春、夏などあたたかくなってくると小さな子猫の泣き声がどこからか聞こえることがあります。
猫好きの方には、たまらない声ですよね。
一度出会ってしまったらその場においておくなんてできません。
では、捨て猫を見つけたらどうしたらいいのでしょう。
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飼い猫か捨て猫か調べてみる
まずその猫が子猫でない場合、飼い猫かどうか確認したほうがよいことがあります。
飼い猫が脱走したり、迷い猫になっている場合、飼い主はいろいろな方法で探している事でしょう。メスの場合はなわばりは少ないですが、オスの場合はかなり広いなわばりをもっていて、猫同士の喧嘩や人や犬を恐れて遠くに逃げている可能性もあります。
首輪をしているかどうか。マイクロチップが入っているかどうか(動物病院に連れていけばわかります)、近くの動物愛護団体や警察などに連絡を入れている可能性もあるので届け出などがないかどうか、確認してみる必要があります。
あなたが猫を飼える環境にある場合
あきらかに捨て猫やその子猫ということがわかっているのであれば、もし拾ったあなたが猫の一生に責任を持ち生涯一緒に暮らせるならば一番それがいいことです。
しかし、あなたが猫を飼う場合、最初にしておくことがあります。
それは、猫の健康診断と予防接種です。
かかりつけの獣医さんをつくり猫の健康を管理してもらえるようにしましょう。
猫のワクチンは何種類かあり、室内飼いの猫であれば混合ワクチンの3種、猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシスウイルス感染症、猫汎白血球減少症で、ワクチンは5000円程度です。
また、海外などに連れていく可能性のある場合は、同時にマイクロチップの埋め込みもしておいたほうがいいでしょう。
日本では猫は犬のように登録制ではありませんが、海外に一緒に連れていく場合は、マイクロチップで個体識別する必要があるからです。
避妊も重要
また、半年ほどたてば避妊についても考えてあげることが必要です。
完全室内飼いであれば避妊の必要はないと考える方もいるかもしれませんが、毎年発情期の行動でストレスを抱えたり、生殖器系の病気などにかかる心配もあります。
オスではスプレーなどの行動や乳腺腫瘍、メスでは子宮や卵巣の腫瘍などの病気にかかる心配はありません。
発情の興奮などがないため、性格が穏やかになるというメリットもあります。
猫を飼えない環境の場合 まず動物病院へ
小さな子猫を拾ってしまった、さあどうしよう?最初に思い浮かぶのが動物病院でしょう。
保護したのであれば、獣医さんに猫の命に別状がないかどうか、感染症にかかっていないかどうか、餌は食べてくれるか何才くらいなのか、ノミの状態、目や爪や耳の中の状態など一通りの健康状態を調べてもらう必要があります。
動物病院内の掲示板などに、自分の連絡先などを書いて、里親募集の写真などを貼らせてくれる場所があり、そこで里親を探すことになります。
ただ、病院はあくまでも猫の検査と仲介のみです。猫の健康診断が終わった後は、里親に譲渡できるまでは誰かが世話をしなければなりません。
一時預かりするとしてもとりあえずダンボール箱、猫用ケージ、ミルク、哺乳瓶、トイレ、フード等を事前に準備しておいたほうがいいでしょう。
動物病院を訪れる人は、すでにペットを飼っている人ばかりです。これから次のペットを飼うことができるという人は少数なのではないでしょうか?
現実問題として、動物病院で猫の里親を見つけるということはなかなか難しいことなのです。
猫を飼えない環境の場合は公的機関の動物愛護センターへ
公的な力を借りるなら、動物愛護センターに持ちこむことも可能です。
ただ、こちらのセンターでは生後半年くらいまでの子猫が多く大人の猫は少ないのが現状です。
公的機関での猫の引き取りには猫が飼える家であることが条件です。
マンションもしくはマンション賃貸である場合はペット可の物件かどうか不動産管理会社に確認する必要があり、ペット可物件である証明資料を求められます。
将来的な希望を考えると民間のボランティアがおすすめです。
動物愛護センターに持ち込まれた猫の将来はあまり明るくありません。
特に、成猫については殺処分になる可能性も否定できません。
殺処分を減らす取り組みをしている動物愛護団体の方もいます。
地域猫の取り組みや保護猫の譲渡、また動物愛護センターに持ち込まれた猫の殺処分を減らすべく、余裕があればそこからの引き取りも行っているのです。
東京でも殺処分ゼロを目指して動物愛護センターから猫を引き取りシェルターで保護して、飼い猫修行をさせている愛護団体もあります。
猫を飼えない環境の場合は民間機関の里親募集などのボランティアへ
民間の力を借りるなら、野良猫などを保護して里親を探してくれているボランティアの方がいます。
彼らは地域の猫を見守ったり、去勢手術や避妊手術などをボランティアで請け負いながら里親を探すサイトを運営していたり、相談にのってくれたりします。
公共の場所などで猫との出会いの場所を提供していたりします。
子猫だけでなく、成猫も受け入れてくれている場合もありますので、近くでこのような団体がないかどうかネットなどで探してみることも手です。
民間のボランティアにはいろいろな種類があります。
一つ目はネット上で里親を探している里親募集サイトです。
全国どこでも登録は可能で、写真とメールアドレス、猫の近況などを登録すると猫を飼いたい人が検索できるという里親サイトです。
個人で登録している方や、ボランティアの会で登録している場合とあります。
基本的には、写真で猫を見て個人的にメールでのやりとりになり、お見合い場所はボランティアをされている個人宅の方が多く、保護猫活動に慣れている方が多いようです。
保護猫活動をしているボランティア団体として地域の公民館などを借りて定期的に猫を譲渡する会を開いている団体もあります。公民館などの掲示板などにお知らせがある場合もあります。
たいてい週末に開かれており特に予約など必要なく、猫を見に行くことができます。
普段猫を保護した方が、猫を連れて集まっています。前述した動物愛護センターから引き取った猫も一緒に里親を探していることがあります。
個人で参加されている方もいらっしゃいますし、普段地域猫として飼育し、餌やりをされているグループなどの場合もあります。
どちらの場合も保護猫は、出会った当日は家に連れて帰ることはできないことが多く、後日連絡後、保護のボランティアをされている方が、里親候補として合格かどうかご自宅へ猫を連れて来られる場合が多いです。
猫を飼えるペット可の部屋かどうか、賃貸住宅やマンションの場合も同様ペット可かどうか、家族の承諾は得ているのかなどの確認する意味あいもあるそうです。
保護猫は、捨て猫の場合が多いので、二度と悲しい思いをさせないように誓約書を交わす場合もあります。
また、それまでに保護されていた方が負担していた予防注射代などのお金を新たな里親が負担する場合もあります。公的機関、民間ボランティア、どちらの猫もやはり人気は子猫です。
成猫の場合、ボランティアの方が家で長い時間をかけて人に慣れるようにしてこのような里親募集の場に連れてきていますが、ケージの隅のほうで緊張して固まっている場合が多く、何度出しても決まらない場合もあります。
子猫はかわいいですが、月齢にもよりますが人間の赤ちゃんと同じく手がかかります。ご飯を食べさせたり、ミルクを飲ませたり、構ってアピールも半端ではありません。
一人暮らしの方や高齢の方、静かに猫と暮らしたい方などは、成猫のほうが落ち着いて猫との共同生活を送れるのです。
猫を飼う際、県や市などへの届け出は必要?
犬は狂犬病予防法上、役所への届け出の義務がありますが、猫にはありません。
犬は人間への害を及ぼさないために登録制となっていますが、猫は狂犬病接種については猫自身の予防のみとなるため狂犬病予防注射、登録は必要はないのです。
犬のように登録が必要になれば、現在のように簡単に捨てたりする人もいなくなり、不幸な捨て猫が増えることはなくなるのではないでしょうか?
猫も狂犬病予防注射が必要な場合があります
猫とともに海外へ引越しされることがある場合、狂犬病予防注射は必要です。
日本国内は狂犬病ウイルスはありませんが、海外にはたくさん狂犬病ウイルスがあります。
狂犬病清浄国となっているのは日本を含め英国、豪州、ニュージーランド、 スカンジナビア. 半島の国々などのごく一部の地域となっています。
また狂犬病は半年の潜伏期間があるため、狂犬病予防注射をして、血清を検査し、抗体価が規定以上でないと狂犬病ではないと認められないので、海外から帰国する場合は最低半年以上の準備期間が必要になります。
猫は一緒に暮らしだすと家族です
猫との共同生活が始まるきっかけは、ペットショップから購入、捨て猫を拾う、猫をもらう、などさまざまですが一度飼うと決めたならもう家族と同様です。
その為には、しなければならないこと、用意しなければならないもの、たくさんあります。費用もそれぞれかかります。
飼い主が猫の親となり責任を持って一緒に暮らす覚悟を決めなければなりません。
過酷な環境で生きざるを得ない捨て猫を一匹でも減らせるように・・・。