日本の芸能界に設けられている様々なルール。その中には、世界的に見ると “変わったもの” がないだろうか。例えば、AKB48に代表されるアイドルの「恋愛禁止」だ。また、グループから脱退して芸能界を去ったメンバーと会うことを禁じている事務所もある。
最近AbemaTVで放送された『72時間ホンネテレビ』では、香取慎吾さん・草なぎ剛さん・稲垣吾郎さんの3人が、元SMAPメンバーの森且行さんと21年ぶりに共演を果たした。21年ぶりの共演って……それ自体が異常では? と以前の記事で書いたが、今回はさまざまな制限を設けている日本の芸能界について、アメリカ人男性に尋ねてみたので紹介しよう。ストレートな意見が返ってきたぞ。
・アメリカ人はどう考える?
意見を求めたのは、当サイトの英語版ライターのケーシーさんだ。まずケーシーさんに、香取さんら3人がジャニーズ事務所を退所するまで森さんとの共演がかなわなかった件について聞いてみた。すると……
・元SMAPについて、アメリカ人ケーシーさんの意見
ケーシー 「SMAPの話について、たぶん多くの外国人は「会わさせない事務所は酷い! そんな個人の自由を否定するなんてアホくせ~」と反応するかもしれないね。なぜそんな風に反応するかというと、いくつかの理由がある。
そもそも海外では、「アーティストやミュージシャンは我が道を行く」ってイメージが強いから。「社会をぶち壊す!」とまでは言わなくても、ある程度自分の自由が1番大切な物だったり、目上や年上の人の圧力に抵抗するのが、アーティストの当たり前の概念としてあると思う。そんな彼らの自由を抑えつけようとする事務所は、海外ではなかなかファンや世間が認めない」
・海外では、イメージは二の次
ケーシー 「次に、海外の音楽ファンはどちらかと言うと「アーティストは音がすべて」と言う人が多い。そのうえで、「別に誰と会っても音楽自体に悪い影響がなければ問題ないだろう? それなのに元メンバーに会わさせない? アホくせ~」と非難の声が上がるかもしれないね。
正直言うと、海外でも音楽より「カッコイイ」とか「セクシー」などのイメージが売りになっているアーティストはいる。しかし日本の音楽・エンタテインメント業界のように、マーケティングとして明らかにイメージをメインにしたり、バラエティやドラマなどにいっぱい出演させてたりはしない。イメージで売ろうとしても、それをちょっと隠すようにして「実力派アーティストだよ」というマーケティングに力を入れている」
・共演NGはやっぱり……
ケーシー 「海外の音楽ファンは、日本の業界でイメージがどれだけ売上に影響するのか、イマイチ把握できていないかも。同じように日本の「アイドルは恋愛禁止」について、日本人なら賛否の意見があると思うけど、ほとんどの外国人は「恋愛を禁止するのは変!」と反応するだろうね。このことひとつとっても、日本と海外の芸能界のあり方には大きな違いがある。
ってなわけで、まとめると、海外では「アーティストのイメージ」が仕事に影響すると思わない人が多い。アーティストは元々自由人と思われているから、「共演NG」していることは、たぶん世界的に見ても、あまりよく思われないだろうなあ」
──以上である。日本なら賛否の声が上がるところだが、海外の場合は、その議論さえ起きないほど「恋愛禁止」や「共演NG」はおかしなことと捉えられるようだ。
それにしても、日本の芸能界に古くからあるこうした特殊なルールは、いつまで幅を利かせるのだろうか? 今回の72時間ホンネテレビをきっかけに、変わっていくことを願わずにはいられない……。
参考リンク:AbemaTV『72時間ホンネテレビ』
執筆:佐藤英典
Screenshot:(C)AbemaTV
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