接客業はつらいよ! あけすけビッチかんどー日記!

昭和のメスの生き残りとして、ぎりぎりまで足掻く35過ぎ、おんな盛り。特技は人を愛することです。継続性はございません。

漫画喫茶でアフ、アフ、エフォオ! と聞こえて人が愛しくなった話

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漫画喫茶をたまに利用する。

 

なるべく、完全個室になっていたり、最新の設備を備えたところにするのだけれど、どうしてもその駅にそこしかなくて、古びた漫画喫茶を利用することがある。

 

いわゆる、10年前から変わっていない「漫画喫茶」だ。形だけ個室になっているやつ。立つと隣の席が見えちゃう、間仕切り的なアレ。

 

 

わたしは基本、ドリンクバーではお茶とコーヒーしか飲まない。食事はどこかで済ませてくるか、多少の空腹は我慢してしまって漫画喫茶を出てから食べる。

 

しかし、その昔ながらの漫画喫茶では、飲食している人が非常に多かった。特にオーダーされているのはカレー。ただのカレーにハッシュドビーフ、ハンバーグカレーもあった。また、ラーメンも一定数のオーダーが出ているように感じた。

 

 

「お待たせしましたー」

 

店員さんがノックして半個室に食べ物を届けている。その数十秒後、アフッ、アフッ、カチャ…アフ…カチャカチャ…。カレーを食べる音が聞こえてくる。アフッ、アフッと言うあたり、アツアツで供されているのだと思う。設備は古いが、きちんとあたたかい食べ物を熱く提供することで人の心は踊るのだと思い知った。

 

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「お待たせしました-」

 

また別の半個室に食べ物が届けられる。その数十秒後、フー、フー、ズッ! フエッフォ! エフォ! 湯気にむせる音が聞こえる。ラーメンを注文したらしい。湯気が出るほどの熱い温度で供されたのであろう。もしかしたらメガネが曇って、メガネをはずしたかもしれない。その後は、フー、フー、フーと三回繰り返してから食べ始めたので、むせることなく食べていた。熱いラーメンの汁をズッと吸い、クハァと息を吐く音に人の生きる躍動を感じた。

 

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この漫画喫茶で、人が食べ、生きている。

 

みんな時間をつぶすようにして生きている。時間というのは不思議なもので、本人が望んでつぶすのは小さな快楽であるが、他人が勝手につぶしてしまうと途端に怒りの感情を産む。他人に時間をつぶされても許せる人もいるが、それは許すことに快楽を感じているか、我慢をしているのである。

 

漫画喫茶には、小さな快楽がたくさんひそんでいる。

 

時間をつぶす自由。食べる自由。生きる自由。時を止める自由。考えることを止める自由。隠れる自由。逃げる自由。

 

 

わたしはどの自由が一番好きだろう。

 

 

今は、新しいことをする自由かな。(上記の中にねえよw)

 

 

わたしはそんなことを思いながら、アフアフ、ズルズルという音の輪唱をただじっと聴いていた。

 

 

それでは、また明日。