でもたいていの人は、50ドル安いEchoでいいのかもと。
先日、スマートスピーカーAmazon Echoの新ラインナップが発表されました。そのうち初代Echoを受け継ぐフラッグシップモデルのEcho Plusを米GizmodoのAdam Clark Estes記者がレビューしています。スマートホームのハブ機能がこのアップデートのポイントのようですが、それは実際どれくらい使えるんでしょうか?
Amazon Echo(以下Echo)は"未来"だとかいろんな良いことが言われてますが、万能デバイスではありません。天気を知らせたり、照明を操作したりはできますが、すべてのスマートホームデバイスを動かすハブ機能はありませんでした。そして今、まさにその機能を提供し始めたのが、Amazon Echo Plus(以下Echo Plus)です。ただ、それを買う必要があるのかどうかは、人によって違います。
Echo Plusを簡単に説明すると、Echoにスマートホームデバイスのハブ機能を加えたもの。Echo Plusが初代Echoとほぼ同じようなデザインである一方、第2世代Echoはちょっと小さくて、正直もっと見栄えが良いです。ただEcho Plusはあらゆるカテゴリのデバイス、たとえばPhilipsのHueやサムスンのSmartThingsデバイス、Kwiksetのスマートロックなんかをコントロールできます。つまり対応デバイスをそろえれば、スマートホームデバイス同士を会話させるためのハブが必要ないってことです。あとは色展開に、シルバーが加わりました。
Echo Plus
これって何?:スマートホームハブ内蔵のAlexa対応スピーカー
価格:150ドル(約1万7000円)
好きなところ:スマートホーム的なことが簡単になります
好きじゃないところ:お値段
過去数年スマートホームガジェットをいじってきた経験からすると、家中のいろんなデバイスをお互い対話させようとしていると、ときどき四角いくぎを丸い穴に打つような感覚に陥ります。つまり、頑張ればできそうな感じもしつつ、結局うまくいかないってことです。技術的な細かいことはさておき、IoTデバイスほぼすべて、相互に通信させようとするとZ-WaveとかZigbeeみたいな規格に対応したデバイスが必要になります。つまりそれ用のハードウェア、ハブがなきゃいけないんです。
初代Echoは、この目的を今一歩果たしていませんでした。Philips Hueの操作はできるものの、それをするにはHueのハブを家のルータに有線接続してなきゃいけません。Echo Plusは、そんな便利なようで厄介な独自ハブを不要にしたんです。
ギークな皆さんの中には、家にHue用だったりSmartThings用の複数のハブを動かしてる方がいるかもしれません。そしてそのタコ足状態のエコシステムを、初代Echoのボイスコントロールで操作していることでしょう。運がよければ、電源コンセントとかイーサネットケーブルも十分足りているはず。でもEcho Plusがあれば、そんなごちゃごちゃが要らなくなるんです。
だからスマートホームギークなら、きっとこの理由でEcho Plusを大好きになるでしょう。さまざまなガジェットをEcho Plusに接続するときのスマートでシンプルなユーザー体験は特に、素晴らしいです。ただそこまでギークじゃない人、スマートホームデバイス持っていてシンプルに済んでいる人は、Echo Plusのハブ機能なんか要らなくて、今は100ドルになったEchoとの差額50ドル(約5,700円)を払いたくないかもしれません。
というか、初代Echoに至っては今は90ドル(約1万円)で買えます。Echo Plusはそこにスマートホームハブ機能が付いて150ドル(約1万7000円)です。全体的に微妙な改良もされてますが、テストしてみてもほとんど気づくことはありませんでした。そして初代よりちょっと小さい第2世代Echoが、100ドル(約1万1000円)となっています。つまり、スマートホームハブ機能のためだけに50ドル、または60ドルも出すのかってことです。Echo Plusを買う気になってる人を止めたいわけじゃないんですが、ただプレーンなEchoとの違いが自分にとって必要かどうか、ってことは考えてみてほしいです。
もちろん、スマートホームギークな人なら、Echo Plusを好きになると思います。スマートホームデバイスをひとつにまとめて音声コントロールできるハブなんてクールだし、これまでの悩みも解消されます。Echo Plusはすべてのスマートホームデバイスに対応しているわけではありませんですが、これまでAmazonはサードパーティをどんどん取り込んできたので、今後も対応デバイスはきっと増えていくことでしょう。
あとは、今スマートホーム構築してなくても「これから本格的にやりたい」って人も、Echo Plusを検討すべきでしょう。Echo Plusはある意味、スマートホームのスターターキットに適しています。最初にちょっと高めのベースを買って、あとは必要に応じて対応デバイスを追加していく、ってことです。Echo Plusがユニバーサルなハブになるので、後々デバイスごとに独自ハブをいちいち追加する必要がなくなります。
ただ、Echoでスポーツの試合結果を聞いたり、Spotifyで音楽を聴いたり、そういうネットでできること(の一部)への快適な入り口としてAlexaを使いたい人は、PlusじゃないほうのEchoを買ったほうがいいでしょう。スマートホームデバイスの操作は、ハブを追加すれば可能です。そもそもEchoの購入を検討する段階でスマートホームのことを意識してないんだったら、Echoを買った後もそっちの機能は大して使わないはず。そのためにプラス50ドルも払うのはもったいないです。それにAmazonにとってハブ機能はまだ実験段階なので、将来的にもっと安いバージョンが出てくる可能性だってあります。
とはいえEcho Plusがダメってことじゃなく、むしろ初代Echoと同様に優れたガジェットだと思います。Amazonはスマートスピーカーというカテゴリをガジェット企業よりはるかに先に切り開いただけでなく、スマートホームのようなアイデアにも注意を払っていました。その結果として今、そして多分これからしばらくの間は、AlexaとEchoシリーズが競合他社のものよりほんのちょっと有能なスピーカーであり続けるのです。
まとめ
・内蔵のスマートホームハブ機能は、それを必要としている人にとってはすごく有意義な機能です。
・ただそれが新Echoとの差額50ドルに見合うかっていうと、疑問です。
・音質は、わずかながら、初代Echoより改善しました。
・新色・シルバー登場!
Image: Adam Clark Estes
Adam Clark Estes - Gizmodo US[原文]
(福田ミホ)