11月6日、立憲民主党は「森友・加計学園問題プロジェクトチーム(PT)」準備会を開催した。
座長となった逢坂誠二衆議院議員は、「モリカケ問題を特別国会で追及しようという声に対して、『終わっている』『ケリがついた問題だ』という人もいるが違う。2つの本質的な問題を抱えているからだ。一つは行政の私物化。一つは民主主義の根幹を揺るがすこと。適切な情報がなければ判断を誤る。情報が隠蔽廃棄され、優秀なはずの官僚がウソ、誤魔化しを連発する。これは単なるスキャンダルではない」とPT設置の意義を述べた。
PT事務局長に就任し、衆議院予算委員会および内閣委員会の筆頭理事である阿部知子議員は、「枝野代表の指示で国会対策委員会と予算、文科、内閣、財金、国交、決算、6部門の合同で行う」と説明。
文部科学委員会の筆頭理事である川内博史議員、国土交通委員会の筆頭理事である矢上雅義議員、決算行政監視委員会の筆頭理事である青柳陽一郎議員、国会対策委員長の辻元清美議員他、新人を含む多数の議員が参加。福山哲郎幹事長も出席し、挙党態勢を示した形だ。
会合の冒頭では、学校法人加計学園獣医学部新設に係る「大学設置・学校法人審議会」について文部科学省高等教育局の安井順一大学設置室長からヒアリングを行ったが、紛糾した。
11月2日に開催され、10日や11月前半に答申が出る旨の報道があったことについて、「行政処分にかかわる判断」であるとし、行政処分が行われた後でなければ、2日に開催されたかどうかという過去の事実さえ、安井室長が明らかにしないと述べたためだ。
「内容が開示できないというのは理解ができるとしても、開催した審議日程や今後の日程まで明かせないと言うなら、そのルールはどこに書いてあるのか」(矢上議員)との問いに、安井室長は「内規がある」とは言ったものの、「読み上げて欲しい」(川内議員)との要請に応じて読み上げた内規にはその旨がなかった。
安井室長は開催日程も内容も「保秘する」と述べたが、「保秘しなければならないのに何故、報道には漏れている」(福山幹事長)と追及が起きた。また、答申内容については、「報道日程に縛りをかけた上で事前提供するかどうか」を問われ、「マスコミと相談する」と安井室長が述べたために、「国会でこれだけ問題になっているのに、国会には明かさない。マスコミとは相談をする。おかしくないか」(逢坂議員)とさらに紛糾は続いた。
「マスコミ」とはここでは「文科省記者クラブ」のことを指しており、行政監視を役割とする報道と行政との関係性、国民の代表として行政監視を行う国会と行政との関係性、その歪みが、思わぬところで露わになった形だ。
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