元SMAPの3人がAbemaTVで「僕らの曲がない」、SMAP時代の曲は歌っちゃダメ?
元SMAPの稲垣吾郎さん(43)、草なぎ剛さん(43)、香取慎吾さん(40)が11月5日、AbemaTVの「72時間ホンネテレビ」に出演し、グランドフィナーレとして72曲の生ライブを行った。
しかし、番組中で「ぼくら曲がないので」との発言があり、SMAPの曲を歌うことはなく、坂本九や忌野清志郎など他のアーティストの楽曲を歌った。
今は彼らはSMAPではないが、自分たちがかつて歌っていた楽曲を今は歌うことができないのか。法的な観点について、高木啓成弁護士に聞いた。
●著作権と原盤権
「楽曲をインターネット配信で利用する場合、『著作権』と『原盤権』(正確には『レコード製作者の著作隣接権』)の2つの権利を考える必要があります。
『著作権』は、作詞・作曲した際に発生する権利です。『原盤権』は、CDやカラオケの音源について発生する権利です。その音源を制作した会社などが保有しています」
それぞれの観点から、SMAPの曲を歌えるかどうか、どう考えればいいのか。
「まず、『著作権』は、通常、作詞家・作曲家から音楽出版社に譲渡され、音楽出版社がJASRACのような著作権管理事業者に管理を委託しています。
いくつかSMAPの楽曲を調べてみましたが、著作権の全体をJASRACが管理しているようです。
AbemaTVは、JASRACと包括的に契約をしていますので、「著作権」については、クリアです。
次に、『原盤権』については、CDの音源を利用する場合は、レコード会社が『原盤権』を管理していることが通常です。また、カラオケ事業者の音源を利用する場合は、そのカラオケ事業者が『原盤権』を管理しています。
テレビやラジオの放送の場合は、『原盤権』の権利者の許諾なく音源を利用することができるのですが(ただし、お金を支払う必要はあります)、インターネットテレビは法律的には「放送」ではなく、『原盤権』の権利者の許諾が必要になりますので、その点の処理を行うことが必要です。
『72時間テレビ』のカラオケシーンの映像を観ると、第一興商からの許諾を受けてDAMの音源を利用していたことがわかります。
そうすると、『原盤権』もクリアしているので、通常の権利処理の観点からすると、通常は、カラオケでの利用ができるはずです」
高木弁護士はこのように述べていた。
通常の権利処理の観点からはOKということなので、歌えないのは、他に何らかの事情があるのだろうか。