広島のすぅちゃん

BABYMETAL中元すず香の軌跡をたどる

中元日芽香と乃木坂46 その2 ~乃木坂46の選抜選考方法~

この稿は、中元日芽香と乃木坂46 その1~乃木坂46のシステム~の続きです。

 

 乃木坂46の「選抜」「フォーメーション(列)」「センター」等の選考方法について考える。

 先ずは、1stシングル(2012年2月22日発売)~5thシングル(2013年3月13日発売)期間の選抜状況を見てみる。

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 表を見ていただくと、3列目は流動的であるのに対し、センター、1列目、2列目はほぼ固定であることがわかるだろう。

 生駒里奈(高1)をセンターに固定
 生田絵梨花(中3)、星野みなみ(中2)の年少組が1列目を構成
 白石麻衣松村沙友理橋本奈々未(いずれも高卒1年目)と、秋元真夏高山一実(いずれも高3)、桜井玲香(高2、暫定キャプテン)が2列目を構成。
 1stと2ndで1列目を入れ替えるなどのテストをした結果、4thでフォーメーションが完成したことが読み取れる(5thは4thと同フォーメーション、メンバー入れ替えなし、立ち位置もかわらず)。

 1st「ぐるぐるカーテン」フォーメーション

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 2nd「おいでシャンプー」フォーメーション

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3rd「走れ!Bicycle」フォーメーション

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4th「制服のマネキン」フォーメーション

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5th「君の名は希望」フォーメーション

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 先ずは乃木坂46という存在を世間に認知してもらうという意図なのか、生駒里奈(高1)、生田絵梨花(中3)、星野みなみ(中2)の年少組を乃木坂46の顔にすえ、年長組が後ろで支える構図と言える。

 ※フォーメーションは乃木坂46「選抜&アンダー・フォーメーション」まとめに拠る。画像もお借りしました。
 ※学年は1stシングル発売時

 

 こうして乃木坂46のフォーメーションや序列は確定したかに見えたが、6thシングルでは様相ががらりとかわる。

 6th「ガールズルール」フォーメーション

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 不動のセンターであった生駒里奈がセンターでなくなるという象徴的な出来事のほか、これまで2列目に固定されていたお姉さん組3人が初めて1列目に起用されたのである。
 この傾向はこれ以降も続き、1列目2列目のメンバーも流動的となる。
 これまでも流動的であった3列目を含み、選抜・フォーメーションの選び方が流動的となる時代となるのだ。

 

 このあたりから、ファンの間では、何を基準にメンバーが選ばれているのかが大きな関心事項となる。
 人気順ではないのか? ファンにもできることがあるのではないか? ということで、ブログのコメント数を追ったり、握手会の人気度を追ったり、様々な分析がなされている。

 私も乃木坂の選抜方法の仕組みを知りたくて、様々な研究を見てみた。
 しかし、いまひとつしっくりくるものを見つけることはできなかった。
 確かに、ファンが「人気順」を第一義で考えるのはよくわかる。
 乃木坂では「歌」「ダンス」の実力で選ばれていないことは間違いない。

 そこで、仮説を立ててみた。
 乃木坂では、歌やダンスといった「スキル」でメンバーが選ばれているわけではない。「人気度」という抽象的なものは測ることが運営側も難しい。
 やはり明確な数字がでる「売り上げ」が基準となりメンバーは選ばれているのではないか。

 乃木坂46には「個別握手会」というシステムがある。

 個別握手会の詳細についてはこのあたりを参考にして欲しいが

 ・乃木坂46の握手会に参加するには?|乃木坂46公式サイト
 ・乃木坂46&欅坂46「握手会」の仕組み完全解説まとめ | ぐるのぎ


 整理すると

乃木坂46ではシングルCD発売毎に「個別握手会」が開催される
乃木坂46の全メンバーが参加する(選抜、非選抜関係なく)
③1シングルあたり、概ね6日開催される
④1日あたり1~5部まで時間が設けられており、概ねこのようなスケジュール
 <第1部> 10:00~11:30
 <第2部> 12:00~13:30
 <第3部> 14:30~16:00
 <第4部> 16:30~18:00
 <第5部> 18:30~20:00
⑤人気メンバーは全ての部に参加する → 5部×6日=30部
 あまり人気のないメンバーは1日1部しか参加しなかったりする →1部×6日=6部
⑥ファンが個別握手会に参加するためには「個別握手会参加券付CD」を購入する必要がある
⑦「個別握手会参加券付CD」は「forTUNE music」(ソニー系列が運営するイベント応募サイト)で購入する必要がある
⑧「個別握手会参加券付CD」購入の際は、開催日、部、メンバーを指定する
⑨握手が許される時間はCD1枚あたりあたり5~7秒と言われている
⑩1部あたりの握手会参加延べ人数は500~700人と言われている


 ポイントは、握手会に参加するためにはCDを購入する必要があり、かつ、メンバーを指定するところだろう。

 CD購入とメンバー指定をセットにする制度をつくりあげたことで、個別握手会での人気メンバーというのは、結局はダイレクトに各メンバーがCDを何枚売り上げたかと同義ということになる。

 人気メンバーは、5部×6日=30部に参加し、全部の「個別握手会参加券付CD」を売り切る。不人気メンバーは1部×6日=6部を売り切ることが出来ない者もいる。

 30部売り切った場合、売上枚数はいくらになるのだろう。

 1部あたりの「個別握手会参加券付CD」の枚数は、500~700枚と言われているが、こちらの研究によると、9thシングルまでは675枚、10thからは614枚とのことだ。
 仮に間をとって645枚とすると

 30部売り切った場合、

 645枚 × 30部 = 19,350枚 となる。

 なんとメンバー1人で約2万枚売り上げるのだ。
 売り切るメンバーが5人いるだけで10万枚である。
 CDが売れない時代にこの数字がいかにすごいものかは説明するまでもないだろう。

 参考までに、
 「個別握手会参加券付CD」は定価1,050円。配送料が525円。トータルで1,575円である。
 配送料については、個人が郵便局を使ってもCD1枚を160円程度で送れる代物であり、配送業者と包括契約をしている企業なら1枚あたり数十円レベルであろう。だいたい、CDというのは全国一律価格が基本である。1,050円という定価の中には、CDを全国のCDショップに運搬する配送料が本来的に含まれているわけで。「シングルCDなど売れても利益はしれている」などというが、配送料という名目でCD本体価格から1.5倍の金額を消費者に負担させることにより、ソニーとしては莫大な収益を得ていることがわかる。


 さて、メンバー毎の売上枚数は公開されていないが、各部が「売り切れた」ことは公表されるため、各メンバーの売上ランクを相対的にあぶりだしてみる。


 下の表は3rd~18thシングルまでの「個別握手会」の売上部数をポイント化し、ランク付けしたもの。完売部を1ポイントとし、完売していない部については、0.5ポイントと置いて計算している。
 なお、同ポイント場合は、
 ①完売部数が多い者を上位とし
 ②全部完売の場合は、完売速度が早い者を上位とした
※完売速度~「個別握手会参加券付CD」の購入申込は1週間毎に締め切られ、1次受付、2次受付などと呼ばれる。人気がある者ほど早く完売していくと言われており、完売者が続出する近年はこの完売速度が人気度のバロメーターとなっている。
※完売部数、部数、完売速度の数値は乃木坂46・欅坂46握手会情報まとめに拠った

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  色を塗っている部分は、次回のシングルにおけるフォーメーション位置
 赤色~センター 黄色~1列目 青色~2列目 紫色~3列目 無色~非選抜

 さきほど見たように、1st~5thシングルまではメンバーがある程度固定化しており、17th以降は握手会に参加しないメンバーが続出するため、除外し、表を簡略化したものがこちら。

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 これを素直に眺めてみると、フォーメーションは、個別握手会の人気度=CD売上枚数に拠っているのではないかと思うかたもいるだろう。

 わかりやすいところで言うとセンターですら特殊事情を除き売上に拠っていることが読み取れる。

 この表だけでもほぼ売上でポジションが決められていることが想像されるが、一部そうでない理由により選ばれているメンバーもいる。

①初期フロントメンバー3人は特別扱い
 生駒里奈生田絵梨花星野みなみ 3名は特別扱いされている。黎明期に乃木坂46の顔として売り出された3人を簡単に選抜から外すことはできず、彼女たちのポジションは売上枚数だけには拠っていない。
堀未央奈
 堀未央奈は7thシングルの際、2期生ながら(2期生だから)突如センターに抜擢された。当然CD売上は伸びず、売上枚数からだと次回は選抜落ちしてしまうため、8thでは特例扱いされている。なお、以降は他メンバーとほぼほぼ同扱い
③思い出選抜
 ファンから思い出選抜と呼ばれているのは、選抜に選ばれたことのないメンバーも1度は選抜入りさせるシステム。初期メンバーは途中で脱退した者を除き、全員1度は選抜入りしている。中元日芽香が7thシングルで選抜に入ったのも思い出選抜と言われている。
 同じような理由で2期メンバーも選抜入りを果たす場合がある。
松井玲奈(SKE兼任)
⑤休養・引退など

 こういった特別要素を見え消しし

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 思い切って表から除外してみる

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 こうすると、かなり綺麗に売り上げ枚数の順位付けによりグループ内序列が決まっていることがわかってしまう。

 乃木坂46の仕組みは、「握手会の人気選抜に反映されている」ではなく、

 原則、売上枚数
 例外、その他の事情  でポジションが決まっている。


 あの残酷な選抜発表シーンは、その実、いかに売り上げたかが発表されているシーンであったわけですね・・・

 乃木坂46において選抜の選考理由を公表できない理由はここにあったわけです。

 

 

 (続き)中元日芽香と乃木坂46 その3 ~中元日芽香の戦い~