【11月7日 AFP】9月に大型ハリケーン「マリア（Maria）」が直撃し、大きな被害に見舞われた米自治領プエルトリコについて、住民の大量流出が続き、2019年の人口が現在よりも14％少ない290万人まで落ち込むとする論文が発表された。

　米ニューヨーク市立大学ハンター校（Hunter College）のプエルトリコ研究センター（Center for Puerto Rican Studies）が先月発表した論文によると、マリア直撃の影響で今後プエルトリコから毎年11万4000～21万3000人の住民が去り、2017～19年に人口が47万335人も減るという。

　論文共著者のエドウィン・メレンデス（Edwin Melendez）氏とジェニファー・イノホサ（Jennifer Hinojosa）氏は、マリア襲来前の10年間に米国へ移住したのは全人口の10％にあたる約50万人だったが、襲来後は同じ50万人がわずか2～3年で流出すると予測している。

　プエルトリコは9月、ハリケーン「イルマ（Irma）」によって甚大な被害を受け、そのわずか2週間後にマリアが襲来した。以降、これまでに数万人がプエルトリコを離れており、大半はプエルトリコからの移住者が多く住むフロリダ（Florida ）州やニューヨーク（New York ）州へ渡った。ニューヨーク市だけでもおよそ70万人が暮らしている。

　プエルトリコの人口が約340万人であるのに対し、米本土では約500万人に上る。(c)AFP