このページでは、
客先常駐先でヘルプデスクを担当する予定のSE
実際にヘルプデスクを担当しているSE
に向けて、
ヘルプデスクの仕事ではスキルアップがしにくいため、
スキルアップができる仕事を目指して転職をしたほうが良い
という話をしたいと思う。
また、ここでは上場企業の社内システムのヘルプデスクを例に説明していくが、
他のオペレーター業務も同様に考えると良いだろう。
目次 [非表示]
客先常駐SEのヘルプデスクの仕事はスキルアップしにくい話
客先常駐SEのヘルプデスクの仕事はスキルアップしにくい話(結論)
ヘルプデスクの仕事は社内PCのセットアップやネットワークに関する知識は必要になるが、システムを開発する機会がなく、マニュアルに沿った単調な仕事が多い。そのためキャリアを積んでいきたいのであれば、プログラマーや上流工程のSEなどの職種に変更した方が良い。
次に、社内システムの業務内容の説明をしていく
社内のPC、ネットワークに関するオペレーター業務
ヘルプデスクによくあるお問い合わせとして、社内のPCの設定や、ネットワークに関する問い合わせ対応がある。具体的には、次の作業がある。
Microsoft Office に関する問い合わせ
部署によっては、最新のMicrosoft Officeであったり、社内SNSのyanmarを使っていたりするところもあり導入に関する問い合わせがある。例えば、Microsoft Azure(クラウド)に全てのデータを保管しているため、クラウドを使うためのOffice 365の設定方法についてヘルプデスクへ問い合わせの電話がある。
中には、社内掲示板に掲示してあるマニュアルを読まずに電話してくるので、まずはマニュアルの場所を案内をするが、役職者であれば電話で丁寧に対応することもある。
ウイルスソフトの運用管理
ヘルプデスクでは、ウイルスバスターなど、有料のウイルスソフトの管理、運用をする。具体的には、社内でウイルスを検知したときのワークフローを策定したり、ウイルスを検知したときのオペレーション業務を担当する。
例えば、資産管理サーバーで社内PCを定期的にチェックして、古いウイルスバスターをインストールしているPCの管理者に対して、ウイルスソフトのアップデートを促すメールを送ったり、直接電話をすることもある。
ネットワークの設定について
ヘルプデスクでは、以下記載の社内ネットワークに関する問い合わせも担当する。
VPNの接続方法
社外から、社内のシステムにアクセスするために、VPN接続の設定方法についての問い合わせがよくある。そのときに、マニュアルに沿って接続方法を説明する。
社外からの社内システムの使用方法
VPN接続と合わせて、勤怠管理システムであったり、経費精算システムの使い方について質問がある。これも、マニュアルに沿って説明していく。込み入った話になると、システム担当者へエスカレーションすると良い。
社内無線LANの設定方法
ネットワークについて、社内の無線LANの使用についての問い合わせがある。こちらも、マニュアルに沿って、設定方法を伝えればよい。また、無線LANの接続が悪いことが判ると、新たにアクセスポイントを追加するなどを検討する必要がある。
社内のIPアドレス管理
ヘルプデスクの中で、社内のIPアドレスを管理することもある。客先常駐SEでは、やはりマニュアルに沿って対応を進めていく。
社内のテレビ会議システムの問い合わせ対応
ネットワークに関連して、社内のテレビ会議の設定について問い合わせが来ることもある。
社内のネットワーク検疫の設定に関わること
大手企業になると、社内のネットワークに接続するためには、資産管理ソフトウェアのインストールや、別途、セキュリティソフトのインストールが必要になる。そのため、社内のネットワーク検疫に関する問い合わせを担当することになる。
その他社内システムの保守運用
その他にも、会社独自に導入しているシステムがあるため、サーバーの保守・運用を担当する。
社内システムの管理
次に社内のヘルプデスクが担当するサーバーを説明していく
ADサーバーの管理(協力会社要員のメンテナンス作業)
大手会社では、Active Directoryと呼ばれる、社員番号と所属部署を紐付けて社員の所属を管理するマスタサーバーがある。会社にもよるが、人事部と連携してADの運用業務がある。
共有ファイルサーバーの管理
会社には、社内全体で使用できる共有ファイルサーバー(単位はTB)がある。ヘルプデスクでは、このサーバーの運用・管理をしていくことになる。社内の部署の中には、かなりリソースを食う使い方をしていることがあるので、定例の社内システム会議で注意喚起をすることも多い。
社内で使用するシステムの動作検証
ヘルプデスクでは、社内で導入しているシステムの動作検証を行う。例えば、Windows Vista 〜 10, Mac OS, LinuxのOSで、社内のシステムが使えるかを検証して、動作保証表を作成していく。
また、重要なWindows Updateがあるときは、マイクロソフトのサポートと連携をして情報を展開していく。最近で大きい変更点といえば、Windows 10へのアップグレードについてだ。各企業のヘルプデスクはポリシーを決めて情報を展開して対応したはずだ。
社内で使用する製品のマニュアル作成
また、新規に導入することになったシステムを、社内向けにマニュアルを作成することがある。こちらも、決まったフォーマットに従って、マニュアルを作成する。
ヘルプデスクの仕事で伸ばすことができる能力
次に、ヘルプデスクの仕事で伸ばすことができる能力について説明する
電話応対スキル(オペレーションスキル)
電話応対のスキルは間違いなく向上する。電話相手を安心させるための言葉遣いと、適切にオペレーションを進めるスキルがあがる。
Windows OSの仕組み
ネットワークや各ソフトウェアの検証を行うため、Windows OSのどこの設定箇所を変更すれば、どうソフトウェアをうまく扱えるかわかるようになる。例えば、レジストリキーの知識を深めることができる。
ネットワークの知識
無線LAN接続、社内ネットワークの設定、VPN接続など、ネットワーク知識、社内のネットワーク構成を知っておかないと答えることができないことばかりだ。そのため、ネットワークに関する知識は間違いなく向上する。
システムの検証スキル
最新システムの検証を行うため、必要な試験項目書を作成して、検証することが必要になる。また、問題が発覚したときは、外部のベンダーにログを送付したり、状況の説明をしたり、修正版のバッチ適用後の検証作業など、検証に必要なスキルが身につくはずだ。
マニュアル作成スキル
社内に提供するマニュアルを作成する機会は非常に多いため、読みやすい文章を書く良い機会にはなり、マニュアル作成スキルを上げる良い機会になる。
ヘルプデスクがシステムトラブルで激務になった話
最後に、ヘルプデスクがシステムトラブルで激務になった話を紹介したい。内容は社内のメールサーバーがシステムトラブルになり、会社のメールの送受信がストップすることがあった。それにより、問い合わせがヘルプデスクに殺到して、通常業務を遂行できない緊急事態に陥ったこともある。
トラブル事態は当日で収まったのだが、役員たちに、障害報告書を提出することになり、
報告書の作成のために多くの工数が割かれることになった。このときのクレームがひどかったため、客先常駐していた協力会社員は、1ヶ月以内に現場を離れることになった。
まとめ
客先常駐でのヘルプデスクの業務は、社内で標準化されたマニュアルをもとに進められていく。そのため、これらの業務を続けることで、高い年収を狙えるような業務を担当することはまずない。
一定のシステムスキルがあれば、マニュアル化された置き換えができる業務となっている会社がほとんどだ。だから、客先常駐先でヘルプデスクを担当する人で、より面白い仕事、より高い年収を狙うのであれば転職活動を進めていった方が良いだろう。
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