人でも安心です。
下記、お酒の価格はすべてレギュラーサイズ(35ml)で統一していますが、お店のメニュー自体にはショートサイズ(20ml)もあります。
「とりあえず1杯!」にオススメのお酒
駆けつけ1杯はハイボール。ということでオススメは「ワイルドターキーオールド」(700円)です。甘い香りのお酒でした。
さらに、「バランタイン(30年もの)」(2,000円)もオススメとのこと。ちょっとネットで調べてみたらなかなかの高価なお酒でした!駆けつけ1杯にこのお値段、高くない?と思いますか?実はもっとお得に飲めます。その方法は後ほど。
ちなみに、こちらのお店のハイボールに使うソーダはウィルキンソン。炭酸がしっかりしていてお酒にも負けません。
ウイスキー初心者にオススメのお酒
「スーパーニッカ特級」(500円)。国産のウイスキーだからか、馴染みがある香り。いきなりストレートはキツいと思うので、ハイボールから飲んでみるのが良いとのことです。
初心者向けにもう1種類。今度はハイボールではなく水割りです。
「ゴールドタッセル」(700円)。水割りなんてどうでしょう?とオススメいただきました。香りはかなり「お酒!」って感じなのですが、それが水割りにも向いているのかもしれない。タッセル付きの瓶もまたいい感じですね。
かっこいい「通なオーダー」がしたいときは?
ぜひストレートで、といわれたのが、国産のウイスキー「軽井沢」の15年もの。ストレートで2,500円です。長野県にあった蒸留所はすでに閉鎖されてしまい、現在は製造されていないお酒です。もともと評価も人気も高いお酒だったので、現在はネットオークションでも高値で取引されるとか。
シチュエーション別オススメ銘柄はここまでですが、店内で気になっていたお酒についても教えてもらいました。
こちらは本型の瓶で筆者が気になっていたもの。ブドウのブランデー「カミュ ブックナポレオン」(700円)。香りだけ味わってみましたが、甘くて強い香りがしました。
続いて、店長が大好きだというお酒。こちらも香りだけいただくことに。
「アードベック」(900円)です。これは…かなり薬っぽい香り……!
原料となる大麦を泥炭(ピート)の煙で乾燥させて燻すために、その香りがお酒にも残るのだとか。この薬品のような香りはピート香といい、スコッチウイスキー(スコットランドで作られているウイスキー)にはよくある香り。アードベックの香りはスコッチのなかでも強めなのだとか。
正直、筆者も実はレトロパブにくるまでは、あまりウイスキーについてわかっていなかったのですが、お値段も安いし、瓶のデザイン性も高いし、いろんなお酒について教えてもらうのがすっかり楽しくなってしまいました。
さらに、ウイスキー・ブランデーは銘柄によって香りがまったく違っていて、その香りも独特。すっかりハマってしまいそうな自分がいます。ストレート、ハイボール、水割りと飲み方がいろいろと選べるのも楽しい。
ありがたいことに、藤本店長は「ウイスキーに詳しくなくても気軽に楽しんでください」とのこと。お値段も安いですし、お店の雰囲気もバッチリだし、言うことナシですね……!
そしてウイスキー苦手な人も大丈夫。なぜなら、
こんなカクテルもあるからです!甘めのお酒が好きならこちらもオススメ。
ハイボールに合わせたおつまみをいただく
というわけで、ハイボールに合うおつまみも紹介。今回は、先ほども紹介したスーパーニッカ特級のハイボールにオススメのお料理を出してもらいました。
まずは、枝豆。枝豆といえばビール……というイメージが先行してしまいがちですが、こちらの枝豆はひと味違います。
「枝豆オリーブオイル炒め」(300円)なのです。お店のオススメメニューの一品。味付けは塩とオリーブオイルだけだそうですが、茹でて塩で味付けをした枝豆とは違っていて洋風なお味。ハイボールにピッタリでした。
もう1つは「ネギ塩炙りせせり」(500円)。
仕上げにごま油がかかっていて、運ばれてきた瞬間にもうとてつもなく良い香り……!プリッとしたせせりの食感、噛むほどにあふれる肉汁、そこにハイボールがやっぱり合う。
塩、ごま油、ネギとシンプルな味付けですが、だからこそいろんなお酒と合うのかもしれません。お酒が進んでしまう罪作りなメニューです。
おつまみはどれも300円、500円、700円といった具合にわかりやすく分類されています。軽く一杯いきたいときにピッタリのメニューから、しっかりご飯のメニューまで揃っていて助かる!
レトロパブのスゴいところは、お昼からやっていて、さらにランチメニューまであるということ。京都では有名な精肉店「弘」のハンバーグまでいただけます。ランチタイムにもレギュラーのフードメニューを頼めますのでご安心を。もちろん食べ物だけでなく昼飲みにも対応していますよ。
お酒好きは狙うべし!ハッピーアワーが最高すぎる
他のお店にもありますが、こちらのハッピーアワーがとにかくスゴいのです。
ハッピーアワーの時間帯は、入館料500円を払うとグランドメニューのドリンクすべてが半額でいただけます!しかも何杯飲んでも半額……!取材時に撮影した上の写真は「17:00~20:00」がハッピーアワーでしたが、レトロパブの公式Twitterでなんともありがたい時間の延長が発表されていました!太っ腹~!
レトロパブは2軒目利用のお客さんが多いため、「1軒目」の時間帯をオトクに楽しめるようにと考えられたそう。入館料の500円を払ってしまえば、あとはもう飲めば飲むほどお得なプランです。高価なお酒まで半額になるので、お酒好きな人ほどハッピーアワーを狙ってやってくるそう。本当に半額でいいのか、あまりにお得すぎて謎の罪悪感までおぼえてしまいますね……!
さらに、期間限定ではありますが、飲み放題まであるんです!
2017年11月30日まで、14:00~17:00は2,000円で飲み放題!対象の飲み物はかなり幅広いので、ハイボールを少しずつ楽しんだり、ワインや焼酎などを挟んでみたり、高価なお酒に挑戦してみたり、といろんな楽しみ方ができます。
この時間帯は、ハッピーアワーにも時間がカブっているので、その都度、どっちにしようか大いに悩んでください!
飲み放題イベントなどの情報がちょくちょく更新されているので、来店前に一度、公式TwitterやFacebookページをチェックしてみてくださいね。
どうして高いお酒をこんなに安く提供できるの?
ここまで、いろいろなお酒とおつまみ、ハッピーアワー、飲み放題イベントについて紹介しました。ここで改めて確認したいのが、このレトロパブで飲めるお酒は全部「破格」だということ。「え、この1杯で2,500円!?高い!」とビックリしたとしても、価値がわかる人にしてみれば、むしろ「安い!」と逆のビックリになるそうです。
藤本店長に、なぜこんなに贅沢な空間で、高級なお酒もリーズナブルにいただけるのか聞いてみました。
「こちらのお店は母体となる会社が酒屋を経営しています。仕入れに卸を通さないので安く仕入れができているんですよ」とのこと。だからこそ、この店内のコレクションなのですね。
「特級ウイスキー」(1989年までウイスキーは特級 / 1級 / 2級の3区分に分けられて課税されていました)の30年ものなど、通常では手に入りにくいものもお店に並べることができるのだそう。
店頭レジでキャッシュオンも利用できるので、お支払いを先に済ませてのんびり楽しむこともできます(もちろんご都合に合わせてテーブル会計もできます)。お値段も安いうえ、お客さん目線でのサービスをしてくださるのは本当に頭が下がる思いです。
海外では「ハイボール」と注文しても通じない
ところで、最近は「ハイボール」がブームですよね。日本では各メーカーがPRに注力していたり、NHKの朝の連続小説「マッサン」が注目されたり、ハイボール人気が復活、ハイボールを見ないお店はないと言っても良いくらい、ハイボールを飲む機会は増えました。
しかし、ハイボールといえば、単純に「ウイスキーのソーダ割り」を指すかと思いきや、海外ではこの認識がちょっと違うのです。
海外で「ハイボール」というと、スピリッツ(ジンやウオッカなど)やリキュール(カンパリなど)といったお酒を、炭酸水やトニックウォーター、ジュースなどで割ったカクテルの一種を指します。そのため、海外のバーでは「ハイボールください」ではなく、「ウイスキーの銘柄+ソーダ」という注文をしないと伝わらないのです。さらに、ウイスキーをソーダ割りで飲むのは海外ではあまりメジャーではなく、ストレートやロックが一般的なようです。
ちなみに、日本のウイスキーは「WWA(ワールドウイスキーアワード)」や「ISC(インターナショナルスピリッツチャレンジ)」などで多くの銘柄が受賞しており、世界的にも認められているそう。日本のウイスキーを楽しみにレトロパブへ来店する外国人観光客の方々も多いようです。
さらに耳寄り情報です。近々レトロパブ2号店がオープン予定だとか。詳細はまだのようなので、お店のFacebook、Twitterなどをチェックしてみてください!
「レトロパブ」へのアクセス
JR京都駅からなら、地下鉄に乗り換えて烏丸御池駅で下車。地上に出たら、スターバックスコーヒーのある側を三条通り沿いに歩いたらすぐです。お向かいにペットボトルのお茶で有名な「伊右衛門 サロン」があるので、きっとすぐわかりますよ。
何より、このレトロな「文椿ビルヂング」が目印!
大正時代にできた元貿易会社の社屋です。さまざまな会社が入っていましたが、2004年に新たに商業施設に生まれ変わりました。ちなみに、国の登録有形文化財として登録されているんですよ。1階入り口にはレトロパブの看板も出ているので、見つけやすいと思います。
大正ロマン溢れる雰囲気をコンセプトにしているレトロパブは、数ある出店候補のなかでも特にコンセプトぴったりのこのビルを選んだのだとか。
レトロパブのほかにも飲食店や物販のお店などが入っています。
中に入ると奥の方までお店が並びます。レトロパブは入って最初の階段を上がった2階です。
この建物周辺は、京都文化博物館などのレトロ建築物が特に多く集まっているエリア。京都に来たら神社仏閣だけでなく、大正時代の建築を眺めて散歩するのも楽しいかも。
ウイスキー好きな方はもちろん、そうでない初心者の方も楽しめるお店です(実際に筆者は初心者)。貴重な体験ができると思いますよ~!
紹介したお店
店名:京都烏丸三条レトロパブ お酒の美術館
住所:京都府京都市中京区御倉町79 文椿ビルヂング 2F
TEL: 075-746-6909
URL:https://r.gnavi.co.jp/g94jyjy60000/
※掲載された情報は、取材時点のものであり、変更されている可能性があります。
プロフィール
アカサカナツコ
食べて飲んでうろうろして、がまぐちも作ってます。
ブログ:http://assak-karakara.hatenablog.com/
Twitter:https://twitter.com/assakgamasan